双子の姉弟が送る!暗殺教室   作:コミ6目半

59 / 62
第56課 射撃の時間

 

 

 柊季たちは難所である6階のバーフロアを突破し7FのVIPフロアに到達した。

 

 

 「早速上への階段に見張りか…超強そう」

 

 「私たちを脅している奴らの一味なの?それとも無関係の人が雇った警備?」

 

そういう岡野に寺坂は言った。

 

 

 「どっちでもいーわ。倒さなきゃ通れないのは一緒だろ」

 

 「その通りです、寺坂君。そして倒すには君が持っている武器などが最適ですねぇ」

 

 

 殺せんせーが言うと寺坂は一回せんせーを見たが、観念したようにバックから何かを取り出した。

 

 

 「透視能力でもあんのかテメーは、おい木村!あいつらちょっとここまで誘い出して来い」

 

 「俺が?どうやって?」

 

 「方法なんてなんでもいいから、早く!!」

 

 

 そう言われて木村があれこれ考えているとカルマが何かを思いついたようで言った。

 

 

 「じゃあ木村こう言ってみ?」

 

 「ん?…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数分後、屈強な計瓶二人のもとへ木村がある言って唐突に言った。

 

 

 「あっれ~、脳みそ君がいないなぁ~。こいつらは頭の中まで筋肉だし…人の形してんじゃねーよ、豚肉どもが」

 

 「…………………あぁっ?」

 

 

 そして、木村が言ったことに激怒した警備員は木村を全速力で追う。

 

 

 「おい、待てガキ!!」

 

 「ぶっ殺してやる!!」

 

 (そりゃ怒るだろ!)

 

 「おい、のろま!!追いついてみろや!!」

 

 「あぁっ?!!」

 

 「誰だ余計なこと言ったの!!」

 

 

柊季の声を殺して笑っていた声が少し漏れていたが、木村はそれにも気付かず必死に逃げる。

 

そして、男たちもまた必死なのだが、クラス一の瞬足の木村に追いつけなかった。

 

そして木村が寺坂達のところまで引き付けると、寺坂と吉田がタックルしそのまま首筋にスタンガンを当て電流を流し気絶させた。

 

 

 「タコに電気を試そうと思って買っといたのに、まさかこんなことでお披露目とはな」

 

 「いい武器です寺坂君。ですがその二人の胸元を探ってみてください。もっといい武器が手に入りますよ?」

 

 

 寺坂が男たちの胸元を探ると本物の銃が2丁出てきた。

 

 

 「「!!」」

 

 「速水さん、千葉君、君たちがこの銃を持ちなさい」

 

 「まあ、それがいいですね」

 

 

殺せんせーの意見に椿季も賛同する。

 

「でも、銃だったら嵯峨がやっても…」

 

「いや、確かに対面戦闘で中距離で動く標的にドンパチやるなら俺でもいいけど、おそらく今回重要なのは狙撃系のスキル。それなら、お前らがやったほうが成功率は高いと思う」

 

 

 「それにもうこれ持ってるし」といい、懐から殺せんせーの暗殺の時に使ったゴム弾を取り出す。

 

 

 「あと、烏間先生は今、精密な射撃をできる状態じゃない。今この中でそれが使えるのは君たちです」

 

 「だ、だからっていきなり…」

 

 「ただし、殺すことを先生は許しません。君たちの腕前でそれを使えば傷つけずに倒すことはできるはずです」

 

 

 殺せんせーがそう言ったものの、二人はまだ戸惑っているように銃を受け取った。

 

 

 「さて行きましょうか」

 

 

 こうして、柊季たちは8階のコンサートホールに上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃ガストロもコンサートホールに向かっていた。

 

 

 「はぁ、味の悪い仕事になってきたぜ。超生物を殺すだったはずがいつの間にかガキどものお出迎え。やっぱりうまいのは銃だけだ………んっ?」

 

