ちなみに、私自身テスト自体は嫌いではなかったんですが、返ってくるのは死ぬほど嫌いでしたw
受けるだけならいいんですがね…w
さてはて嵯峨姉弟どんなもんでしょうか…
中国の思想家孔子の書いた「論語」その第二篇「為政」には、あまりにも有名すぎる言葉がある。
子曰。吾十有五而志于學。
これは孔子は15歳で学問を志した、とおっしゃった。という意味らしい。
つまり、歴史上の偉人、また、聖人と言うべき孔子は今の俺らの頃には勉学に励んでいたことになるわけなんだが…
まあ、なんだ、結局、こんな漢文まで引っ張り出してきて俺が何を言いたかったかというと、
「中間テストが怠い…」
そこに帰着する。
「ほら、そこ、怠けない、勉強する」
椿季が注意する。
いやね、英語はがちで無理なんですよ。もう関係詞とかね、ほら、だれ?って感じ。
「ははは、相変わらずだね、さがっちは」
「口を挟んで悪いようだが、問3が違うぞ倉橋」
「えっ?…ほんとだ、よくわかったね」
「もしかして、嵯峨は頭いいの?」
「速水よ。そんなわけあるか、ただ人の名前を覚えるのはなんでか昔から得意だったから社会は得意なんだよ」
「へーっ。そうなんだ」
ここは、嵯峨家の椿季の部屋。テストを明日に控え、最後の追い込みをかけたい人はかけたい時だ。
「ごめんね、つっちゃん。押しかけちゃって」
「ううん。大丈夫。どうせ今日もお父さんは帰ってこないし」
「いつも、二人なの?」
「まあ、大体はね。お父さん仕事で日本にいるときも少ないから」
俺の家は現在 父、椿季、俺の三人家族だが、父は仕事の関係で良く海外にいて、心配なのかテレビ電話が時々かかっては来る。母は5年前に他界している。
「うーん。ここ分かんないな。さがっちわかる?」
「ん?ああ、これか、労働三法は…」
俺は倉橋の質問に答えた。
「ふーん、そうなんだ。なるほど、なるほど」
「おう、またわかんないとこあったら聞け。社会だけなら教えてやる」
「うん。ありがと」
「柊季。社会もいいけど英語もね」
「はーい」
「前から思っていたけど、嵯峨は完全に椿季にてなずけられてるね」
「うっ、そんなことは断じてないぞ、速水よ」
「そう?」
こんな感じで嵯峨家の学習会は脱線しながらも進んだ。
そもそもなんでこんなことになっているかというと・・・・・・
ここ最近、テスト勉強と称して行われているのが、高速強化テスト勉強。
殺せんせーが、28体に分身し苦手科目を教えるというまさしく超人級の勉強である。
「せんせー、なんか俺らが転校してきた時よりはやくなってね?」
「そうでしょうか?それよりここは違いますよ。ここは…」
現在のところ、国語7人、数学8人、社会3人、理科4人、英語5人、そして、
「なんで俺のだけNA〇UTOなんだよ!」
寺坂のNA〇UTO一人
「寺坂君は苦手な科目が多いからです」
ははは、頑張ってくれ…
あれ?ここわかんないな…
「せんせーここは…」
「ああここは、って、にゅや!」
先生の分身が面白い形になっている。これは…
「カルマくん!急に暗殺しないでください!それ避けると残像が全部乱れるで、にゅや!」
「カルマ、俺のほうが顔が面白いことになってるぞ」
「やるね、嵯峨」
「こら、止めなさい。二人共!勉強なさい勉強を」
「はいはい」
と、こんな感じに一週間ほど送っていたのだが、それが今日になると
「せんせー更に頑張って増えてみました、さあ授業開始です」
「「「増えすぎだろ!!」」」
クラスの何人かがそうツッコんだ。
せんせーの残像は暗殺を挟むまでもなく、ぶれっぶれっだし、どっかで見たことのあるようなキャラの雑な奴まで混じってやがる。もはや別キャラだ。
そして、休み時間、息を切らせながら、椅子に座って休んでる。そりゃあ分身を100体以上も出してりゃそうなるわな、
「渚、先生なんかあったのかね」
「ああ、それなら多分」
「?」
渚の話によると、昨日ここ別校舎に、ここの理事長 浅野学峯 がやってきたのだという。彼が言うにここE組は彼の合理性のために成績不良のクラスでなければならいことを言い渡し、また、その際殺せんせーは理事長におちょくられたのだという。
「なるほど、それであんなに向きになってるわけね」
「殺せんせー案外単純なところあるから」
「ふーん」
これはチャンスと、中村が暗殺を仕掛けていたが、そこで、俺の興味は尽きた。さて、一寝入りしよ。
「Zzz……」
「起きて、起きて、柊季」
「ふぁぁぁっ、何もう授業?今、寝落ちしたところだったのに…」
「殺せんせーが校庭に来いって」
「何その不良のカツアゲみたいなノリ」
「うーん。でもなんか不機嫌だよ」
「へ?」
「とりあえず早く来て!」
そう言って俺は椿季と校庭に出る。そこには、3Eの生徒全員と烏間先生とビッチ先生。そして、校庭の中央では殺せんせーが朝礼台を押していた。すると、
「イリーナ先生。プロの殺し屋としてお聞きしますが、暗殺を行うとき用意するプランは1つだけですか?」
するとビッチ先生は意図は分かってなかったろうが真面目な顔をして答えた。
「いいえ、大体暗殺が予定通りに行われる方が少ないわ。非常の事態に備えていくつも予備のプランを用意しておくことが肝心よ」
「では、烏間先生。生徒にナイフ術を教えるとき大切なのは第一撃だけですか?」
「第一撃はもちろん最重要だ、が、相手が手練れであるほどそれはかわされる。よって第二撃、それに続く。第三撃 をどれほど高精度で繰り出すかが勝敗を分ける」
うーん。話が見えん。
すると、朝礼台を校庭の端っこにおいた先生は校庭の中心でくるくると高速で回り始めた。それは、あっという間に巨大な竜巻を生み出す。
「先生方が仰るように、自信のある第二の刃、第三の刃があるから、第一の刃を思い切り使うことができる。それに対して君たちはどうでしょう。自分たちには暗殺があるからいいと勉強の目標を低くしている。じゃあもし、先生が明日から学校に来なくなったらどうでしょう、もし他の暗殺者に殺されたら?暗殺という拠り所をなくした君たちに残るのはエンドのE組という負け組の烙印だけです。そんなみなさんに先生からのアドバイスです」
第二の刃を持たざるものに暗殺者の資格なし
「もし、君たちが自信を持てる第二の刃を示せなければ先生の相手に値する暗殺者はここにはいないと判断し、校舎を平らにして、先生はここの地を去ります」
すると渚は殺せんせーに疑問をぶつけた。
「第二の刃……いつまでに…」
「決まっています。明日です」
「明日の中間テストでクラス全員が50位以内をとりなさい」
感想、誤字指摘よろしくお願いします。