『言霊使いと幻想郷』   作:零戦

61 / 86
今回は早奈英とのフラグイベントです。
待っていた方御待たせしました。


第五十六話

 

 

 

「ちょっと蜜柑が多いな……」

 

 俺は蜜柑が入っている戸棚を見ていた。蜜柑は百以上あるが多すぎると傷んで腐りやすいからな。

 誰かにおすそ分けでもするしかないな。

 

「ちょっと出掛けてくるぞ」

「私もちょっと出掛けてくるわ」

 

 ん? 珍しいな霊夢が出掛けるなんて……。

 

「何処に行くんだ?」

「ちょっとね……」

 

 霊夢が言葉を濁した。俺もそれに深く追求する気はなく、蜜柑が入った袋を持って飛んでいった。

 

 

 

 ……行ったわね誠兄。

 

「それで何処に行く気だい?」

「……紅魔館と人里にね」

 

 魅魔にはそう言っておいた。ま、それは事実だからね。最初に行くのは……人里ね。

 私は人里へ向かった。

 

 

 

「よう東風谷」

「お早うございます誠さん」

 

 俺は妖怪の山にある守矢神社に来ていた。

 

「蜜柑のおすそ分けだ」

「わぁ、ありがとうございます。蜜柑の残りが少なかったのでどうしようかと思ってたんです……きゃッ!?」

 

 東風谷は嬉しそうに近寄ってくるが石畳が凍っていたのか転びそうなった。

 

「おっと」

 

 俺は東風谷を抱き抱えるが、右手が東風谷の胸をわしづかんだ。

 

『………』

 

 最初は事態をよく分からない表情をしていた東風谷だが、急に頬を赤く染めた。

 

「……きゃーーーッ!!」

「す、済まん東風谷ッ!!」

「エ、エッチィィィーーーッ!!」

「ちょ、おま……」

 

 そして東風谷がスペカを発動させて俺をぴちゅらせたのであった。なお、蜜柑は無事だ。

 

「……すみません誠さん」

「いや……俺も悪かった」

 

 ボコボコにされた俺は何とか生きていた。三回連続スペカ発動されたけどな。

 

「それはさておき、蜜柑のおすそ分けだ」

「有りがたいね。冬は蜜柑に限るよ」

 

 神奈子がそう言って蜜柑の皮を剥いている。俺も貰うか。

 

「蜜柑の皮と言えばこれだよな」

「何ですか……きゃッ!?」

 

 俺は蜜柑の皮を東風谷に向け、折り曲げて中の汁を飛ばした。

『よく友達にやってた。やり返されたがby作者』

 

「目が~目が~」

「おぉム〇カさん」

 

 東風谷がゴロゴロと目を押さえて転がっていた。

 

「目が痛いじゃないですか誠さんッ!!」

「カッカッカ、よくやられただろ?」

「勿論やり返しましたよ。こんな風にですッ!!」

「うげッ!?」

 

 隙を突かれて東風谷に蜜柑の汁をかけられた。く、タオルか何かを……。

 手を伸ばしたその時、俺は柔らかい物に触れたがこれはまさか……。

 

「………」

 

 はい、東風谷の胸を触っていました。デカイなぁ……呑気だがもうすぐ俺は死ぬんだぜ?

 

「……いやーーーッ!!!」

「波〇砲……発射ァッ!!」

「これがラ〇ュタの力……」

 

 俺は東風谷と神奈子にぴちゅられたのであった。

 

 

 

「いやほんとに済まない」

「もういいですよ」

 

 俺は東風谷に土下座をしていた。ジャンピングでも構わないぞ。

 

「……いざとなったら責任取ってもらいますから」

「何か言ったか?」

「いえ何も」

 

 何か聞こえたが気のせいか。

 

「ところで今日は霊夢さんは神社でお留守番ですか?」

「霊夢は用事で人里と紅魔館に行ってるよ」

 

 

 

――人里――

 

「久しぶりね阿求」

「そうですね霊夢さん。貴女が此処に来る事はまずありませんけどね」

 

 私は人里に住んでいる稗田阿求の家に来ていた。

 

「今日は何の御用ですか?」

「ちょっとね。吸血鬼異変について教えてほしいのだけど」

「………」

 

 私の言葉に阿求がくちを閉じた。

 

「……言えないのかしら?」

「……ある程度の事は言えますよ。簡単にですが」

「それでも構わないわ」

「……吸血鬼異変はレミリア・スカーレットの父親が起こした異変です。そしてその異変を鎮めたのは八雲紫、魅魔、八雲誠の三人です」

「……何で私があまり知らないのかしら?」

「理由は簡単です。その異変はスペルカードを使用していないからです」

「ッ!?」

 

 阿求の言葉に私は思わず絶句した。それなら誠兄は……。

 

「私から言えるのはそれだけです」

「……判ったわ。ありがとう阿求」

 

 私は阿求に御礼を言って阿求の家を出た。さて、そうなると……。

 

「次は紅魔館ね」

 

 レミリアに聞くのは気が進まないけど仕方ないわね。

 

 

 

 

「あら、霊夢が尋ねてきたのはそれが理由なのね」

「構わないでしょ」

 

 私は紅魔館でレミリアと会っていた。目的は勿論吸血鬼異変を聞くためよ。

 

「吸血鬼異変、貴女の父親が起こした異変らしいわね?」

「……えぇ、スカーレット家の恥ね」

 

 レミリアは苦虫を潰したような表情をしていた。

 

「その時の異変、詳しく教えてくれないかしら?」

「……何故聞く必要が?」

「博麗の巫女である私を参加させない異変は何かあるのよ」

「……ぅ~」

 

 途端にレミリアが困った表情をしだした。

 

「何よ?」

「……その、霊夢? やっぱり聞かない方が……」

「何でよ? 聞いたら駄目なのかしら?」

「……判ったわ。話すけど、文句は言わないでよ」

 

 そう言ってレミリアは吸血鬼異変を話し始めた。

 

 

 

 

『吸血鬼異変は番外編にてやりますby作者』

 

 

 

 




御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。