やはり俺に彼女が出来るまでの道のりはまちがっている。   作:mochipurin

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投稿めっちゃ遅れました。休日は執筆スピード&質が落ちるという衝撃の事実。すいません。
あとキャラ紹介放り込んだ直前の話の終わり方が、「私......弓道そんなにしたくないんだ......」と的前ちゃんがちょっとシリアス展開を漂わせていたとこだったんでもやもやしてた人は申し訳ない。
またあのセリフから始まります
では、3話です。どうぞ


3. 彼の周りはいつだって予想外でできている

「私ね。実は弓道......そんなにしたくないんだ......」

 

 なん......だと......って

 

「いやいやいやちょっと待て。辛くなったら誰だってしたくないことができるのはわかる。とてもわかる。でも、だったらなんで奉仕部になんかに依頼を」

 

「ち、違うの!......確かにさっき言った通り弓道がそんなにしたくないのは本当。でもそれは現在の話であって、弓道は今も大好き。もちろん早気を治したいって心から思ってる。けど......」

 

 ......あーなるほど、原因だけは大体把握した。

 

「......家の都合か」

 

「......うん」

 

 やっぱり家元の娘ともなると色々あるのだろうか。流派絡みのゴタゴタとかあるだろうし、両親は優しいと話してはいたが、弓道に関しては無論厳しい部分もあるのだろう。うーむ、専門外すぎる上に、家までそれも、流派の本家ほどのものが絡んできてるとなるとこの依頼、やすやすと俺を解放してくれないんだろうな......帰りたいでござる。

 

「......ねえ比企谷くん、やっぱりこの依頼の件、無しにしてもらえないかな? 比企谷くんにはここまで付き合ってもらって本当に申し訳ないんけど、なかなか解決できそうにないよ......あのね、正直私、早気なんてすぐ治るし大丈夫って楽観視してた。周りのみんなも早気なんて意識したら数日で治ることも多いって言ってたからだと思う。その結果がこの有様。このまま依頼を続行させるとしばらくの間迷惑かけることになるだろうから......」

 

「............」

 

 ああ、そうだな。

 

「却下だ」

 

「えっ......な、なんで?」

 

「そうだな、理由を挙げるとすればだな、まず一つ目、依頼の取り消しがいくらそっちからの願い出だとしても、のこのこ奉仕部になんか帰ったら十中八九雪ノ下に数日間いじられるから」

 

「え」

 

「次、徹夜してまで得た知識を活用せず水の泡にしたくないから」

 

「う"......」

 

「あとはこの空間も結構新鮮だし、そんな悪くは......あ、いや今の無しなんでもない」

 

 なに口走ってんだ俺。こんなの絶対に、あ、ごめん、そういうのマジで無理だから。って言われて振られるじゃん。告白すらしてないのに振られちゃったよ......

 

「っ......!!」

 

 ヤバい、顔を真っ赤にするぐらい怒ってらっしゃる。これは殴られるパターン。

 

「ふ、ふーん......こんな依頼でもまだ比企谷くんは続けてくれるんだ.....ひ、比企谷くんも弓道も良さがわかってきてくれたのかな! ......あ! 今日は家の近場のスーパーでブロッコリーのタイムセールがあるんだった! 比企谷くんごめん!私はもうこれで帰るね!」

 

「え、あ、お、おう」

 

 話を突然捲し上げたかと思うと、的前はバッと椅子から立ち上がり、ぱたたっと更衣室の方へ駆けていった。

 ......結局依頼を続行するかどうかうやむやになって聞けなかったな。まあいいけど。

 というかあいつブロッコリー好きなのか......

 

「あ、的前の奴、弓に弦張りっぱなしじゃねえか、しゃあねえな」

 

確か弓の弦をつけっぱなしで放置しとくと良くないんだよな。的前よ、怒りに任せて後片付けを疎かにするとは情けない。

 

「こ、こうでいいんだよな......?」

 

 弦を外し、弓立に弓をかける。外す時にかなりしなったから折れないか心配だったけど、頑丈さパンパじゃねえなこれ。

 

んじゃま、依頼主がLOSTしたことだし、俺も帰りますかね......今何時だっけ

 

「......うげ、もう7時近いのか、小町に連絡入れとくか。まあ時すでに遅しだろうが」

 

(悪い連絡遅くなった。今から帰るわ)

 

「っと、これでいいか、帰ろ」

 

ピロロン♪

 

いやいやいや小町たん。いくら俺の帰りを待ちわびてるからって返信早すぎない?受験生がそんなに携帯触るのはお兄ちゃん、ちょっと見過ごせないなー

 

(お疲れ様ー遅くなったのは、朝に言ってた部長さんとの練習絡みかな? ちゃんと送り届けてあげた? あげたよね? うん! お兄ちゃんがドヤ顔で「おう」って言ってる姿が目に浮かぶよ! お兄ちゃんが成長して小町嬉しい!)

 

(ちゃんと送り届けてあげること)

 

(わかった?)

 

「............」

 

ポチポチポチ......

