『言霊使いと幻想郷』 作:零戦
友人と勇儀のおっぱいは垂れ乳なのか議論がありました。
「……何だこれは?」
「……温泉……よね?」
「温泉……だな」
払暁時、神社が揺れていたから地震かと思って霊夢をお姫様抱っこをして外に出たら水というか……湯気と水が出てた。
そして現場に行くと……間欠泉が湧き出ていた。
「……誠兄、これはカネになるわ」
「……まぁそうだろうと思うけど、その前に整備をしないとな」
温泉が他のところに流れ出さないようにしないとな。
「あややや。これは大ニュースですね」
「文か」
そこへ文々。新聞の朝刊を持った文が飛来してきた。
「丁度良い。文、にとり達河童に温泉の事を知らせてくれないか? 河童達の報酬は段ボールに入った胡瓜一箱だ」
「分かりました。直ぐに呼んできましょう。これは良いネタです」
文は全速力で妖怪の山の方向へ向かった。そして三十分後ににとり達河童が五人ほど集まった。
「急に済まんなにとり」
「良いよ良いよ。胡瓜貰えるしお安いご用だ」
「取りあえず、露天風呂を作りたいんだが……」
「ふむふむ……」
俺はにとり達にそう説明した。説明を聞いたにとり達は早速露天風呂の構築に入り出した。
「……けど妙だな」
「何が妙なのよ?」
「何でいきなり温泉が湧き出たかだ。温泉ってのは火山の近くで湧き出るはずなんだよ。幻想郷に火山は存在しないし、少し疑問なんだよな……」
「でも実際に湧き出てるわよ?」
「案外、温泉の層が神社の下にあって何らかの拍子で湧き出したかだな。これの場合は多分直ぐに枯れるけどな」
「じゃあこの温泉も枯れるの?」
「……微妙だな」
「なぁんだ、それならカネにはならないわね」
霊夢は残念がっているが、まだ分からんぞ。
「取りあえず誠達が入れる露天風呂は出来たよ」
「ありがとうなにとり。これが御礼の胡瓜だ」
「本当に段ボール一箱だッ!?」
「凄いよにとりッ!! 流石盟友だよ」
段ボール一箱に沢山入っている胡瓜を見ながら他の河童達が喜んでいる。
「また何かあったら宜しくねッ!!」
「あぁ、期待しているよ」
帰っていくにとり達に俺はそう言っておいた。
「今日の夜は楽しみね」
「霧雨達が来そうだけどな」
「いよう霊夢ッ!! 温泉が湧き出てたみたいだな」
そう言っていると早速霧雨がやってきた。
「……来るの速すぎよ」
「一番風呂は私だぜ」
「一番風呂は私よ」
「なら二人が最初に入れば良いだろ……」
言い争いかけた二人に俺はそう諭して露天風呂に行かせた。
「さて、俺は境内の掃除でも……」
「御早う誠君」
「あれま、紫さんじゃないですか」
掃除しようとしたらスキマから紫さんが現れた。
「誠君、早速なんだけど……異変よ」
「……詳しく聞きます」
「神社に湧き出た温泉は地底に住む者が行ったかもしれないからよ」
「地底?」
「えぇ。地底には鬼などの妖怪が住んでいるわ」
「鬼? でも萃香は……」
「本来なら鬼は地上、この幻想郷にいてはならない。鬼と人間のパワーバランスは鬼が遥かに上なのよ。他にも色々理由はあるけど地底には鬼達がいるのよ」
「成る程。今回の温泉はその地底に何かあったと?」
「そう考えるわ。霊夢にも行かせるけど、誠君に先行調査をお願いしたいの。既に地底にいた怨霊も出ているわ」
「怨霊って……あれすか?」
周りにふわふわと浮いている球体がある。しかも顔の骨……あれは多分顔なんだろうな。てかあれってポケ〇ンで見たような……。
「えぇ。数が集まれば悪さをしだすわ。妖精より酷い悪さをね」
「神社が壊滅しそうな悪さですか?」
「そうね」
「……分かりました、行きましょう」
「助かるわ誠君。場所は神社の裏にあるわ」
「神社の裏ですか?」
「えぇ。分かりにくいところに隠してあるの」
俺は紫さんの案内の元、その場所へ行く。
「此処よ」
「確かに分かりにくいですね。それに中々穴が広いですね」
「元々人避けの札を貼っていたわ。昔に貼ってたから効力が薄くなっていたのも怨霊が出てきた原因ね」
「取りあえず、地底行って調査したら良いんですね?」
「そうね。異変なら霊夢達にね」
「分かりました。それでは」
俺は紫さんにそう言って穴に入り、ゆっくりと降りて行った。
「まだ深いな。それに光も見えにくくなってるし……ショートカット『懐中電灯』『ヘッドランプ』『ヘルメ』」
俺はショートカットで懐中電灯、ヘッドランプ、工事用ヘルメットを出してヘルメにヘッドランプを装着して被り、懐中電灯で底を照らした。
「……深すぎだな」
それに怨霊の数も段々と増えてるし……。
「あれだな。downdowndownだな」
何処の英語の教科書だよ。
「底に到着っと」
大体十五分は降りたな。
「さて……何処に歩けば良いんだろか?」
「おお? 人間とは珍しいねぇ」
目の前に現れたのは金髪の御団子か、ポニーテールで茶色の大きなリボンをして瞳の色はリボンと同じ茶色。服装は黒いふっくらとした上着の上にこげ茶色のジャンパースカートを着て、スカートの上から黄色いベルトのような物をクロスさせて何重にも巻き、裾を絞った不思議な衣装をした女性だった。
「地底に遊びに来たのかい? あそこは今御祭り騒ぎよ。誰も拒みゃしないから楽しんでおはいき」
「どうも、俺は八雲紫から地底の調査を頼まれたんだ」
「そうなのかい?」
「あぁ。地上の博麗神社に温泉が涌き出してね。地底に原因があるんじゃないかとね」
「う~ん。私は何も知らないけど、地底に行けば何か判るかもしれないね」
「そうか、地底は何処に行けば?」
「地底は此方だよ。この道を真っ直ぐ行けば旧都と言って昔は地獄の一部だった場所があるよ」
女性は自身が来た道を指差した。
「そうか、ありがとう。えぇっと……」
「ヤマメ、黒谷ヤマメだよ。種族は土蜘蛛なんだよ」
「土蜘蛛って……源頼光伝説に出てくる土蜘蛛か?」
「お、よく知ってるね」
むぅ、俄に信じられんけどな。
「ま、今は地底でのんびりとしてるけどね」
「そうか。ま、取りあえずはありがとうヤマメ」
「気を付けるんだよ」
俺はヤマメに礼を言って旧都へ向かった。
御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m