双子の姉弟が送る!暗殺教室   作:コミ6目半

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 久しぶりすぎる更新ですw

 これからも少しづつですが更新しようと思っています。


第54課 女装の時間

 グリップを何とか倒し、展望通路を抜け6階へと登ったところで新たな問題が発生した。

 

 7階に続く階段はバーフロアの奥にあり、またその階段を上るのにも警備員のチェックがいる。もともと正規の客ではない柊季達を彼らが通してくれるとは思えない。だから裏口のカギをこっそり開けて潜入するしかないのだが…

 

 

 「さて、問題のフロアだが…」

 

 「強行突破しかないんじゃねぇか」

 

 「でも、ホテルの関係者だから倒して騒ぎになるとまずいかも」

 

 

 椿季がそう言うと寺坂は難しい顔をする。

 

 

 「じゃあ、私たち女子が潜入して、裏口からこっそり開けてくるのはどう」

 

 「それいいんじゃない?」

 

 「いや、女子だけでは危険すぎる」

 

 

 片岡の意見に岡野は賛成するがこれには烏間が反対した。

 

 

 「じゃあ、烏間先生。この二人を一緒に連れて言ったらいいんじゃない」

 

 

 そういいながら、カルマは近くにいた渚と柊季の肩をたたく。

 

 

 「え、カルマ君どういうこと?」

 

 「だから、渚君と柊季が女装して潜入すればいいんだよ」

 

 「はっ?」

 

 

 柊季の声は明らかに不機嫌だったがカルマはヘアピンを茅野から借り、気にせず進める。

 

 「なんで、俺がんなことしなきゃならないんだよ」

 

 「だってさ、男手ないと不安じゃね?嵯峨さん」

 

 「まあ、あったことにこしたことは無いけど……」

 

 「ということで、渚君、柊季、よろしく~」

 

 

 しかし、柊季はあることに気付き笑みを浮かべる。

 

 

 「フッフッフ、俺に女装させて楽しむつもりだろうが残念だったなカルマ、服がなければいくらヘアピン付けても女子には……」

 

 「カルマ君、プールサイドで脱ぎ捨ててあった服二着見つけたよ」

 

 「ご苦労様、矢田さん」

 

 「……」

 

 

 柊季は矢田のほうをじっと見たが、矢田は目をそらしていた。

 

 

 「あの僕もやるの……」

 

 「当然っしょ……」

 

 「……」

 

 「じゃあ、よろしくお願いしますね、女子の皆さん、渚君、柊季君」

 

 

 こうして、柊季と渚の女装潜入ミッションがスタートした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 矢田の持ってきた服を着てバーフロアにみんなで入る。

 

 

 「カルマのやつこれが終わったら一回殴ってやる……」

 

 

 柊季はイライラしながら悪態をつく。

 

 

 「柊季、諦めて普通にしてないと女子に見えないよ」

 

 「俺は、男子だ」

 

 「それにしても嵯峨姉弟似過ぎ……」

 

 

 女装した柊季は髪の色こそ少し違うものの普通にしていれば椿季に見間違うほどだった。

 

 

 「ねえ、嵯峨君。修学旅行みたいに嵯峨さんの声出してよ」

 

 「おい、茅野、お前も楽しんでるな……」

 

 「いいから」

 

 「そうね、いつまでもその声のトーンじゃさすがにばれちゃうしね」

 

 

 椿季はそう言うと柊季の肩をポンと叩くと二人の間に少々沈黙が流れたが、柊季は観念し、満面のスマイルで言った。

 

 

 「これでいいかな?茅野さん」

 

 「「「「「おおーっ」」」」」

 

 

 声もそっくりなことに驚く女子一同。

 

 

 「もしかして、嵯峨君て女の子なんじゃあ……」

 

 「そんなことあるわけないでしょ、不、破、さ、ん」

 

 「冗談だから……」

 

 

 柊季の目があまりにも笑っていないので、不破も思わず苦笑いである。

 

 

 「渚君もよく似合ってるよ」

 

 「うー…全然うれしくないよ……嵯峨さん」

 

 

 椿季と渚がそんな話をしながら歩いていると、ふと後ろから声をかけられた。

 

 

 「へい彼女達!俺と一緒に酒でも飲まない? 何でも奢ってやるからさ~」

 

 

 野球帽を被った同い年ぐらいの男子を見て、片岡は小声で渚へと言った。

 

 

 「渚、アンタなら1人でも平気でしょ? 作戦の下見が終わったら呼ぶからさ」

 

 「そんな、片岡さん」

 

 「渚君ここはお願い、後で呼びに行くから」

 

 「嵯峨さんまで……」

 

 

 渚は結局しぶしぶそいつの相手をするべく、テーブルのほうへと歩いて行った。

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人が無駄に多いこのフロアはスムースに進むのが難しい。それに加え、

 

 

