やはり俺に彼女が出来るまでの道のりはまちがっている。   作:mochipurin

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あはははは。課題だぁ......課題がいっぱいだぁ......。俺、これが終わったら休みを満喫するんだ......。あはははは。


どうも課題を絶対殺すマンしてました草野郎です。はい、更新遅れすぎですね。すいません。というわけで課題やってきます。


13. 彼と彼女は、後輩の策中にはめられる。

「えーっと、なにから話せばいいのかな......前に私が弓道したくないって言ったのは覚えてる?」

 

「あー、あの衝撃のカミングアウトな」

 

あの時は、え、まさかの依頼放棄?とかそんな思考が頭を支配するどころじゃなかったからな。ただただ驚きしかなかったわほんと。

 

「それで、その原因というか発端になった事は話してなかったよね」

 

「ああ?......ああ」

 

確か、家の事情だったよな。まだ掘り下げる必要があるのか。

 

「八幡くんは、別に掘り下げなくてもいいだろ。って思ってるんだろうけど、私にとっては結構重要なんだ」

 

「しれっと心を読まないでくれる?」

 

最近、男の心読む系女子多すぎない?漫画で出てくるのならいいけど、現実でされるとか精神持たないからやめてください。それともなに?分かっててやってるの?タチ悪過ぎて笑えない。

 

「それと、早気の原因は家の事情って言ってたけど、あれは訂正。正確には道場で、私がある門下生と口論になったからなんだ」

 

えっ......

 

「......嘘やろ?的前が怒るとかどうなっちゃったの?怪我してないの?大丈夫?」

 

「へぇーそんなに私が怒ってるの怖いのかぁー......怒るよ?」

 

「ち、違うぞ。的前が怪我してないか心配って意味でだな」

 

こ、こえー。言葉だけで、他人に大怪我負わせる勢いだよこの子。

 

「もう、話を逸らさないでよね、まったく。話を戻すけど、どうやらその人は、私のお父さんとお母さん、うん、両親に恨みがあったらしいんだ。根の葉もない悪口を聞いてると我慢できなくて、つい口喧嘩に発展しちゃったんだ。その時は周囲にいた、他の門下生達がすぐに止めてくれたんだけどね」

 

「その時は、ってことは2回目もあったのか」

 

つーか、的前の両親に恨みがあるんだったら、なんで道場になんか入ってんだ? 恨みがある故とか? もしそうだったら事件に発展しそうで怖いんだけど。

 

「うん。2回目は翌日、道場に行く道中に」

 

「うぇ......まじで危ないやつじゃねえか。大丈夫だったのか?」

 

危険な匂いがプンプンするんだけどその人。

 

「あ、や、その時は別に言い合いにもならなかったし、すぐ別れたんだけど......もう、二度と弓道をするな、って言われちゃって。あはは」

 

......は?

 

「いやいや、笑い事じゃねえだろ。親が憎いからって、その娘である的前にそこまでちょっかい出すのはおかしいわ。なんだそいつ。......って思うぞ」

 

あら、かなりドスの効いた声だしちゃった。いけないけない、自制心カムバック!

 

「だ、大丈夫だよ?お父さんにそのこと話したら、破門になったし。元々問題ばっかり起こしてる人だったから、ちょうど良かったって」

 

「あ、そうなの」

 

ですよねー、愛娘にそんなこと言ったら、さすがにそうなるよねー。只今、的前父の好感度上昇中。......あれ、今なぜか寒気が......

 

「ま、それだけことではあるんだけどね。でもいざ弓を構えると、あの言葉が無意識で頭の中に出てきちゃって......ほんと、情けない話だよね」

 

「情けないなんてことはねえだろ。むしろそんなこと言われてまで、弓道を変わらず続ける的前はすごいと思うぞ」

 

この言葉に嘘偽りはない。自分が大好きでしてることを否定された時の悲愴感のせいで、やめてしまう人もいるのだから。ソースは俺。

 

「そうかな......結局は早気になっちゃってるわけだし」

 

「そこまで深く考えなくてもいいから。もっと気を楽にして、自分の好きにしたいようにしろよ。いざとなればその狂人まがいの奴からぐらいは助けて......やれるかもしれなくもないから」

 

「えぇ......そこは言い切って欲しかった」

 

「うっせ」

 

誰だって怖いでしょ。年上の大人、ってイメージだけでも十分恐怖だってのに、そいつが憎いからってその娘に手出しする奴とか、いざ戦ったらナイフで刺されるバットエンドしか見えない。

 

「思い当たるとしたらこれだけなんだけどね。......なかなか言い出せなくてごめんなさい。それどころか嘘までついちゃってたし、ほんと毎回毎回、迷惑かけてばっかりで、ごめんなさい」

 

「あーやめやめ、こっちまで気が滅入ってくるから謝るのはなし。誰だって隠したいことや、嘘つくことぐらいあるだろ。ましてや、的前みたいに深刻な話なら隠して当たり前だ。それを俺に話してくれたんだ、十分だろ」

 

「う、うん」

 

そして女子っていうのは己の危険性を相手に認知させたところで、こう切り出してくるのだ。

 

『ちょっと危ないから、護衛よろしくねー。比企谷がいたら、誰も近寄ってこないもんねー(笑)あ、ストーカーと間違えて通報しちゃったらごめんね?』

 

ソースは、ねえよ、さすがにこれは酷すぎるだろ。最後の一言さえなければ中学の俺のことだけどさ。

ほら、的前も、

 

「あっ、もうこんな時間!早く帰らないと、心配されちゃうかも。行こ?八幡くん」

 

「え、え?護衛は?護身用アイテムHACHIMANは?」

 

「ふぇ?護衛?護身用アイテム?だれの?」

 

うっそだろ。このタイミングで男をうまく利用するのが女子ってもんだろう......はっ!まさか的前は女じゃない?ごめんなさい、そのポジションは戸塚で間に合ってます。ああ、可愛い。可愛いよ戸塚!

