『言霊使いと幻想郷』   作:零戦

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第五十三話

 

 

 

「おいっす~」

 

 漸く守矢神社に到着した。途中で椛と遭遇したが、守矢神社に行く事を告げると通してくれた。

 なお、椛の肌は艶々していた事を明記しておく。

 ……大丈夫かな太助は……。

 

「おぉ~い、八坂いるか~?」

 

 俺は神社の前で言うが八坂は一向に出てこないな。

 

「神社が大きいから聞こえてないかもな。仕方ない、此方から行くか」

 

 俺は神社の裏に回った。

 

「おぉ~い、八坂……」

「………」

 

 ……裏に回って障子を開けると、八坂が丁度何時もの服に着替えようとしていたところだった。まぁ取りあえず……。

 

「……良いオッパイだな」

「言いたい事はそれだけかァッ!!!」

 

 そして俺は八坂の御柱で吹き飛ばされたのであった。

 ん? 八坂のはでかかったぞ。まぁFはあったな。

 しかも垂れる事はなく立派だった……。

 

「どうやらもう一回吹き飛びたいようだね?」

「それは許して下さい八坂様。オラのライフはゼロだべ」

 

 御柱を構える八坂に俺はジャンピング土下座を敢行したのは言うまでなかった。

 

 

 

「しかし……壊れそうな分社だな」

「う、五月蝿いな。下手くそなのは放っておけ」

 

 八坂は顔を赤くしながら反論してくる。俺は苦笑しつつ作業に取り掛かった。

 

 

 

「……はぁ、漸く一週間が終わったわね」

 

 私は溜め息を吐きながら神社の石段を登っていた。紫の家で弾幕ごっこをさせられ紫のご飯を作らされて……あれ? これだと紫の世話をしてるような気が……。

 確か藍も凄く喜んでたような……まぁ過ぎた事だから良いわ。

 

「ただいまぁ」

 

 私は鳥居を潜った。この時間帯だと誠兄が掃除をしている時間かしら?

 

「あ、お帰りなさい」

「……何であんたが此処にいるのよ。しかも掃除をしているし……」

 

 誠兄じゃなくて守矢の……早苗だっけ? そいつが何故か境内を掃除していた。

 

「霊夢さんの代わりに博麗神社の管理をしていたんですよ」

「……そう言えば紫がそんな事を言っていたわね。ところで誠兄は?」

「誠さんならうちの神社にある分社を造り直しにうちの神社に行きましたよ」

「分社? 何よそれ?」

「実はですね……」

 

 早苗が私に説明してきた。

 

 

    ~~少女説明中~~

 

 

「成る程ね、そのために守矢神社に誠兄が行っているわけね……」

「はい、そうなんです」

 

 私は早苗からの説明に頷いたけど……今一つ釈然としなかった。

 というより嫌な予感しかしないわね。

 

「早苗、ちょっと神社の留守番頼むわよ」

「え、ちょ、霊夢さんッ!?」

 

 私は早苗の叫び声を聞きながら飛んだ。目的地は妖怪の山にある守矢神社よ。

 

 

 

「ふぅ、こんなところか」

「お、神奈子より上手だね」

「八坂のと比べたら駄目だろ」

「酷くないかいッ!?」

 

 八坂がなんか喚いているが無視だ無視。造り直した分社は見事に守矢神社の脇に建っていた。なお、八坂から神奈子で言いと言われた。

 何でもフランクな方が信仰しやすいとか。

 

「御茶を用意したから飲んでね」

「ありがとう洩矢」

「諏訪子で良いよ」

 

 俺は諏訪子から御茶を貰い一口飲んだ。……ふぅ……。

 

「それで神奈子、さっきから俺を見ているけど何か付いてるのか?」

「い、いやそうじゃ無いんだよ……」

「じゃあ何だ?」

「………」

「黙るのは駄目だよ神奈子。ちゃんと言わないと」

「……あぁ……」

 

 諏訪子がそう言って神奈子が俺に視線を向けた。

 

「実は「こぉぉぉら誠兄ィィィッ!!」……」

「………」

 

 俺は霊夢の声に思わず固まり、ギギギッとなりそうなくらいゆっくりと振り返る。

 そこには御幣を装備した霊夢がいた。

 

 

 

「退きなさいにとりッ!!」

「私こんなのばっかぁ~~~ッ!!」

 

 妖怪の山を登っているとまた岡崎とにとりが装備品の試行で私に挑んできたが返り討ちにした。

 途中で椛とかいたけど全て撃退したわ。話すのがめんどくさいしね。

 そして何とか神社に着いて裏に回った。裏の縁側では誠兄と神奈子が向かいあって何か良い雰囲気だったわ。

 

「……こぉぉぉら誠兄ィィィッ!!」

 

 私の怒号に誠兄と神奈子が驚いたように此方を見た。

 一週間ぶりに誠兄を見た……あれ……何だか目の前が見えなく……。

 

「れ、霊夢? どうしたんだ? 何で泣いてるんだ?」

 

 誠兄に言われて気付いた。いつの間にか私は泣いていた。

 

 

 

 

「れ、霊夢? どうしたんだ? 何で泣いてるんだ?」

 

 いきなり霊夢が泣き出していた。いや訳が分からないよ……。

 

「……ぐす……誠兄の馬鹿ぁ……」

「ええぇぇぇぇぇ……」

「……何で神社にいないのよぉ……ぐす……一週間ぶりに会えると思ったのにぃ……」

「……悪い」

 

 俺は霊夢の頭を撫でる。霊夢も涙目だがエヘヘと笑った。

 

「今度、私の御願い聞いてね」

「あぁ……努力するよ」

「……もう話していいかい?」

 

 神奈子は顔を赤くしながらもじもじしていた。……この八坂可愛いなおい。

 

「あぁ、それで何なんだ?」

「……誠、お前には半妖の力があるのは承知しているだろ?」

「あぁ、堕とされたからな。それがどうしたんだ?」

「……率直に言おうか。誠、お前には半妖の力以外にも力があった」

「何……?」

「それは……神力だ」

「神力……どういう意味だ?」

「つまりだ。お前は私や諏訪子と同じように信仰心を少ないが得ているんだ。言わば半分神様のようなものだな」

 

 ……はひ?

 

 

 

 




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