 コンサートホールについたガストロはいくつかの気配を感じた。

 

 

 「…16いや、17匹か?呼吸も若い…驚いたな。動ける全員で乗り込んできたのか。」

 

 

 ガストロは頭上にある照明を打ち抜く。

 

 

 「言っとくがこのホールは完全防音だ。お前らを全員撃ち殺すまでだれも助けには来ねぇ。お前ら人殺しの準備なんてしてねぇだろ?おとなしく降伏してボスに頭下げとけや!!」

 

 

 ガストロが油断したところ速水は拳銃を狙い撃つが、外してしまいガストロの後ろの照明に当たる。

 

 

(実弾!?しかも今の発砲音は…ボスの手下の拳銃を奪ったのか!?…暗殺の訓練を受けた中学生か。)

 

 

 ガストロは照明の明かりをつけた。

 

 

 「なるほど…意外とうめぇ仕事じゃねぇか!!」

 

(照明の逆光でステージが見にくい!!)

 

 するとガストロが銃を構え発砲する。

 

 そしてそれは椅子と椅子の間狭い隙間を通り速水の顔すれすれを通過してった。

 

 

 (う……そでしょ!?こんな狭い隙間を通して…)

 

 「俺は一度発砲した敵の位置は忘れねぇ!お前はそこに釘付けだ!」

 

 「くっ……」

 

 「さて、お前らが奪った銃はもう一丁あるはずだよな」

 

 

 そう言って、ガストロは辺りをぐるぐる見回す。

 

 

 「速水さんは一旦隠れて待機!!今撃たなかったのは賢明です千葉君!君はまだ敵に位置を知られていない!先生が敵を見ながら指揮するのでここぞという時に撃ってください!!」

 

 「なっ…どこから指示を・・・?」

 

 

 客席のほうを見ると殺せんせーが一番前の席に置いてあった。

 

 

 「てめぇ!!何かぶりつきで見てやんだ!!」

 

 

 ガストロは殺せんせーに向かって発砲するが完全防御形態はそれを当然跳ね返す。

 

 

 「ヌルフフフ、熟練の銃手に中学生に挑むんです。これくらいの視覚ハンデはいいでしょう。」

 

 「チッ」

 

 「では、木村君5列左へダッシュ!!寺坂君と吉田君はそれぞれ左右に3列!!」

 

 「何!?」

 

 「死角ができた、この隙にに茅野さんは2列前進、カルマ君と不破さんは同時に右に8!!磯貝君は左に5!!椿季さん右4!!」

 

 

 (シャッフルだと!?ややこしい真似を……だが指示するほどに名前と位置を俺に知らせる事になる。あっという間に覚えちまうぜ……)

 

 

 すると殺せんせーは次の生徒をこう呼んだ。

 

 

 「出席番号13番!!右に1で準備しつつその場で待機!!」

 

 「何!?」

 

 「4番と6番は椅子の間から標的を撮影!!律さんを通して舞台上の様子を千葉君に伝達!!ポニーテールは左前列に前進!!バイク好きも左前に2列進みます!未だに誰かさんを水族館に誘えていないそこ!!右前2列進む!!」

 

 (「……後であのタコ殺す」)

 

 「ははは…」

 

 

 静かに憤る柊季に椿季は思わず苦笑いした。 

 

 

 「最近竹林くん一押しのメイド喫茶に興味本位で行ったら、ちょっと本気ではまりそうになってちょっと怖い人は錯乱のために大きな音を立てる!!」

 

 「何で知ってんだよ、テメー!!」

 

 

 寺坂はイスを叩いて大きな音を立てる。

 

 (クソっ…誰がどいつでどこにいるのか全然わかんなくなって来た!!)