 

(悪い。帰宅するのもうちょっと遅れる)

 

(はーい。頑張ってね〜)

 

......的前出てくるの待つか。

 

 

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

 

 

「あーーーーーーー」

 

 もうもうもう、なんなのなんなの、比企谷くんったら!

すごく捻くれてると思ってたら、急に素直なこと言い出すんだもん、あんなの反則だよ......

 こっちは思わずスーパーでブロッコリーのセールがあるとか意味の分からないこと言って逃げてきたし、これ絶対変なやつだって思われたよね......

 

「はぁ......」

 

 結局依頼の件もうやむやにしちゃってるし、どうしよ。

 

「あーもう、やめやめ! こんなにうじうじしてるから早気が治んないんだ! 着替えて帰ろ! ......あ」

 

 比企谷くんにさよならのあいさつ、ちゃんとできなかったなぁ......

 

 

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

 

 

「......お」

 

結構早かったな。弓道着とかだからもうちょっと着替えるの時間かかると思ってたけど、案外着脱は楽だったりするのかしらん。

 

「おーい的前、送っていくことになったから帰うぜ」

 

「え、あれ? 比企谷くん? もう帰ったんじゃなかったの?」

 

「いやちょっといろいろあってだな、本来の俺ならチャリに跨って帰路についてるころだったんだが......」

 

「いや、そこは嘘でも心配とかそんなこと言っとこうよ......」

 

「まあ細かい事は気にしないでいいから。俺はもう腹が減りすぎてやばいから、さっさと晩飯を食いたいんだわ」

 

「う、うんじゃあ帰ろっか。......あ、弦外すの忘れてたから比企谷くんちょっと待っててくれる?」

 

「ん? ああ、それならもう外しといたぞ」

 

 ドヤァ......俺だって多少は気が利く男なんやでぇ? なんだこのエセ関西弁。

 

「え、うわわ、ほんとだ、いつの間に。なんだかごめんね?依頼の事でもないのに......ありがと」

 

「お、おう。じゃあ帰るか......」

 

「うん!」

 

うーん、こう素直に感謝されるとむず痒いな......

 

 

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

 

 

「へ、へぇ......的前の家ってここら辺なんだそうかぁ......」

 

「そーなんだー。もう30mも歩いたら着くよ、比企谷くんはどこら辺なの?」

 

「い、いや、他人に家のことは教えちゃいけないって妹にキツく言われてるからちょっと無理」

 

「あ、あはは......親じゃなくて妹さんに言われてるんだ。というか比企谷くんも妹いたんだね」

 

「も、ってことは的前もか?」

 

「うん、中学一年生の妹がいるんだー可愛いんだよねーこれが」

 

「わかるっとってもわかるぞ的前」

 

「おりょ? お兄ちゃん?」

 

「妹ってのはほんとにいいもんだ、もう一生嫁に出してやらないと思えるぐらいにはな」

 

「お、おーいお兄ちゃん」

 

 ほら目を閉じれば愛しの妹の声が聞こえてくるだろ?

 

「やっぱり妹は最高だぜ!」

 

「お、お兄ちゃん......小町今、ちょっと、いやかなり引いてるよ......」

 

「あ、あれぇ?」

 

 いやん小町たん......いたの?

 

「い、いや、小町これは言葉の綾で、というかなんでここに」

 

「コンビニでアイス買って来た帰り。あと言葉の綾って言ったらなんでも大丈夫な訳じゃないからね。で、こちらが例の部長さん?」

 

「お、おう」

 

「初めまして、こちらの目の死んでる比企谷八幡の妹の比企谷小町って言います」

 

 目の死んでると言えっていったの採用されちゃったのね......

 

「こちらこそ初めまして、的前優香って言います。よろしくね小町ちゃん」

 

「こちらこそ、こんな目の死んだ兄ですがよろしくお願いいたします」

 

「うわぁ、これ本当に比企谷くんの妹? 礼儀正しいし目が濁ってないよ?」

 

「おいこら喧嘩売ってんのか」

 

 あと初対面の人間の前で目の死んだとか、そんな汚い言葉使う人を礼儀正しいとは言わない。

 

「いやぁ、でもこんな可愛い妹さんがいたのかぁ......ん? 小町ちゃん、さっきコンビニ帰りって言ったよね?」

 

 おい小町待て気をきかせて、兄のこの必死のお目目を見て? 死んでるでしょ?

 

「え、言いましたけど」

 

 ......諦めよう

 

「......比企谷くん」

 

「あ、はい」

 

 目が笑ってらっしゃらない

 

「ここ私の家なんだけど」

 

 的前が指差す先には、洋風の小綺麗な家が。

 

「比企谷くん家,どこ?」

 

「......ここの十数軒隣です」

 

かなり家近かったですまる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




更新遅かったから分量あると思った?残念!いつもと変わりません!!

いやもうほんとすいませんでした。許してください。
今度は執筆ちゃんとやるんで(絶対にしない)
ではまた次回でお会いしましょう。

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