やはり俺に彼女が出来るまでの道のりはまちがっている。 作:mochipurin
あとこの場で、自分が凄まじい失態を犯していたことをお詫びします。簡潔にいいます。いろはの登場があんなに遅いとは思ってませんでした、原作読み返して放心してました。
活動報告に詳しいこと書いてますので、良ければそちらの方でコメントください。あなたのコメントが一色いろはを変える......!
はい、茶番です。6話どうぞ。
「くそぅ......的前め、ハメやがって......」
「いや、ハメてないから、体験入部してる人を部員に紹介するのは普通でしょ?」
「うぐぐ、しかしだな、俺はまさか弓道で実際に矢を射つまで、こんなに時間かかるとは思ってなくてだな」
「はいはい、今更見苦しい言い訳はいいからいいから。ほら、みんな集合したからいくよ」
あれから四日後、総体から休みだった練習が再開し、その練習初日の今日、物陰でひっそりと練習する予定を立てていた俺は的前に発見された後連行され、
「えっと、もうみんな知ってると思うけど、今年から弓道部の部長を任されることになりました、的前優香です。私とみんなにとって悔いの残らない一年にしたいと思っているので、よろしくお願いします」
二十数名いる部員が声を揃えて、よろしくお願いしますと返す。あら、結構信頼されてるっぽい。
「えーっと早速練習、といきたいところですが、休みの間に体験入部してる人ができましたー!」
的前が手で、俺を自己紹介するよう促す。
「えー体験入部することになった二年F組の比企谷八幡です。よろしくお願いしましゅ」
自己紹介で噛むという醜態を晒していた。死にたい。
まあ当然ではあるが、部員からはなぜこんな時期に、それも二年生が体験入部?と怪訝そうな顔つきで見られたものの、よろしくお願いしますや、おー体験入部かー、うわぁ......目が死んでる......などと、反応がまばらに聞こえてきたので、どうやら歓迎されてないというわけではないらしい。というか誰だよ目が死んでるとかいったやつ、ぶっ飛ばすぞ。
「みんなが休みのうちに、私が指導をちょこっとだけやったんだけど、比企谷くん、結構素質あるよ〜?一年生は気をつけたほうがいいかもね。二年生は早々抜かれるなんてないと思うけど、頭の片隅には置いてたほうがいいかも」
いやいや的前さんそういうのやめてくれません?今の言葉で部員さんの俺を見る目が明らかに変化したんですけど。
「的前さんが褒めるとかどんだけ化け物なんだ......」
とか聞こえてくるんだけど、じゃあ的前は化け物を超越した何かなの?もしそうなら本当に俺に依頼する必要ありました?
「でも比企谷くんはまだ始めて数日程度なので、気づいた点があったら是非指導してあげてね。といっても基本的に私がしばらく付きっ切りで指導するつもりなんだけど」
「ちょっと待て的前、その言い方はよせ。俺にとって絶対よくないことが起こるから」
主に男子から。
「的前さんに付きっ切りで......比企谷八幡......許すまじ......」
ほらぁ?言った通りになったじゃないですかやだぁ。
「?よくわからないけど、そろそろ練習始めます。比企谷くんはまだ真似るだけでいいからやってね」
「え、何を−」
「的正面!礼!」
「え......」
的前の謎の声かけで、部員が的を設置しているところ、的場というんだっけか、に洗練された動きで回れ右をして礼をする。
「脇正面!礼!」
かと思えば先程の向きに直り、再び礼をし、
「「「「お願いします!」」」」
最後にお願いしますでフィニッシュ!!
「............」
ゴメンチョットヨクキキトレナカッタナー......
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
「やーごめんごめん。最初に説明しておけばよかったんだけど、みんないるし待たせるのもあれだなーと思ってやっちゃった」
「いや、やっちゃった、じゃねえだろ。あんなの直前に、真似てね?とか言われるだけじゃどうにもならんわ。それに的前が抜けてるせいでさっきのといい、結構被害受けてる気がするんですけど?」
「んもーいちいちうるさいなー悪いとは思ってるけど、男の子なんだからそのくらい許してよー」
「お?結局逆ギレですか?逆ギレなんですか?」
「うー比企谷くんの意地悪!捻くれ者!比企谷!」
「いや、比企谷は悪口じゃねえだろ。しかもそれだと俺の両親、ご先祖様もろとも貶されてるじゃねえか」
「あっ......ごめん......」
「い、いや俺は別にどうでもいいから大丈夫だけど......」
んー的前ってたまに突然しおらしくなるというか、深く落ち込むときがあるんだよなぁ、情緒不安定なのかしらん?