 

「や、なんでもない。じゃあ帰る−」

 

ガサッ......ガササ......

 

ひっ......!

 

「ひっ......!」

 

的前も俺の心の声とシンクロして声を発する。あら俺たちココロコネクトしちゃってる。

 

「ね、ねえ八幡くん。今の音ってなんなのかな......熊とか......」

 

「や、さすがに熊が出たりするところで林間学校は催したりしないだろ。......鹿とか猪は出るかもしれんが」

 

「どっちにしろダメじゃん!早く死んだふりしないと!」

 

「まあ落ち着け」

 

「は、八幡くん......」

 

肩を手を置き、的前をなだめる。

 

「そう、落ち着け。素数を数えて落ち着くんだ。1、2、3etc......」

 

「全然落ち着けてないよね?!というか素数どころか、ただ自然数言ってるだけだよ?!」

 

「しょうがねえだろ!誰だってこんな状況怖いわ!」

 

ガサ...ガサササッ......

 

「い、いや!もうすぐそこまで来ちゃってるよぉ!」

 

「ちょ......おま、抱きついてくんな!」

 

胸、胸が!絶妙な柔らかさをした胸が!!腕に当たってる!

 

ガサササッ!!

 

「「ぎゃあああああ?!」」

 

オワタ。我々、死ス。

 

 

 

 

 

 

「あー、話し声がするかと思ったら、こんなところにいたんですねー」

 

「は?」

「へ?」

 

そこには何故か、

 

 

一色いろはがいた

 

 

「みんな心配してましたよ?先輩はされてなかったですけど。......って、もしかしてお楽しみ中でした?」

 

そこで的前が俺の腕にしがみついていることに気づく。

 

「あ、的前、その、腕に、その、当たってる」

 

「わわわっ!ご、ごめん!」

 

「や、だ、大丈夫」

 

やっベー。まったく意識してなかったけど、む、胸があったてたー!やーらかったぞおおおおお!

 

「もー、別にそのままでもよかったですよー?お邪魔虫はとっとと消えるのでー」

 

「いや、お楽しみ中じゃねえから。だから早くそのスマホで警察に電話をしようとしないでくれる?」

 

「違いますよ〜警察になんか電話かけてないでーす」

 

「え、うそ、この状況で警察に電話かけられないの初めて......!」

 

「ひ、比企谷くん......」

 

「おいやめろ的前。まるで可哀想な奴でも見るかのような目で見るな」

 

それにまた名字呼びに戻ってるから、引かれ具合がよくわかるね!

 

「で、誰に電話をかけようとしてるんだ。由比ヶ浜とかか?」

 

「平塚先生です」

 

「すいませんそれだけはやめてください警察より怖いですからそれだけは」

 

あかんて。夜中に、暗い森の中で、男女が、会話してたとかそんな話が知れると絶対死ぬから。警察より数十倍怖いから。

 

「うそですってー。ほーら先輩方、もう帰りましょ?用事ももう済んだみたいですし。後処理はちゃんとしておきましたか?」

 

「そそ、そんな後処理するようなことしてないよ!!」

 

「アホか」

 

なに言ってんのこの子達......

 

 

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

 

 

「あーすっきりしたー。これぐっすり眠れそうだよー」

 

「ですねー。往復するだけでも結構いい運動になりますし」

 

「行きは意識しなかったが、結構

な距離歩いてたんだな」

 

「いろはちゃん、ごめんね。あんなところまで歩いてきてもらって」

 

「いえいえ、問題ナッシングです。私も探すがてら、夜の散歩ができて楽しかったです」

 

そういえば、俺も最初は夜の散歩が目的でしたね。

 

「そう言ってくれるとありがたいなー。じゃあ、そろそろ入ろっか。八幡くん、おやすみなさーい」

 

「おう、おやすみ」

 

パタパタとバンガローに戻っていく的前。なんだかハムスターだな、あいつ。

 

「じゃあ私も戻って寝ますねー」

 

「ああ」

 

一色もバンガローに、ゴートゥーホームし......せずに何故か俺の耳元に顔を近づけてくる。ちょ!近い!あといい匂いするからやめろください!

 

「おま、なにを−」

 

「さっきの、吊り橋効果はどうでしたか?ちょっとは進展できました?」

 

「っ......!」

 

「じゃ、今日は一日お疲れ様でしたー。また明日も頑張りましょうね。おやすみなさーい」

 

「......ああ、おやすみ」

 

一色......あいつ本気で俺と的前をくっつける気なのか......。じゃあ俺は見返りにあいつと葉山をくっつけにゃならんのか。難易度高えな......や、別に俺と的前が付き合わなかったらいい話なんだけどね?

そう、付き合わなければ。そう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




甘い、甘すぎるよ。一ヶ月ぶりの更新だからって文字数は増えないんですよ!
次はこんな風に開き直らず投稿できるよう頑張ります。

更新遅れてすいませんでした。

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