『言霊使いと幻想郷』   作:零戦

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朝6時起床は辛いね(´・ω・`)
後3ヶ月何とか辞めないようにしないと。


第七十六話

 

 

 

 俺は相変わらず永遠亭に入院していた。霊夢は毎日二時間ほど御見舞いに来ている。

 最初は朝から晩までいたため俺が何とか霊夢を宥めて二時間にした。流石に一日中永遠亭にいるのはな……。

 

「はい、誠さんあーん」

「あ、あーん」

 

 そして今日は何故か早苗と神奈子が御見舞いに来ている。霊夢はまだ来ていない。霊夢が来ない時間帯に早苗達や美鈴達が来ている。

 理由は霊夢の怒りに触れたくないと……まぁ怒った霊夢は怖いからな。

 

「それでなんですがね誠さん、にとりさん達とロボットの製作をしているんですよ」

「作れるのか?」

「私としてはマ〇ンガーやガ〇ダムを作ってもらいたいんですけど……流石にそれはまだ無理みたいで」

 

 まだという事はいつか作れるんだな……。

 

「それと桜新町の事を聞きたいです」

「桜新町? それはまた何でだ?」

「幻想郷以外に妖怪と人間が暮らしているんですよね? 外の世界にそんな場所があるなんて知りませんでしたよ」

「神奈子は知ってなかったか?」

「セクハラ野郎がいる町なんて知らないね」

「……そうすか」

 

 よっぽどセクハラしてたんだな雄飛さん……。

 

「そうさな……何処から始めるか……」

 

 俺は早苗に桜新町の話を始めた。

 

 

「ふぇ~妖怪の人が町長をしているんですか?」

「あぁ、槍桜マチという人が町長をしていたけど紫さんからの話ではあの世に送られたみたいだ」

「あの世……ですか?」

「あぁ、あの世だ。あの世なんてないと思ってるだろ?」

「えぇまぁ……」

「映姫や小町がいるだろ?」

「あ……そうでしたね」

 

 俺の指摘に早苗がテヘペロをした。可愛いね、霊夢もしたら可愛いと思うんだな。

 あ、紫さんがしたら駄目だ。痛すぎるからやる時は蓮子が相手の時にな。

 

「今はマチさんの孫娘のヒメが町長をしているはすだ」

「孫娘が町長をしているんですか?」

「あぁ、確か高校生だったな」

「こ、高校生なんですか!?」

「あぁ、槍桜家は代々町長を歴任しているからな」

 

 何で俺が知っているのかというと、紫さんがたまに桜新町に行って俺に近況報告をしているからな。

 皆も元気そうみたいだしな。ただ、ことはがまだ俺と孝之の事を引きずっているみたいだ。紫さん曰く「そのうち重圧に押し潰されるんじゃないかしら?」と言っていた。

 ……どうにかしないとな……。

 

「そういや警察も代々続いているはずだな」

「……日本ってそんな法律が緩かったですか?」

「いやいや、桜新町が特別なだけだよ。現に政府から手厚い保護を受けているからな」

 

 日本の各地で妖怪が発見されると政府から桜新町に保護要請が来るからな。妖怪の保護と名だが、実際は人間を守るための措置であり要するに厄介払いと言ったらいい。

 それを知っているのは町長、元老院、比泉家、神様二人くらいだろう。

 

「出来たぞ誠、ウサギさんだ」

「お、おぅ。ありがとう神奈子」

 

 俺は歪な形をしたウサギのリンゴを神奈子から受け取って食べるのであった。

 

 

 

「……ほぅ、これが過去の日本の町ね……」

「感想は?」

「あんまり建物は未来と変わらないわね」

「素直な感想ね」

 

 紫と蓮子は外の世界である桜新町に来ていた。理由は歴代町長の墓参りである。本当は紫だけだが蓮子が行きたいと愚図るため紫が連れて来たのだ。

 

「さぁ行くわよ蓮子」

「はいはい。ちょっと写真でも撮りますか」

 

 蓮子は歩きながら岡崎教授から貰ったライカを使って写真を撮っている。

 

「ほぅ橙みたいなネコミミかな? 本当に妖怪と人間の町ね」

「あれはサトリね」

「サトリって地底にいなかったかしら?」

「妖怪にも違いはあるのよ。桜新町の妖怪は大体が人間体の妖怪が多いのよ」

 

 二人はそう話しながら墓の場所に向かう。墓地に来た二人はバケツに水を入れ、途中で買った花を板塔婆に添える。

 

『………』

 

 二人が手を合わせ墓参りが終わるが、紫は草むらに視線を向けた。

 

「メリー?」

「そこにいるのは判っているわ。出てきなさい」

「……バレてたのね」

 

 草むらから出てきたのはことはだった。

 

「先程から私達を監視してましたわね?」

「……貴女が八雲紫ね?」

「名を名乗るならまず自分からですわ」

「それは失礼。私は五十音ことは、言霊使いよ」

「そう、その言霊使いが私に何の用かしら?」

 

 紫は扇子を拡げて出して口元を隠す。対することはは冷や汗をかいていた。

 

「(……威圧感が凄いわね。背中がゾクゾクするわ)」

 

 ことははそう思いつつ紫と対峙する。

 

「……貴女がスキマを使用する妖怪だと判っている。率直に言うわ、八雲誠は幻想郷にいる。そうでしょ?」

「……誰なのかしらその八雲誠とは?」

「ふざけるのはやめてほしいわ。あの時、誠兄は多数の目があるスキマに飲み込まれたのを確認したわ」

「……それで貴女は何が望みなのかしら?」

「私の望みはただ一つ、誠兄と孝兄を帰してもらうわ」

「……フフフ」

「何が可笑しいのよ?」

 

 笑う紫にことはが眉を歪めた。

 

「可笑しいから可笑しいのよ五十音ことは。八雲誠と敷島孝之の二人は幻想郷にいるわ。正解した貴女には幻想郷に招待してあげるわ」

「え……?」

 

 その瞬間、ことはの下にスキマが現れてことははスキマに飲み込まれた。

 

「……幻想郷の何処に送ったのメリー?」

「さぁ何処かしらね。一名様御案内~♪」

 

 紫は嬉しそうにそう言った。

 

 

 

 




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