双子の姉弟が送る!暗殺教室   作:コミ6目半

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 この物語は終業ですが、私は間もなく春休みを終え始業です。

 新学期頑張ります。


第43課 終業の時間

  テストの帰ってきた日の帰りのHRが始まると殺せんせーは期末の総評を話していた。

 

 「さて、皆さん、期末テスト素晴らしい成績でしたね。皆さんがとれたトップは4つ、皆さんもお待ちかねと思うので早速暗殺のほうを始めましょう、トップの4人はご自由にどうぞ」

 

 

 殺せんせーはそう言うと破壊予約済みと書かれた触手三本を差し出していたが、それに寺坂達が異議を唱える。

 

 

 「ちょっと待て!タコ!5教科トップは4人じゃーねーだろ」

 

 「え?4人ですよ、国、英、社、理、数のあわせて…………」

 

 「はぁ、アホ抜かすんじゃねぇよ」

 

  

 殺せんせーははぁ、といいながら首をかしげていた。

 

 

 「五教科って言ったら、英、社、理、数、とあと家、つまり家庭科だろうが」

 

 「か!家庭科アァ!?」

 

 

 殺せんせーは絶叫し、寺坂四人組は満点の家庭科のテストを教卓の上に放り投げる。

 

 

 「ちょ、ちょっと君たち、なんで家庭科なんかに本気出してるんですか!?」

 

 「はぁ、誰が5教科の中に家庭科は入らないって言ったんだ?」

 

 「そりゃあ言ってませんけど…」

 

 

 先生が寺坂たちに文句を言っていると、千葉に言われてカルマが寺坂たちに加勢する。

 

 

 「家庭科なんかって、失礼じゃねぇ?殺せんせー。5教科最強の家庭科さんにさ」

 

 「な、カルマ君まで!?」

 

 

 カルマの言葉にみんなが五教科に家庭科を入れるようにせんせーを煽る。

 

 

 「まあ、先生、多数決から言っても家庭科は入っちゃうねこれは」

 

 「合計触手8本!!」

 

 

 倉橋がそう言うと殺せんせーは「ヒィーー」といいながらだいぶビビっている中、磯貝が手を上げて言う。

 

 

 「それと殺せんせー、せっかくなんで今回の暗殺にはA組とのかけの戦利品も使わせてもらいます」

 

 「What?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから程なくして、一学期の終業式。五英傑は終業式の準備に向け体育館へと移動していた。

 

 そして、体育館の入り口まで来たところで寺坂に声をかけられた。

 

 

 「よお、よお、遅かったじゃねぇーか、生徒会長様」

 

 「何か用かな。式の準備でE組に構う余裕なんてないんだけど」

 

 

 そう言って、浅野はE組の中を割って舞台のほうを行こうとするが再び寺坂が止めた。

 

 

 「おう、ちょっと待て、何か忘れてねーか?」

 

 

 寺坂のその言葉に浅野は苦い顔をする。 

 

 「浅野、賭けてたよな?5教科を多く取ったクラスが1つ要求出来るって、要求はさっきメールで送信したけどあれで構わないな?」

 

 

 磯貝のその言葉に浅野は何も言わなかった。

 

 

 「まさか、今更冗談でした。とかいうんじゃねーよな?なんならよ、五教科の中に家庭科とか入れてやってもいいんだぜ。それでも俺ら勝つけどよ」

 

 

 寺坂はどや顔をしてそう言ってるが周りは苦笑いである。

 

 

 「好きにしろ」

 

 

 浅野はそう言うと今度こそ準備に向けて体育館の舞台へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 E組が浅野から戦利品の確約を取り付けていたころ、山の上の旧校舎では殺せんせーとビッチ先生が山の上で話していた。

 

 

 「それにしても、タコ。今回はまんまとやられたわね、あの悪ガキどもに」

 

 「ええ、彼らの主張は詭弁すれすれです」

 

 

 しかし、そう言いながら殺先生はにっこり笑っていた。

 

 

 「でも私は嬉しい、家庭科のテストは受験で使わない分、重要度が低い、よってテストは担当教員の好みで作られる傾向にありますから、満点の1位はもしかしたら主要五教科でとるよりも難しいかもしれません。盲点を突く自由な発想と一刺しの集中力このクラスにふさわしい生徒達です」

 

 「そうね」

 

 

 ビッチ先生がそういうと、殺せんせーは教室へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 教室に何をするために戻ったかというと………

 

 

 殺せんせーは教卓の中をあさり今日買ったグラビア雑誌を開いて読んでいた。

 

 

 「さて、皆さんが帰ってくるまであと30分くらいありますから、今日買ったグラビアでも、見ますかねぇ」

 

 

 そういって殺せんせーは今日買ったグラビアを読み始めたが、少しすると二発のBB弾が殺せんせー目がけて飛んできた。

 

 殺せんせーはそれをかわしはしたが、驚いていた。

 

 

 「ニュヤッ、いったいどこから」

 

 「ったく…生徒いないからって教室で堂々とエロ本堂々と読むなよな、殺せんせー」

 

 「ひ、柊季君!?、ってことはもう一発は」

 

 「私です」

 

 

 窓の外から椿季が手を振っていた。

 

 

 「え?二人共終業式はどうしんですか?」

 

 「なんか、烏間先生に君たち二人は教室で待機って言われたんで」

 

 「烏間先生が、なんで?」

 

 

 殺せんせーは混乱していた。すると殺せんせーが入ってきて開けっぱなしだったドアからまたBB弾が飛んでくる。

 

 

 「ふふ、これ結構面白いですね。私も中学生として混ぜもらっちゃいましょうか」

 

