『言霊使いと幻想郷』   作:零戦

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PCのバックライト壊れたから修理……。
エロゲーと艦これが出来ん……。


第七十二話

 

 

 

 

「全く……誠兄一人で地底に行かせるなんて……」

『あら、誠君なら死にはしないでしょ?』

「大怪我をしそうよ」

『それならそれで貴女が世話をすればいいじゃない?』

「……その手があったわね」

「……何を言っているんだぜ……」

 

 五月蝿いわよ魔理沙。私と魔理沙は地底の旧都に向かっていた。道中に土蜘蛛と妬ましいと呟くのがいたけど弾幕ごっこで捻ったわ。

 

「それにしても……向こうの方が騒がしいわね?」

『大方鬼が暴れているのよ』

「鬼って幻想郷にはいないはずよ?」

『表向きはね。鬼達には地底の怨霊が地上に出ないよう地底に住んでもらっているのよ』

「ま、取りあえず早く行こうぜ」

「判ったわよ」

 

 私は魔理沙に急かされるように旧都に向かった。

 

 

 

「さっきまでの勢いはどうした半妖? 私の盃から酒を溢さないとあんたが死ぬよ?」

「………」

 

 ……少し意識が飛んでたな。全く、鬼の力は出鱈目だな。

 女の鬼――星熊勇儀が参戦してきたが、他の鬼と比べると彼女の方が圧倒的に上だった。しかもハンデだと言って盃に注がれた酒は盃から一滴も落ちていない。

 しかも彼女は他の鬼同様に俺に接近戦で殴ってくるが、他の鬼より威力が違う。

 試しに左腕で星熊の右ストレートを受けたが完全に折れているしよ。顔面も殴られたが咄嗟に星熊の腹に弾幕を放って威力を半減させた。

 半減しても左頬はズキズキと痛むし鼻血も出ている。

 

「……全く、力馬鹿にはやってられんよ」

「はん、文句を言うならアタシに一発ぶちこみな」

 

 星熊はそう言って酒を飲んでいる。たく、その顔に一発ぶちこんでやるよ。

 ……これはあまり使いたくないが……。

 

「はぁぁぁ……」

 

 俺は左肩に貼ってある封の紙を取る。途端に俺に力が湧いてきた。

 

「その力……神力だね?」

「あぁ。普段は使わないからな」

 

 半神半妖だけど、あまり神力は使いたくないから霊夢に頼んで神力を最小限に封印させてもらっていた。

 

「俺も言霊の力は使わない。殴り合いだ」

「面白い……殴り合いは大賛成だ!!」

 

 俺は神力を身体に行き渡るように流し込む。折れている左腕は楯として使うしかない。

 

「ハアァァァーーーッ!!」

 

 星熊が俺に突進してきて右足を振り上げて俺の左腕を狙った。

 

「ぐゥ!?」

 

 俺は痛みに耐えながらも右拳に神力を注ぐ。

 

「左腕は犠牲だろ? それは此方も読んでいるよ!!」

 

 星熊はそう言って蹴りを入れた右足に力が込もって俺を地面に叩きつけようとするが、何とか俺は堪える。

 星熊は右足では無理と判断したのか、俺に右ストレートをかまそうと殴り掛かろうするが俺は身体を左に反らして星熊の右拳が空を切った。

 

「やるじゃないか」

 

 自身の右拳が空を切ったのを星熊がニヤリと笑う。俺はすかさず星熊の態勢を崩そうと右肩で星熊にぶつかった。

 

「おっと、盃が……」

 

 盃から酒が零れると思った星熊の視線が俺から逸れた。今しかない!!

 

「ハアァァァーーーッ!!」

「ぐゥ!?」

 

 俺は星熊の腹に渾身の右ストレートをぶちこんだ。(ぶっちゃけ腹パン)星熊は腹を避けようとしていたが、その前にぶちこむ事が出来た。

 

「ガ……」

 

 神力を右拳に注いでいた事もあり、星熊の目が見開き唾液が地面に落ちた。多分入った瞬間、息は出来なかったと思う。多分な。

 そしてそのまま星熊を突き飛ばしてみすちー店に直撃した……って。

 

「わ、私のお店がァァァーーーッ!?」

「す、済まんみすちー……」

 

 店の惨状にみすちーが呆然としていた。いやほんとに済まないみすちー。

 

「ゲホゲホ……やるねあんた」

「そうかい。でもあんたの負けだ星熊」

 

 俺は星熊に指差した。星熊は盃を持っていないから向こうの負けのはずだ。

 

「ハハハ、こりゃあアタシの負けだね」

「勇儀の姉御が負けたぞ!?」

「凄いぞあの半妖!!」

 

 周りの鬼達がざわついている。てかもう身体中が痛い……。

 

「ま、誠兄!?」

「げ、霊夢!?」

 

 そこへ霊夢と霧雨がやってきた。これはヤバイぞ……取りあえずはだ。

 

「どうしたのよ誠兄!?」

「左腕が在らぬ方向へ向いているぜ」

「俺の事は良いから。異変なんだから早く解決してこい」

「でも誠兄……」

「良いから行ってこい。俺の事は気にするな」

「……判ったわ。後で尋問するから覚えておきなさい」

 

 ……どっちにしろ俺の命は無いのかよ。霊夢は心配そうにしていたけど異変解決が優先だからな。てかもう俺限界だわ……。

 

「みすちー、後は頼む……」

「え、ちょ、誠さん!?」

 

 俺はみすちーの声を聞きながら気絶した。

 

 

「これはどうしましょう……」

「あんたの店に運ぶよ。ほら、あんたらも手伝いな」

「へい、勇儀の姉御」

 

 オロオロしている小雀にアタシはそう言って他の鬼達に指示を出した。アタシもまだ腹が痛むね……。

 

「だ、大丈夫ですか?」

「心配ないよ。酒でも飲んだら直ぐに治るさ。それにしても……こいつはたまげた奴だよ」

 

 アタシは気絶しているこいつを見てそう思った。

 

「半妖半神なのかい?」

「人里から知らないうちに信仰を得たみたいです」

「神力を使いこなせてたら……アタシは完全に死んでたよ。身体が半分になってな」

 

 久しぶりに死を覚悟したよ……。

 

「地上にもまだ強い奴はいたもんだね……」

「誠さんや博麗の巫女は別かもしれませんけどね」

「そういやこいつの名前は何て言うんだい?」

「八雲誠さんですよ」

「八雲誠……ねぇ」

 

 アタシは久々に満足出来た男を見た。また戦ってくれるかね?

 

 

 

 

 

 




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