『言霊使いと幻想郷』 作:零戦
季節は秋。一般的にはよく芸術の秋や読書の秋とか言われているがそんな物は幻想郷には関係ない。
秋は秋姉妹が大が付くほどの活躍をしている。今年も木々は見事な紅葉をしている。
「そして俺は幽香の家で紅茶を飲んでいる」
「あら? 何か悪い事かしら?」
「そうは言っていない」
たまたま寺子屋の授業で人里に来ていた俺だが、運が良いのか悪いのか幽香に見つかり引きずられる形で幽香の家で紅茶を飲んでいた。
「それにしても畑には向日葵だけじゃなくてコスモスとかあったんだな」
「フフフ、私は四季のフラワーマスターよ。秋の花もあるに決まっているじゃない」
成る程な。
「まぁ観賞しておきなさい。そして後で戦うわよ」
「……目的はそれじゃね?」
なお、戦いは幽香が隙を突いてフラワースパークをぶっぱなして俺が負けた。
「まだ時間はあるな……久しぶりに孝之にでも会いに行くか」
まだ夕飯までには時間があったので紅魔館へと向かった。
――紅魔館門――
「……寝てる……」
相変わらず美鈴は寝ていた。よく寝るよなぁ。
そのうち寝過ぎて死ぬぞ……って妖怪は滅多に死なんな。
「おい、起きろ美鈴」
「くか~」
俺は美鈴を揺さぶるが美鈴は起きない。……フッフッフ、それならば……。
ムニュ。
俺は美鈴の双乳を触って揉みまくる、揉みまくるのだ。大事な事なので二回言いました。
「んぅ……すぅ……すぅ……」
馬鹿なまだ起きないだと? かなり力強く揉んでいるんだけど……ならば今度は双乳のちくび「貴方は何をしているのかしら?」……。
「……美鈴が起きるか実験していた(キリ)」
「……ドヤ顔をされても困るわね」
いつの間にかメイド長の咲夜がいた。時でも使ったのかな?
「それで貴方は何しに此処へ?」
「いやぁ、久しぶりに孝之を見ようかと……」
「……あいつなら今頃は死んでるかもしれないわ」
「へ?」
なして?
「……妹様の世話係になったからよ」
「……死んだかもな」
まぁロリのあいつにしたら感無量かもしれんな。
「妹様の部屋は地下よ。パチュリー様に聞いたら分かるわ。私は今から美鈴を起こすから」
「あぁ、分かった」
その時、咲夜がナイフで美鈴の頭に刺していたのは気のせいだと思いたかった。
「あら、貴方が来るのは久しぶりね」
「済まんなパチュリー」
「良いわ。魔理沙がよく本を盗みに来るから少しは安堵したわ」
あいつは……。また魅魔に怒ってもらうかな。
「それで今日はどうしたのかしら?」
「あぁ、孝之の顔を見に来たんだが……フランの世話係だろ?」
「そうね。レミィは面白がってたわね」
流石吸血鬼だな。
「行くのでしょ? 私も付き添いで行くわ」
「良いのか?」
「構わないわ。こあ、任せたわよ」
「はい、お任せ下さい(頑張って下さいね)」
パチュリーはこあにそう言って俺と共に地下室へ降りた。
「お~い孝之ぃ。生きてるかぁ~」
俺はそう言って入るとそこには……。
「行けぇ孝之号~」
「ヒ、ヒヒーン(涙目)」
フランに背中を乗られて執事服を着た孝之がいた。
「お、誠じゃないか」
「……何してんだお前?」
「フラン様の遊びに付き合っている」
「そうだよ。あ、パチュリー。さっきね、私が御兄ちゃんに『お医者さんごっこ』してたんだよ」
『御兄ちゃん。フランね、身体が熱いの』
『それは大変だなフラン。今から俺がフランに注射をしてあげるよ』
『ん、駄目だよ御兄ちゃん。アソコが痛いよぉ』
『我慢するんだよフラン。もう少しだからな。俺がフランにお薬を打ってやるからな。く、これはキツいな……』
そんな光景が脳内に浮かび上がった。え? 光景を見せろ?
……見せられるわけねぇだろ。そして俺はパチュリーと視線を合わした。
パチュリーも無言で頷いてくれた。
「ちょっと人里で小兎姫を連れて来る」
「私はレミィに報告しておくわ。残念ね孝之。有能だったのに……」
「ちょ、違う違う違うッ!! 二人が考えている光景じゃないから説明させてくれェッ!!」
孝之の絶叫が部屋に響いた。
~~青年説明中~~
「……つまり、患者は孝之だったわけか」
「そういう事だ。もう少しで俺は……フラン様にきゅっとしてどかーんをされそうだった……」
……苦労してるな孝之は。
「まぁ頑張れ孝之」
「次は何して遊び御兄ちゃん? ベッドで格闘する?」
………。
「やっぱ小兎姫呼ぼうかな……」
孝之の将来が心配だった。
「もう帰るのかしら?」
「あぁ、夕飯の時間だからな。遅れたら霊夢に怒られる」
「……そう」
ん? 何か表情が暗いような……。
「次は早く来るよ」
「……なら魔理沙用として置いておこうかしら」
パチュリーはそう言って微笑んだ。パチュリーに別れを告げて門に行くと美鈴が恨めしそうに此方を見ていた。
「……また私の胸を揉んでたそうですね?」
「アハハハ、いやまぁそのデカイ双乳だからな……」
俺は美鈴の視線を気にして明後日の方向を見た。
「全くもう。次はちゃんと起こして下さいね」
「起こすのは前提かよ……」
溜め息を吐いた俺である。
「起こすのは誠さんじゃないといけませんよ」
「何か言ったか?」
「いえ何も」
「??」
若干、疑問だったが美鈴に別れを告げて神社に帰るのであった。
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