 

 「…さていよいよ狙撃です千葉君。次の指示の後、君のタイミングで撃ちなさい。速水さんは状況に合わせて彼のフォロー、柊季君も彼らを援護してあげてください」

 

 

 

 「さて、狙撃に入る前に表情の表を出すことの少ない千葉さんと速水さんに先生からのアドバイスです」

 

 

 その言葉に千葉と速水が耳を傾ける。

 

 

 「君たちは今ひどく緊張していますね?先生の狙撃を外したことで自分たちの腕に迷いを生じている。でも大丈夫君たちは一人でプレッシャーを一人で抱える必要はない。もし仮に君たちが外したら銃も人もシャッフルする作戦に切り替えます。ここにいる皆が訓練と失敗を経験しているからこそできる戦術です。君たちの横には同じ経験を持つ仲間がいる安心して引き金を引きなさい!!」

 

 

 (今の話の間にある程度目星はついた。出席番号13番って奴が動いていない。何か企んでいるのか妙に荒い…出てきたところで仕留めるとするか…)

 

 

 「では、いきますよ…」

 

 (今の俺は人銃一体・・・外す気がしねぇ・・・)

 

 「出席番号13番立って狙撃!!」

 

 「ビンゴ!!!」

 

 ガストロは狙い通り13番を撃ちぬいた……………しかし、彼が撃ち抜いたのは菅谷が即席で作った人形だった。

 

 

(ふ~、音立てずに作るんだから疲れたぜ・・・)

 

 

 「狙うならあの一点です」

 

 「OK……」

 

 

 千葉は律の指示で発砲する。

 

 パンッ

 

 くぁいた銃声がホール内に響く。

 

 だがそれはガストロには当たっていなかった。

 

 

「ふっ…ふはっ……ふはははっ外したな。これで2人目も居場所が…!?」

 

 

 その言葉と同時につり照明がガストロの頭上から落下した。

 

 そう千葉の弾はガストロではなくつり照明の金具を狙っていたのだ。

 

 

「く…そが…」

 

 

 ガストロは千葉に向かって銃を受けるが、それは速水によって銃が弾き飛ばされた。

 

 

「ふぅー、やっと当たった…」

 

「クソ…まだだ…!!」

 

「往生際が悪い!!」

 

 

 そう言放ちながら、すっと近くまで駆け寄った柊季がゴム弾をガストロの手の甲に放ち、取ろうとした銃を弾き飛ばすと柊季がこめかみに銃を当てる。

 

 

「ゴム銃とは言え、威力はかなりのものだ左手はほとんど感覚はないはずだし、頭に当たれば痛いだけじゃ済まないぜ」 

 

 柊季がそういったところでガストロは膝から崩れ落ち無抵抗をアピールした。

 

 そしてそれを見た寺坂が叫ぶ。

 

 

「よし、簀巻きだ!」

 

 

 男子何人かがその言葉を合図にガストロにとびかかる。

 

 

「ふぅ、終わったか」

 

「お疲れ、柊季君」

 

「ああ、千葉も流石だな」

 

「嵯峨もありがとな、援護助かった」

 

「凛香ちゃんすごかったよ!」

 

「いや、その、うまくいって良かった」

 

 

 

 ガストロガス巻きにした後にはクラスのみんなから少しの安堵と歓喜の声が漏れた。

 

 そんな様子を見て烏間は思わずつぶやく。

 

 

「……よくぞこんな危険な橋を渡らせたな。」

 

「人はどこかで成長する機会が必要です。私はそれを生徒に用意できる教師でありたい。」

 

(なんて教育だ…しかし、皆戦う前より表情は中学生だ)

 

 

 烏間がそう思うのも無理もないくらい、こんな環境の中で彼らの顔は輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな様子を見ていたのは烏間だけではなかった。

 

 舞台袖の陰からおとこは笑いながらその様子を見ていた。

 

 

「いいねぇ……その顔……そんな笑顔を奪えるかと思ったらゾクゾクするぜ」

 

 

 男は彼らの笑顔を見てそう思うと、そのままゆっくりと銃を構え、椿季をめがけて引き金を引いた。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。