「そう......ん、じゃあ気をとりなおして一発引いてみよっか!」
「う、ういっす」
つってもすぐ復活するから大丈夫なんだろうけど。
ジーー
「.........」
ジーーー
「...............」
なんかめっちゃ見られてる。もんのすごく見られてる。
ちなみに俺の服は制服のまま。そしてその制服ボーイを見続ける20余りの弓道着ボーイ&ガール。
実にシュールかつ不可思議な光景である。
「見られすぎて集中できないんだが」
「あ、あはは......みんな比企谷くんの実力が気になるんだねー、なんでだろ」
犯人どう考えてもあんたやん。家元の娘が素質あるとか言ったら誰でも見に来ますやん。
「的前ってやっぱかなり抜けてるよな」
「いやいや抜けてないよ。一体私のどこが抜けてるっていうの」
「自覚がない時点で大概だと思うぞ」
「えー......っていうか比企谷くんみんなに見られて緊張してるからって、話すり替えて引く気ないでしょ」
「そういう的前は今話逸らしたよな」
「さっさと引く!」
「あっ、はい」
女子の言葉による強制力は反則級。
「おぉ〜」
残心を終えると同時に、野次の方からやや驚いたような声が聞こえる。
「すげえな、身体の芯が全くぶれてない」「それに大三から会の持っていき方も結構うまかったよね」「そうね。まだ荒削りな部分も見受けられたけど、優香が素質あるっていうだけあるわ〜あれ本当に始めて数日の射形?もうゴム弓卒業してもいいんじゃない?」「ぼっちっぽいなりしてるくせに生意気......」「会のとき目の死にようやばかったぞ」
「ほら!言った通りでしょ?やっぱり比企谷くんは素質あるんだって」
「そ、そうか」
こう大勢に認められると、ちょっと恥ずかしいな......あと後半の二人はあとで絞める。
「なあ的前。さっきの離れの部分がちょっとだけすくい離れ(手を下に切るような離れ)寄りになってたと感じたんだが、どうだ?」
「え?もうすくい離れまで知ってるの?確かにそうだったけど、まだ難しいだろうから言わないでおこうと思ってたのに......普通ゴム弓やってる段階ですくい離れなんてなかなか知らないよ?しかも自己分析までできる、か......私抜かれちゃうかも」
「いや、んなわけねえだろ。このぐらいの奴過去には何人もいただろ?」
なにせ文系部の俺が出来るのである。センス抜群の体育会系のやつなんて軽く俺のレベルを越えるだろ。
「んーそんなことないんだよねぇ......ほら、証拠」
的前が指差す先は、さっきまで俺をガン見してた野次の方向、だがそこに部員は誰もいない。いつ消えたんだあいつら。
「なんでみんないないんだ?」
「たぶん比企谷くんに負けるかもって、思ったんじゃない?まあ私も気を抜いてられないから、ちょっと射ってくるね。今日は練習再開初日ってこともあって、いつもより早く終わるつもりだからそこんとこよろしく。んじゃねー」
「え、ちょま」
シーン...
「............」
悲報
体験入部員、放置される。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
「はい、練習お疲れ様でした。今日は久しぶりの練習ってことで、少し早く終わります。明日からいつも通りの練習時間になるから把握よろしくね。じゃ、的正面!礼!脇正面!礼!」
「「「「お疲れ様でした!」」」」
ふっふっふ、今回はなんとかやってやったぜ。ちょっと噛んで焦ったけど。
しかし、人がこうもいると疲れるな、今日はさっさと帰って、先週のプリキュアを2周目せねば......
退室時に、お疲れ様でしたーと部員たちが一言残して帰っていくのに便乗しようと−
「はい比企谷くんストーップ」
「ぐえっ」
背後から襟首を掴まれ、足止めされる。
「なんだよ的前。俺はこれから家に帰ってN◯K教育番組を見なきゃいかんのだ、離してくれ」
「教育番組って、比企谷くんそんなの見てるの?でもどちらにせよちょっとぐらいなら時間あるでしょ?」
「まぁそうだが、というか録画してるやつだから時間自体はいくらでも」
「あ、じゃあ尚更安心だね!」
「安心だね!じゃねえよ一体なんなんだ。俺をどこかに売り飛ばしでもするき?」
「どこをどうとったらそういう発想になるの......このあとさ、私と二人でちょっと街にお出かけしない?」
「......は?」
俺と残ってた部員の時が凍りました。
最近、元弓道部から現役弓道部の方から結構コメントいただいております。
主に誤字、修正のコメントなんですがね.....自分の未熟さがひしひしを伝わってくる今日この頃。それでも自分の書いた作品を目に留めていただい上に、コメントをしてくださるっていうのですから嬉しい限りです。また、弓道をしていない方がおられましたら、少しでも触れてみてはいかがでしょうか......!
それはそうと、ついに次回は的前ちゃんと八幡の制服デートが見えるのですかね?!(まだ次回の分一文字も書いてない顔)どんな展開にしてやろうかと試行中ですが、勘のいい方には丸わかりなんでしょうね!!
ではまた次回お会いできますように!