欠けた短編集   作:琴羽3

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潜れ何処までもずっと。


土竜 グレラガ

掘る、掘る、掘る、とりあえず掘る。

 

ドリルもいいけど、スコップが好き。

ピッケルもいいけど、やっぱりスコップが好き。

 

唯、穴を掘り続ける人生、村を広げるために。

上を向いても壁がある、下を向いても壁がある、どこを向いても壁がある、閉塞的な場所。

意外と嫌いじゃないけど、好きでもない、あと俺はブタモグラが意外と気に入ってる。

 

目の前のドリルで掘ってると、誰かの穴と開通した、知ってる顔だ。

顔にゴーグル、背も低い、多分シモンだ、シモンは少しだけ驚いて、少し頭を下げた。

 

会話をしよう。

村の拡張の途中だが、どうせバレないだろう。

シモンは少しだけ嫌そうな顔をしてるが、俺は気にしなかった。

 

ほんの少しだけ会話をした。

ブタモグラのステーキを村長が準備してるとか取り留めのない話だ。

シモンは、少しだけ躊躇して、俺に不思議な小さいドリルを見せてくれた。

とても綺麗で素敵だったので、それのスコップはあるか聞いてみたが、無いらしい。あとでここら辺の土を掘りまくってみよう。

シモンにペンダントにしたら似合いそうだというと、嬉しそうだった。

 

また後で会えたら会おう、シモンに伝えて、ここの周辺の土を掘る。

シモンは一度村に戻るようだ。

 

掘る、掘る、掘る、掘る。

 

掘る、掘る、掘る、掘る。

 

見つからない、しょうがない戻ろう。

 

そして、村に着いたら、地震がきた。

グラグラと揺れていて、とても危険だった、だけど運が良かったと思う。もし、自分が穴の中にいたら、生き埋めになっていただろう。

 

村で、死ぬ原因は地震が殆どだ、俺の親やシモンの親も地震でいなくなった。

村にとって地震は恐怖そのものだろう。

 

地震が終わってから少しだけ歩くと、村長に連れられているカミナを見つけた。

 

ボサボサ頭にグラサンをかけた、うねる炎の刺青を入れたガタイのいい男で、グレン団という不良集団の頭をして、よく悪さをしてる。

最近では、ブタモグラを使って開かずの扉というと天井をつき破る作戦を決行して、村長に刀の鞘で叩かれた話もある。

 

また、何かやったのだろうか?

だが今は、どうでもいい腹が減った。

 

 

ブタモグラのステーキを食べて、午後の拡張をしたから、やることはもう無い。

あると言ったら、寝ることだけだろう。

 

 

地面が揺れてる、かなり大きい。

何かが砕ける音も聞こえる。

何かが起きている。

何が起きてる。

 

 

走って駆け抜けた先にあったのは、金属で出来ているだろう装甲につつまれた、俺の何十倍もデカイ金属の牛の顔を模してる。

 

開かずの扉が無い。牛顔が壊したのか?

 

そいつが、何かと戦っている。

遠くてよく見えないが、俺よりもデカイ金属の顔にドリルを額につけて、手足をつけた奴が動いてる。

 

かなりの速さをもって牛顔に突撃した。

ようやく乗っている奴が見えた。シモンにカミナともう一人赤い髪のポニーテールの女が乗ってる。

 

「最高にカッケェな、シモン」

 

あぁ、わかるきっと今の俺の顔は、何時ものつまんない顔より、一千万倍輝いてるだろう。

 

きっと求めてたんだ。変化を、輝きを、進むきっかけを。

 

シモン達が乗った顔が、牛顔を吹っ飛ばして、登ってく。

開かずの扉すら通り越して、赤い光が射す地上へ。

 

 




久々に投稿、テスト前日に現実逃避に書いたからクオリティ低め。

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