『言霊使いと幻想郷』   作:零戦

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早めに書けた。


第三十二話

 

 

「姫様なら暇だと思うウサ」

 

 てゐがそう言って輝夜の部屋に案内してくれた。

 

「輝夜いるかぁ?」

 

「あ、誠じゃないの」

 

 部屋の襖を開けると輝夜はゲームをしていた。しかもプレ2のパワ〇ロだし……。

 

「お前、霊夢達と戦わなくていいのか?」

 

「えぇ~……めんどくさい……」

 

「いや、めんどくさいって……。八意さん負けるぞ?」

 

「大丈夫大丈夫。えーりんを倒してもラストは私だから」

 

 ……大丈夫なのか?

 

「それよりパ〇プロの相手してよ。コンピュータ相手は飽きたのよ」

 

「あのなぁ……魅魔?」

 

「ま、いいんじゃない。戦えると思ったのに拍子抜けたよ」

 

 すっかりだらけモードに突入した魅魔である。順応早くないか?

 

「……ま、いいか。やろうか輝夜」

 

「流石誠。やってくれると思ってたわ」

 

 輝夜はそう言って俺にコントローラを渡してきた。フフフ、俺もパワ〇ロはやる方だぞ輝夜?

 

「ちょ、そこでダブルスチールをするのッ!?」

 

「って打たれたッ!? ドームランじゃないのッ!!」

 

「もうピッチャー交代よッ!! ってまたヒット打たれたァッ!!」

 

 

 

「………( ; ゜Д゜)……」

 

「ふ、久々にしたな」

 

 テレビの画面には16対1で勝った巨〇があった。

 

「……ズルいわよ誠ッ!! そんなに金をかけて選手を取るなんてッ!!」

 

「いや元々〇人は……」

 

「ズルいわよ……」

 

「分かった分かった。ならアレンジしていいから」

 

 頬を膨らませた輝夜に俺はそう言うと輝夜は嬉しそうに球団のアレンジを始めた。

 

 ちなみに輝夜の球団はタテジマの虎のマークだな。俺は観客がタオルのオレンジを振り回す球団だけどな。

 

「よぉし、これなら勝てるわね」

 

 輝夜は嬉しそうに言ってきた……ってセ・パから有名なのを取り巻くってのオールスターだな。

 

「これで勝負よッ!!」

 

 そして再び対戦が始まった。

 

「ちょ、そこでセーフティするのッ!?」

 

「ぬああぁぁぁぁぁッ!! フェンス直撃ッ!?」

 

「球種見せなさいよッ!! 打てないじゃないッ!!」

 

 

 

「……また負けたぁ……」

 

 輝夜がorz状態になっている。ちなみに17対3でまた俺が勝った。合計で33-4だがな。

 

「くぅ~」

 

 涙目で此方を見るな輝夜。案外可愛いだろうよ。

 

「次はこれで勝負よッ!!」

 

 輝夜が取り出したのはぷ〇ぷよだった。ゲームは続くんだな。

 

「てか今何時だ……ん?」

 

「どうしたのよ誠?」

 

 ……おかしいな。

 

「夜がまだ明けてない……」

 

 今は五時を少し過ぎているし、そろそろ薄明になりかけてもいいはずなんだが……ってあ。

 

「……こりゃヤバいな」

 

「何がヤバいんだい誠?」

 

 俺の様子を不審に思った魅魔が聞いてきた。

 

「……異変の原因は八意さんだろ?」

 

「まぁ……そうね。理由は今は伏せるわ」

 

「そしてそれを解決するために紫さんと霊夢が今、八意さんと戦っているだろ?」

 

「まぁそうだね」

 

「それで今、夜を止めているだろ? 八意さんが異変の原因だとしても、異変の首謀者は……」

 

「……夜を止めた霊夢とスキマが異変の首謀者となるわけか」

 

「それは……」

 

 そこまで分かった瞬間、俺達三人の表情はひきつっていた。

 

「……仕方ないわね、私が手伝うわ」

 

 輝夜が溜め息を吐きながら立ち上がる。

 

「何とかなるのか?」

 

「なるわ。私のファイナルスペルの「永夜返し」でするわ」

 

 輝夜はそう言ってスペカを俺に見せるのであった。そして俺達は永遠亭の上空で戦っている三人のところへ向かった。

 

 

 

 

「……で、何してるのよ誠兄?」

 

「そうね、何しているのかしら誠?」

 

 只今霊夢と紫さんと対峙しているが……非常に怖い、怖い。大事な事なので二回言いました。

 

「いやまぁ……何と言うか……」

 

 俺は完全にしどろもどろだが気にしない。足も震えてるが気のせいだ。

 

「異変を解決するため?」

 

「へぇ~……異変を完全するのにそっちにつくのね」

 

「いやまぁ……あれだ。異変の原因は八意さんだが、首謀者は霊夢と紫さんなんだ」

 

『………』

 

 ……あり? 黙りすか? 紫さんは「あ……」という表情をしているが、霊夢は……。

 

「……ふざけんじゃないわよ……此方は眠たいというのに、紫と一緒に此処まで来て今更異変は自分達でしただなんて……」

 

「れ、霊夢?」

 

「ふざけるんじゃいわよッ!!!」

 

 ……駄目だ。完全にキレてるよ霊夢の奴……。

 

「誠兄」

 

「は、はいッ!!」

 

 霊夢の言葉に俺は何故か背筋を伸ばした。

 

「取りあえず吹っ飛んでくれない?」

 

「は?」

 

「『夢想封印』ッ!!」

 

「ちょ、おま……」

 

 霊夢が『夢想封印』のスペカを出して俺に向けた。

 

 ……これは完全に死んだな。

 

「なぁてゐ。俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」

 

「死亡フラグというやつウサ。骨は拾うウサ」

 

「誰と結婚する気なのよ誠兄ィッ!!」

 

「げ、フラグを知らんのかッ!?」

 

「知るわけないでしょォッ!! 連続で『夢想封印』ッ!!」

 

「……骨、残らないウサ」

 

 てゐの言葉を聞いた瞬間、俺は光りに包まれて意識を失うのであった。

 

 

「あ、生きてたウサ。回収するウサ」

 

 




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