『言霊使いと幻想郷』   作:零戦

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第四十二話

 

 

「……何で付いてくるのよ」

 

「あら良いじゃない。付いてきては駄目なのかしら?」

 

 弾幕ごっこ後、幽香も付いてくる事になった。幽香によれば「まぁたまには遊びたい」かららしい。

 

 その割には俺に視線を向けていたが……というよりフラグが立ってるよな。

 

 やっぱ立ててるよな……俺自身はそんなイケメンじゃないんだけどな。(詳しくは閑話にて)

 

 それはさておき、あれからプリズムリバー三姉妹の情報を聞いて三途の川岸まで行く事になった。

 

 てか三途の川とかほんとにあったんだな……。

 

「……う~ん、人魂がいるわねぇ……」

 

「呑気に言うなよ霊夢」

 

 相変わらずのほほんとしている霊夢だった。

 

「そいつらはあたいらの仕事なんだけどねぇ」

 

 その時、大きな鎌を持った女性が現れたが……。

 

「ば、馬鹿な……」

 

「どうしたのよ誠兄?」

 

 そんな馬鹿な……。

 

「……巨乳っ娘じゃないかッ!!」

 

『……はぁ?』

 

「乳闘力千……二千……いや違う八千……い、一万二千ッ!!」

 

 デカイ。兎に角デカイんだよ……。

 

「……ちょっと誠兄、此方来なさい」

 

「ん? 何だ霊夢? 俺は今……」

 

 そして俺は霊夢に引きずられて何かをされたと思う。何せそこのところの記憶が無いんだ。

 

「何か変な奴がいるけどまぁいいや。今回は博麗の巫女が出なくてもいいよ」

 

「どういう事よ?」

 

「率直に言えばこれは異変じゃないしね」

 

「はぁ? こんなに花が咲き誇っているのが異変じゃないってどういう事よ? 返答次第ではぴちゅるわ。喋ってもぴちゅるわ」

 

「それは酷くないかいッ!?」

 

「喋ったわね、ぴちゅるわよッ!!」

 

 そして霊夢と鎌を持った女性が弾幕ごっこを始めた。

 

「幽香は何か知っているか?」

 

「さぁ……どうだったかしらねぇ……忘れちゃったわ」

 

 幽香がテヘペロで答えた。それと弾幕ごっこだが……。

 

 小銭が地面に落ちている。しかも大量にだ。

 

「あ、それは回収しないといけないから持っといてほしいね」

 

 女性は俺にそう言ってきたため、俺は地面に落ちている小銭を拾い始めた。

 

「何で俺が……」

 

「誠兄に手伝わせるなァッ!!」

 

 それを見ていた霊夢が叫んで夢想封印のスペカを出した。

 

「霊符「夢想封印」ッ!!」

 

「ぁ……」

 

 そして女性は夢想封印でぴちゅられて、爆発で吹き飛ばされたのであった。

 

「ちょ、霊夢ッ!! いくら何でもやり過ぎだぞッ!!」

 

「そんな奴、ほっときなさいよ」

 

 霊夢は幾分か不機嫌な様子だった。

 

「それでもだ。やり過ぎはよくないぞ」

 

「……分かった。ところで誠兄、あいつを助けるのは巨乳だからかしら?」

 

「……あのなぁ、あいつはこの異変を知っているみたいだから聞くだけだ」

 

 俺は溜め息を吐きながら倒れている女性に近づいた。

 

「大丈夫か?」

 

「ぁ~何とかね。流石は博麗の巫女だね。あたいも参った参ったよ」

 

 女性は苦笑いをしながらそう言っていた。

 

「俺は八雲誠。貴女は?」

 

「あたいかい? あたいは三途の川で彼岸に死者の魂を運ぶ死神の船頭、小野塚小町だよ」

 

 女性――小野塚はそう言った。てか死神だったのか。鎌を持ってからそれっぽいなぁとは思ってたけど……。

 

「あちゃ~、これじゃあ四季様に怒られるね~」

 

「四季? 四季って一体……」

 

「小町? 何をサボっているのですか?」

 

「げッ!? この声は四季様……きゃんッ!!」

 

「言葉使いがなっていませんよ小町。貴女はもう少し女性らしくした方が良いでしょう」

 

 そう言って一人の女性が現れた。

 

「し、四季様……」

 

 現れたのは手に悔悟棒を持ち、身長は霊夢より少し高く緑色の髪でショートヘアーに右側だけ少し長くなっている特徴的な髪形をしていた。

 

「あの、貴女は?」

 

「私は四季映姫・ヤマザナドゥ。所謂閻魔です」

 

「え、閻魔?」

 

「はい、そうです。幻想郷を担当する一人ですがね。八雲と言うと八雲紫の身内で?」

 

「い、いや。紫さんとは知り合いなだけで名字はたまたま一緒なだけです」

 

「成る程……それに貴方は堕ちた者ですね。博麗の巫女と行動を共にしているのは疑問ですが……」

 

 四季映姫はそう言って霊夢を見た。

 

「博麗の巫女。異変だと思いますがこれは異変ではありません」

 

「異変じゃない? どういう事かしら?」

 

「小町がサボっているので人魂が幻想郷に舞い降りて花に宿ったのです。なので此方が適切な処理をしていけば花は咲く事はありません」

 

「ふ~ん、じゃあこれは異変じゃないのね。はい、終わり」

 

 霊夢はパンと手を叩いた。

 

「そう、終わりなのは確かですが……貴女には少し話がありますよ」

 

「ぇ~嫌よ……」

 

「嫌ではありません。貴女が普段から適切に妖怪退治をすれば神社も人気なはずなのに貴女がサボるから八雲が働く事になっているのです」

 

 四季映姫はそう言って今まで出番が無かった魅魔に視線を向けた。

 

「おや、貴女が此処にいるのは珍しいですね。現世でやり残した事は終わったのですか?」

 

「ふん、生憎まだまだやり残した事はあるからね。暫くはあんたの世話にはならないね」

 

「……そうですか。では博麗の巫女、話をしますよ。拒否すれば弾幕が待っています」

 

「あら、弾幕ごっこなら私が勝つわ」

 

 二人はスペカを出した。

 

「貴女はそう、少しめんどくさがる意識を無くした方が良いでしょう」

 

 そして二人の弾幕ごっこが始まるのであった。

 

 




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