『言霊使いと幻想郷』   作:零戦

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時系列や設定等は明日くらいに出せると思います。


第六話

 

 

「ねぇねぇ、お腹空いたー」

 

「はいはい、もうすぐだからな」

 

 ルーミアの言葉に俺はそう答えて茶碗にご飯を入れる。

 

「ルーミアも手伝いなさいよ」

 

「は~い」

 

 霊夢の言葉にルーミアは俺に近寄って手を出した。俺は茶碗をルーミアに渡し、ルーミアは卓袱台に置いていく。

 

「それじゃあ食べるか」

 

『いただきます』

 

 俺達三人は手を合わせて食べ始める。ルーミアの事件から五日が経過した。

 

 人里は紫さんから上白沢慧音を通じて事件の終息宣言を聞いてホッとしているらしい。

 

 まぁ人里の人間が喰われていたからな。人里にはルーミアの処遇はまだ決めてないが博麗神社で保護しているからと通達しているみたいだ。

 

 ……多分、参拝客が減りそうだな。

 

「どうも~文々。新聞です……ってあややや、朝食の時間でしたか」

 

「ん? 何だ文か」

 

 そこへ文がやってきた。片手には何時ものようにカメラを持っている。

 

「ルーミアさんの取材に来たのですが……早かったみたいですね」

 

「いいよいいよ、問題は無いし。射命丸も食べるか?」

 

「いいんですか?」

 

 その時、射命丸の腹が可愛らしく鳴いた。

 

「……すいません、まだ食べてなかったので……」

 

 たははと笑う射命丸。まぁいいけどな。そして射命丸も食事に参加する事になった。

 

 

 

 

「……じゃあ、ルーミアさんは急に身体が動かなくなったのですか?」

 

「ん~、急にピキンと金縛りになってしまったの」

 

「いやですからそれが身体が動かなくなったんですよ」

 

「そーなのかー」

 

「………」

 

「頑張れ射命丸」

 

 疲れた表情をする射命丸に俺はそう言った。

 

「う~ん、これでは記事になりませんし妖怪達への警戒心が与えられませんねぇ」

 

 射命丸は首を捻りながらそう言って悩んでいる。

 

「まぁそこは少し嘘を混ぜ合わせるしか無いだろ。妖怪を操る謎の存在がいるんだ。少しでも妖怪達に警戒心を持たせないとな」

 

「そうですよねぇ。まぁこの幻想郷には強者が多数いますからそう簡単には操られはしないと思いますけどね」

 

 射命丸はそう言ってカメラでルーミアを撮影して手帳に書き込む。

 

「まぁそうだろうな」

 

「誠兄、そろそろ境内を掃除してきてよ」

 

「ん? そうか今日の掃除当番は俺か」

 

「交代制で掃除当番をしているんですか?」

 

「まぁな」

 

 射命丸の質問に俺はそう答えた。意外と境内の掃除は広いからな。

 

「んじゃあちょっと掃除してくるわ。射命丸は頑張って記事頑張れよ」

 

「そうですね、もう少しお茶を飲んで考えます」

 

「早く帰りなさいよ」

 

 霊夢が嫌味でボソッと言った。んな事言うなよ……(汗)

 

 まぁそれはさておき、俺は箒を持って外に出た。

 

 

 

「今日は意外と落ち葉も少ないな」

 

 ちなみに季節は秋だが今日は昨日よりかは少ない。

 

「……ん?」

 

 その時、階段から一人の女性が登ってきた。髪の色は緑で長髪、三角帽に黒いマントを着ているな。

 

 参拝客……にしては変なような……。

 

「やぁ、あんたは博麗の者かい?」

 

「はぁ、一応お世話になってますけど、参拝客ですか?」

 

「そうだねぇ。一つお願いを受け取ってもらいたくてね」

 

「お願い……ですか?」

 

「あぁそうだよ。なに、簡単な事さ……博麗に住む奴は全員殺す事さ」

 

 そう言って女性は鎌みたいなのを出して俺に斬りつけようとする。

 

「ちょッ!? いきなり何をッ!!」

 

「へぇ……ただの居候にしては避けるのは上手いようだねぇ」

 

 こいつ……。

 

「いきなり何だ? 俺と霊夢はあんたのような美人には何もしてないはずだが?」

 

「おやおや美人とは嬉しいねぇ。だがこれでもまだ美人と言えるかい?」

 

「な……」

 

 女性の脚が消え、代わりに幽霊みたいな形になる。

 

「まさか……幽霊か?」

 

「惜しいね。正解は悪霊だよ」

 

 そう言って女性は星の形をした弾幕を形成する。

 

「さて……こいつに耐えれるかなッ!!」

 

「『壁』ッ!!」

 

 発射された弾幕に俺は言霊で五枚の壁を作る。逃げる事もあり得たけど俺の後ろは神社だ。中には霊夢達がいる。

 

 怪我させてたまるかよ。

 

 そして女性が放った弾幕は五枚の壁のうち、四枚までは撃ち抜いたが最後の壁を貫く事はなかった。

 

「あんたは一体何者だッ!!」

 

 女性にそう言ったが正面に女性はいなかった。

 

「いない……何処に……」

 

 左、右……いない。まさかッ!?

 

「正解だ。後ろさ」

 

 首を後ろに捻るとそこには俺を斬りつけようとする女性がいた。

 

「何でこんな神社を守ろうとするか私には分からんねぇ」

 

「があァッ!!」

 

 女性ほそう言いながら淡々とした表情で俺の背中を斬りつけた。

 

 くぅ……これは久々に痛いな……。

 

 俺は膝から崩れ落ちそうになるが何とか耐えて女性と距離をとる。

 

「おやおや、私も嫌われたのかね」

 

 女性は残念そうに言うが今は関係ない。

 

「それよりもさっさと殺すかね」

 

 女性は再び弾幕を形成する。目標は神社だ。

 

「逃げろ霊夢ッ!!『鉄扉』ッ!!」

 

 今度は鉄の壁として鉄扉を出して女性の弾幕を耐えた。

 

「……どうやら先に殺すのはあんたにするしかないね」

 

 女性は俺に目標を変えた。

 

 




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