『言霊使いと幻想郷』   作:零戦

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第四十⑨話

 

 

 

「ゴフ……フフフ、不意打ちですか。流石は博麗の巫女ですね」

「……黄金の右手二式に耐えるなんて、貴女やるわね」

「……大丈夫だろうか?」

 

 霊夢に腹パンされた巫女さんはゆっくりと立ち上がった。対して霊夢は巫女さんを少し警戒していた。

 

「私達は外の世界から来ました。信仰を求めに」

「信仰?」

「そうです。信仰が無くては『二人』はやがては消えてしまう……私は家族と別れてまで『二人』と居たいんです。邪魔はさせませんッ!!」

「……それは此方の台詞よ。神社が無くなれば私達は……」

 

 その時、霊夢が此方をチラッと見たような気がした。

 

「……弾幕ごっこで決めるわ」

「構いませんッ!!」

 

 そして巫女同士の弾幕ごっこが開始された。

 

「……なぁ、霊夢の兄ちゃん」

「どうした霧雨?」

「今回、私の出番は秋姉妹のとこだけだぜ?」

「……仕方ないだろ」

 

 弾幕ごっこが出来てない霧雨は溜め息を吐いていた。まぁ今回は神社の存続が危険視されているからほぼ霊夢の異変とまで言った方が良いだろうな。

 

「霊符「夢想封印」ッ!!」

「ならば此方も……」

 

 そう言って巫女はスペカを出した。

 

「秘術「グレイソーマタージ」ッ!!」

 

 巫女は弾幕で作った星を出して霊夢に次々とぶつけていく。ぶつけていく星も途中で形が崩れて霊夢に向かっていく。

 しかし、霊夢はそれらの弾幕をグレイズしながら避けていた。

 

「ふん、少しはやるようね」

「それは此方の台詞ですよ」

 

 二人はニヤリと笑いながら弾幕ごっこをしている。

 

「さて、あの巫女は何処まで持つかな?」

「霊夢の勝利は確信済みなのか?」

「まぁな。別に霊夢の肩を持つわけじゃないが……霊夢は幻想郷最強の巫女だ。そう簡単にやられはしない」

「だろうね。鬼巫女とまで言われてるもんなぁ」

 

 俺と霧雨は二人の弾幕ごっこを見ていた……誰かいるな。

 

「……誰だ?」

「どうした霊夢の兄ちゃん?」

 

 俺は神社を見た。その時、一体の御柱の影から一人の女性が出てきた。

 女性は髪色は紫ぽく、型は……み〇えぽいな。それに後ろには大きな注連縄を付けている。

 

「ほぅ……我の気配に気付いたか」

「……貴女は此処の神様ですかな?」

「ふむ……頭の回転が早くて助かる。我は八坂神奈子、神社に祀られている神である」

 

 ……神様だが、気になる事があるがそれは後で良いだろう。

 

「霊夢の兄ちゃん、私が先にやるぜッ!!」

「ほぅ……勇気があるな小娘よ」

「小娘じゃないぜ、霧雨魔理沙だぜッ!!」

 

 八坂は四本の御柱を装備して霧雨との弾幕ごっこを開始した。

 

「行くぜッ!! 恋符「マスタースパーク」ッ!!」

 

 霧雨が先手必勝とばかりにマスタースパークをぶっぱなした。だが、八坂はマスタースパークを冷静に対処して避けた。

 霧雨は更にマスタースパークを放つがどれも八坂に避けられた。

 

「今度は此方の番ぞッ!! 神祭「エクスパンデッド・オンバシラ」ッ!!」

 

 八坂がスペカを発動した。御柱が次々と霧雨に向かっていく。

 

「くッ!! 素早いぜッ!!」

 

 霧雨はギリギリのところでグレイズしている。

 

「ふむ、御柱を避けるとは人間もやるようだな。ではこれはどうだ。神穀「ディバイニングクロップ」ッ!!」

 

 八坂はスペカを発動した。弾幕が赤や緑等の色をしていたが、霧雨は避けていく。

 

「魔符「ミルキーウェイ」ッ!!」

 

 大小の星が八坂に向かっていくがこれもまた八坂は器用に避けていた。

 

「贄符「御射山御狩神事」」

「げ、しまっ――」

 

 弾幕から逃げていた霧雨だったが、八坂からの弾幕に逃げ切る事が出来ずぴちゅられた。

 

「人間にしては良く出来た方だな。では……やるとするか」

「………」

 

 八坂の言葉に俺は無言で弾幕を展開した。

 

「ほぅ、妖力か。ならば貴様は半獣か」

「……桜新町だと半妖だがな」

「……今何と言った?」

 

 ん?

 

「桜新町か?」

「……関係者か?」

「まぁ……な。元住民だ」

「そうか……なら士夏彦雄飛は知っているな?」

「あぁ」

「……これは面白いな。我はよっぽどあいつに運が無い」

 

 ……雄飛さんと知り合いか?

 

「まぁ今は弾幕に集中するとしよう……それに貴様から血の匂いがするねぇ」

 

 ………。

 

「我よりかは少ないが、少なくとも十の命を奪い、その血を浴びているね」

「……それで?」

「いやなに、久しぶりに楽しめそうだよ」

「そうか、ならすぐに終わらしてやるよッ!!」

 

 俺と八坂は弾幕ごっこを開始した。俺は八坂に弾幕をぶっぱなした。

 

「フ、ただの弾幕じゃないか。スペカは無いのかい?」

「なら出してやるッ!! 砲符「アハトアハト」ッ!!」

 

 俺はスペカのアハトアハトを出した。なお、アハトアハトは一門ではなく三門だ。

 

「全門撃ェッ!!」

 

 三門のアハトアハトが一斉に発射にされた。対する八坂はそれに臆する事なく、装備していた御柱で構えた。

 

「ま、まさか……」

「フンッ!!」

 

 八坂はそのまま振り抜いた。どういう事かって? 野球の打者のようにホームラン打ちやがったんだよ。しかも三発ともだ。

 

「貴様のスペカはそれぐらいかい?」

 

 この野郎……。

 

「……銃符「ボフォース四十ミリ」ッ!!」

 

 俺はスペカで有名なボフォース四十ミリ機関銃を出した。(同じく三門)

 ちなみに弾丸は妖力で作っている。そのうちアハトアハトも妖力にしてビーム砲にしてみるか。

 

「撃ェッ!!」

 

 俺は発射させた。

 

 

 




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