やはり俺に彼女が出来るまでの道のりはまちがっている。 作:mochipurin
あと気づいたらUA10000いきそうで禿げました。皆さんありがとうございます。
「的前って名前に聞き覚えあるなーと思ってけど、近所の人だったんだねー納得だよ」
「そうだな」
「にしても的前さんめちゃくちゃ美人だったねー可愛さも兼ね備えてるし、それでいて弓道部の部長さん、スペック高いなー」
「そうだね」
「小町あんな人がお姉ちゃんになってくれたらうれし......ねえお兄ちゃん聞いてるの?」
「おお、聞いてる聞いてる」
「そう、じゃあ小町に一万円くれるんだね? ありがと。」
「ごめん、ちょっと待って真面目に聞いてなかった。俺の財布からこれ以上札を奪わないで」
「嘘だってば。はい、アイスの棒捨てといて」
「おのれ小町、計ったな......」
脇にあったゴミ箱に狙いを決めてシュッートッ!!!......外れた。
「あのさぁ......なにもそこまで深刻に考えなくてもいいんじゃない?お互いの家が近かったってわかっただけじゃん」
「違う、違うんだ小町。俺が悩んでるのはそこじゃないんだ」
「じゃあなんなの? お兄ちゃんが的前さんに、ご近所ってことを頑なに隠匿しようとしたのがバレて、お叱りを受けたこと?」
「確かにあれは恐怖ではあったが......」
いやほんと目が笑ってませんでしたからね?あの時の図を言葉で表すのなら、女豹に睨まれた引きこもり。圧倒的敗北。
「俺が言いたいのは的前が、
「じゃあ、明日から一緒に登校しない?いやー近くで知り合いが通学してないから寂しかったんだよねー、一緒に通学してくれると嬉しいなー」
と、一緒に通学しようと強せ......いや、お誘いしてきたところだ」
「強制って......あの言い方だと別に強制じゃないでしょ。あんなに可愛い同級生と一緒に通学できるなんて、一般男子高校生なら普通は舞い上がってるんもんじゃないの?」
いやあの頼み方はほど強制に近い。
「確かに的前がかなり可愛い部類の女子ってのはわかる。だが、そこなんだ、そこが原因なんだ」
「ごめん、一般人である上に女子である小町には意味がわからないよ......」
「勝手に俺が一般人外みたいな言い回しやめてくない?」
じゃあなに? 俺は一体なんなの? 比企谷八幡っていう固有種なの?
「で? 仮にお兄ちゃんが一般人で、可愛い女の子のお誘いに難色を示すごみいちゃんだったとしても、小町にはわかんないから説明してくれる?」
「いや、一般人の後いらねえから。まあいいわ、簡潔に述べるとだな、俺みたいなカースト最下位のやつが美少女と登校すると、美少女が心配され、逆に俺が貶されるから」
「......ごみいちゃんがそこまで酷い状態だったなんて......もうこれはごみどころかPM2.5だよ......」
おいだれが粒子レベルに存在する公害だよ。そこまで多くねえからせめて花粉にしろ。
「あのねぇ......向こうからのお誘いなんだから、的前さん自身は気にしてないってことなんだよ? あとはお兄ちゃんが貶されるかどうかって話なんだし、断る理由なんてないでしょ?」
「ごめん大いにあり過ぎて困ってる」
いや確かに貶される点においてはどうでもいいんだが、今の言い分はさすがに理不尽。
「はぁー埒があかなそうだからもういいよ。小町は寝るから。もし明日的前さんが迎えに来てくれたりしたらちゃんと一緒に行くんだよ? いいね?」
「わかった、わかったから」
「よろしい、んじゃおやすみー」
「おう、おやすみ」
んじゃま、俺も寝ますかね。
小町が退いたことで、身体の沈みが浅くなったソファーから立ち上がる。
あれ? ソファーの沈み具合を逆算すれば、体重がある程度わかるんじゃ......?
「ねえお兄ちゃん」
「あひぁい!」
あれ、もしかしてバレた? 俺、死ぬの?
「一緒に通学するのが恥ずかしいなんて、男子高校生たるお兄ちゃんにはありえないよね」
「............え」
「んじゃね〜おやすみ〜」
扉がパタン、と控えめな音を立てて閉まり、リビングに静寂が訪れる。
「......んなわけないだろ」
なぜ暑くなったのかもわからない顔の火照りを冷ますには、いささかこの季節は役に立たなさそうだ。
はい!3連休での汚名をそそごうかと努力した結果ですが、いかがでしたでしょうか!
もう内容の短さについては触れないでやってください(自分から触れてただけ)
今回は弓道成分0でしたがお楽しみいただけたら幸いです。
ではまた5話で!