『言霊使いと幻想郷』   作:零戦

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第四十七話

 

 

 

「神社を廃社にしろですってッ!?」

 

「風祝さんが言うにはな」

 

 あの後、風祝さんはそう言って神社を後にしていた。

 

 言うだけ言って帰るのかよ……。

 

 俺は直ぐに霊夢達に知らせると霊夢は火山が噴火した如く怒り狂っていた。

 

「へぇ、そんな言う奴がいるんだな」

 

 霧雨がお茶を飲みながらそう呟いた。部屋には魅魔や萃香もいる。ちなみにゆっくりは俺の頭の上で寝ている。

 

「今から妖怪の山に行ってその神社を焼き払おうかしら」

 

「神社に仕えている身が何を言ってるんだい。私がちょいと揉んでやるよ」

 

「神社を焼き払うのは前提かよ」

 

 魅魔の言葉に俺はそう返した。まぁ取りあえずはだ……。

 

「守矢神社の事は明日にしよう。俺は今から人里に行って寺子屋で授業だからな」

 

「判ったわ、神社に行くのは明日にしましょう。それじゃあ今から守矢神社殲滅作戦会議を始めるわ」

 

「私も参加するのか?」

 

「当たり前じゃない」

 

 俺は寝ているゆっくりを布団に入れて境内に出た。

 

「済まん霧雨。今度何か奢るよ」

 

 作戦会議が開始された部屋に俺はそう言って石段を降りてショートカットした原チャで人里に向かった。

 

 

 

「隊長ッ!! 奴等の砲撃が強くなるばかりですぜッ!!」

 

「ちぃ、ドロワ軍の奴等は攻勢に出たようだな」

 

「隊長、何時までもタコツボに入っているだけじゃあ戦えませんぜ」

 

「そうだな……よし、一点集中で突撃するぞッ!! 総員着剣ッ!!」

 

 小銃を構えた罪袋達は銃剣を装着する。

 

「行くぞッ!! 勝利するのは我々ガーター軍だッ!!」

 

『ゆかりんは我等の元にッ!!』

 

 そして罪袋達は銃弾の雨が降る中、突撃を開始するのであった。

 

 

 

「……これが第二次ゆかりん大戦初期に行われたガーター軍の第一次攻撃よ」

 

「……かっけぇ……」

 

「ただの変態なのにすげぇ……」

 

「……何の話をしてるんすか宇佐見さん?」

 

「え? 誠君が構成した第二次ゆかりん大戦を描いてみたのよ」

 

「……紫さんに怒られるの自分なんですが……」

 

「その通りね誠君。それと蓮子、説明してもらえるかしら?」

 

『………』

 

 寺子屋の天井からいつの間にか紫さんがスキマを使って現れていた。

 

「あ、ゆかりんだッ!!」

 

「パンツはドロワなんですか? それともガーターですか? 若しくはTバックですか? 意表をついてノーパンですか?」

 

 ……よく尋ねる勇気があるな子どもよ……。てか火に油を注いでいるよな。

 

「……これは教育的指導をする必要がありますわね」

 

 げ、ヤバいッ!! 俺は咄嗟に逃げた。

 

「戦略的後退ッ!!」

 

「あ、ちょ、逃げるのはズルいわよ誠君ッ!!」

 

「二人とも逃がさないわよッ!!」

 

 結局、紫さんのスキマにやられて俺と宇佐見さんは紫さんにしこたま怒られるのであった。てか連子さんはかなり怒られていたな……。

 

 

 翌日、俺と霊夢に霧雨は妖怪の山の麓まで来ていた。魅魔達は留守番(ただの宴会だが……)だ。

 

「さて、二人とも。山に入る前にこれを装備してくれ」

 

「何よこれ?」

 

「身を隠すための装備品だ。それじゃあ行くか」

 

 三人はとある物を装備した。

 

「……此方ス〇ーク、周りに敵はいない。オ〇コン、場所を教えてくれ」

 

「何よスネ〇クって?」

 

「オタ〇ンって何だぜ?」

 

「気にすると負けだ。ゆっくりと前進するぞ」

 

「……何をしているの?」

 

 秋姉妹がいた。ば、馬鹿な。擬装が破られただと……。

 

「いや直ぐに区別が判るわよ」

 

「駄目じゃないの」

 

 むぅ……やはりそのままの色じゃ無理だったか。これから迷彩の段ボールを使うしかないな。

 

「貴女達がいるのは山の上に出来た神社の事でしょ?」

 

「通ってもいいけど、弾幕ごっこで私達を倒してからよッ!!」

 

「「夢想封印」ッ!!」

 

「「マスタースパーク」ッ!!」

 

「ひでぇ……」

 

 二人がさっさとスペカを出して秋姉妹を片付けた。一応、野菜とか分けてもらってるのに容赦ないな……。

 

「……またさつま芋を大量に送り届けてあげるわ」

 

「せめての反抗ね穣子……」

 

 ぴちゅられた二人はそう言っていた。まぁ……大丈夫だろう。

 

「ほら、行くわよ誠兄」

 

「はいはい」

 

 俺はぴちゅられた秋姉妹にショートカットで出した毛布をかけて山の中に入るのであった。

 

 

 

「……何か弾幕の数が多いわね」

 

「同感だぜ、誰かが弾幕を放っているんじゃないか?」

 

 山に入ったのだが……雑魚妖怪は出てくるし弾幕が飛んできてた。

 

 俺も危ない場面はあったが何とか切り抜けてきた。

 

「……そこッ!!」

 

「きゃッ!!」

 

 霊夢が草むらに御札を投げると、頭に長いリボンを巻いた女性が現れた。

 

「貴女ね、私達に弾幕を出していたのは」

 

「判っちゃった? 私は鍵山雛、警告のために弾幕を放っていたの」

 

「警告?」

 

「そう。妖怪の山は危険だから貴女達を追い返そうとね」

 

「悪いけど……私達は山の上の神社に用があるのよ。邪魔するなら倒すまでよ」

 

 霊夢は札を出して鍵山と対峙する。

 

「霧雨はどうするんだ?」

 

「霊夢が負けたら私の出番だぜ」

 

 霧雨はそう言った。

 

「帰るのは今のうちだけど……やるわよッ!!」

 

「返り討ちにしてやるわッ!!」

 

 そして霊夢と鍵山の弾幕ごっこが開始したのであった。

 

 

 




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