 「あれ君達、女だけ?」

 

 「俺らとどうよ、今夜」

 

 「はぁ……」

 

 

 先ほどと違い今度はチンピラが女子達に言い寄ってきていた。

 

 

 「あのねえ、行っときますけど…」

 

 

 イライラしていた片岡が凄んで言いかけたが、それを矢田が止めて言った。

 

 

 「お兄さん達カッコいいから遊びたいけど、あいにく私たち、今日パパと同伴なの。うちのパパちょっと怖いから、やめとこ?」

 

 そう言って矢田がとりだしたバッチはどこかのやくざのエンブレム入りの物だったらしく、それを見た男たちはそそくさとどこかへ逃げていった。

 

 

 「意気地なし、偽物に決まってるのにね」

 

 「すごい…矢田さん」

 

 「これビッチ先生から借りたものなんだ。これの他にヤクザ、弁護士、馬主……仕事の時使えるからってあらゆるバッジ持ってるの」

 

 「そういや矢田さんはビッチ先生の仕事の話を一番熱心に聞いてるもんね」

 

 

茅野は思い出したかの用に言うと矢田は照れながら答えていた。

 

 

 「うん。色仕掛けがしたい訳じゃないけど……殺せんせーも言ってたじゃない、第2の刃を持てってさ。接待術も交渉術も社会に出た時、最高の刃になりそうじゃない?」

 

 

  矢田の言葉を聞いてたみんなはそれに感心して先に進もうとしたのだが、

 

 

 「ねえ、ねえ、彼女!俺らと一緒に遊ばね?」

 

 「向こうにも仲間いるからさ!一緒に行こうぜ……」

 

 「「「はぁ……」」」

 

 

 片岡、椿季、柊季は思わずため息をつく。

 

 すると矢田がもう一回同じことをしようとしたのかぽっけとに手を入れた。しかし、男がその手を取る。

 

 

 「ああ、無駄だよ…俺らさっきの話聞いてたから、君たちがやくざに何も関係ないって知ってるし」

 

 「いいじゃんよ~ちょっとくらいお兄さんに付き合ってくれてもさ」

 

 「は、離してください!!」

 

 

 矢田は必死にに抵抗するが男は手を放さずもう一人も茅野にちょっかいを出し始めていた。

 

 この光景に、ただでさえイラついていた柊季はキレる一歩手前だった。

 

 

 「チッ、椿季、首元に一発お見舞いして気絶させれば問題ないよな」

 

 「でもバレると、ここまでやったことが全部…」

 

 「じゃあ、どうすんだよ」

 

 

 そんなことを集団のもっとも後ろにいた二人が話し合っていると、男の腕に手がかかった。

 

 

 「ああっ?」

 

 「女性が嫌がっていることを無理やりさせるのはよくないですよ」

 

 

 そういって立っていたのは長い黒髪をシュシュで縛った、中学生くらいの少女だった。

 

 

 「ふぅん。君も中々可愛いじゃん。この子の代わりに君がお兄さんと遊んでくれるの?」

 

 

 すると少女はにこやかに言う。

 

 

 「もちろん。嫌です。こんなかわいい子たちに下心丸出しで、無理に遊ぼうとする人に付き合う趣味はありませんから……」

 

 

 にこやかの表情を一切変えない少女に男はイラッとしたのか拳を振り上げた。

 

 

 「危ない!!」

 

 

 矢田がそう言ったが、無情にも男の拳は彼女に向かっていく。

 

 しかし、少女は完全に男の攻撃を完全に見切ってかわし、腕をつかんで転ばし姿勢が低くなったところで手刀を入れた。

 

 

「ふぅ……まったく、危ないですね」

 

「クソッ、ガキだと思って甘く見てりゃ、調子に乗りやがって!」

 

「甘く見てる、お前らが悪いんだよ!」

 

「何っ?」

 

 

そう言われて男は後ろを振り向くと、今度はスタンガンを持ったオレンジ色の髪の少年が目の前に立っていた。

 

男が気付いたときにはもうすでにかわせる距離ではなく、二人の男はこの少年たちによって、いとも簡単に意識を奪われた。

 

 

「なあ、楸原こいつらどうしよっか?」

 

「そうね、あそこに椅子があるから座らせておきましょうか」

 

「了解」

 

 

 そういうと少年は男に肩を貸して近くのテーブルへと運んでいった。

 

 すると矢田が、楸原と呼ばれた少女にお礼を言うために近づいた。

 

 

「助けてくれて、ありがとうございました」

 

「うんうん。気にしないで」

 

 

そういって先ほどと同様に笑顔を見せる楸原をみて、椿季が驚くように言う。

 

 「どうしてここにいるの?楓月ちゃん」

 

「えっ……」

 

 

このとき、お互いがここで出会うはずないと思っていた人物に出会っていることに二人ともただただ驚いていた。

 


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