 「「り、理事長!?」」

 

 

 BB弾が飛んできた先には柊暦が立っていた。

 

 

 「理事長!?」

 

 「あ、殺せんせー、俺らが前いた学校の理事長」

 

 「あ、ああ」

 

 「ふふ、初めまして殺せんせー」

 

 

 暦は歩いて殺せんせーに近づき手土産に持て来たケーキを渡していた。

 

 

 「それにしても理事長、今回は何をしに来たんですか?」

 

 

 少々悪態をつきながら、柊季はそう聞く。

 

 

 「そんな言い方しなくてもいいじゃないですか、柊季君あくまで君たちは勉強のためにこの学校に転校してきたんですよ、もしこの一年で彼の暗殺に成功すれば今度はまたこっちに戻ってくるんです。私が送り出したのもありますし、心配で見に来たっていいでしょ?」

 

 「ははは、そうですね」

 

 

 柊季はこいつ絶対そんなこと思ってねぇーと思いながらも、苦笑いする。

 

 

 「まあ、本当に現状報告をしてほしいと思ったからわざわざ来たんです。まあ、これも一種の終業式ってことでいいでしょう」

 

 「終業式…」

 

 

 椿季のその言葉に構うことなく暦は続ける。

 

 

 「二人はこの一学期どうでした?」

 

 「どうでしたって……」

 

 「別に普通だった」

 

 「このクラスの普通はきっと普通じゃないと思いますよ、柊季君」

 

 「そんなこと言ったら一年の時の鑑先生の時だって似たようなもんですよ」

 

 「ふふ、確かにそうかもしれませんね」

 

 

 二人はジッと暦を見ていたので暦はにっこり笑って言った。

 

 

 「では、質問を変えましょう、二人は学ぶべきことは何か理解できましたか?」

 

 「「……」」

 

 

 学ぶべきこと。それは俺らがここに来る前に言った言葉だ

 

 

 

  「あなた達には一年間あそこで学ぶべきであると判断したので」

 

 

 

 その言葉をきっかけに俺らはここに送られたのだ。

 

 

 「このクラスにいて色々なことがありましたね?」

 

 

 さっきと同じ内容の質問であったが今度は柊季も椿季もうんと頷いた。

 

 しかし、柊季は気になっていたことを聞く。

 

 

 「でも、課題事態が何かは分からないんですけど」

 

 

 柊季がそう言うと、暦はにっこり笑って言った。

 

 

 「いいえ、柊季君たちはこっちに来てからいろんなことを学んだと思いますよ、課題はついでにすぎませんから」

 

 「ついでって……」

 

 「それに、そちらのほうはすぐに解決しますから心配しないでください」

 

 「すぐに?」

 

 椿季はそう聞き返したが暦は構わず続ける。

 

 

 「さて、夏休みを迎えるお二人に私から言うことは一つしかありません」

 

 

 そう言う暦の顔はいつになく真剣で、この場にいる柊季、椿季、殺せんせーもその言葉を真剣に待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「夏休み、いいなぁ…………以上です」

 

 

 「……………」

 

 

 

 

 

 クラスの中に流れる沈黙。

 

 そして柊季は思ったこの時思った。本当、何しにここに来たんだよと 

 

 沈黙に耐えきれなくなったのか、殺せんせーは思わず言う。

 

 

 「それだけですか?」

 

 「それだけです」

 

 「理事長、もうなんていうか……ある意味流石です」

 

 

 椿季も理事長のボケに頭を抱えていた。まあ、理事長が真面目な話をしている途中に急にぼけることがあるのはいつものことではある。

 

 

 「理事長が何考えてるかさっぱりわからないですし…」

 

 「私がヒントをあげすぎたら面白くないじゃないですか」

 

 「またそれですか、鑑先生といい理事長といい…」

 

 「さて、終業式もつつがなく終えましたし、二人の元気そうな顔もみれたんで私はこれで失礼しますね。ああ、殺せんせー今後ともこの二人をよろしくお願いしますね」

 

 「ええ、もちろんです」

 

 

 殺せんせーにあいさつをし、暦は立ち去ろうとしたのだが、何かを思い出したかのように立ち止まった。

 

 

 「ああ、そうそう、白夜さんと昨日電話したのですよ」

 

 「え、父さんと?」

 

 

 嵯峨 白夜 (さが はくや)、柊季達の父で、現在は仕事で外国で暮らしている。

 

 

 「それで、明日あなたたちに会いに行くって言ったら伝言を頼まれたんですけどすっかり忘れていました」

 

 「父からの伝言ですか?」

 

 「ええ、後でもう一回本人たちには言うといってましたが、先に言っといてほしいとのことだったので」

 

 

 暦はメモを取り出し、それを読み上げる。

 

 

 「えーっと、読みますよ、椿季、柊季、元気にやっているか。明後日から夏休みだそうだな、すまんが今年も夏休みは帰れそうにない。そこで俺は思いついた。お前らはもう15歳なのだし、お前らがこっちに来ればいいんじゃないか?友達も数人だったら連れてきていいから、考えておけ………だそうです」

 

 「相変わらず、唐突なこと言い出すよな」

 

 「うん…」

 

 「じゃあ、今度こそ失礼します。また近いうちに会いましょう」

 

 

 そういうと、暦は今度こそ帰っていった。

 

 

 「すごい人ですね」

 

 「殺せんせーもそう思うか」

 

 「まあ、いいです。そろそろみなさんが帰ってきますからこの話をするのはやめましょう、二人とも簡単に教室の掃除をしますから手伝ってください」

 

 

 「「はい、(はーい)」」

 

 

 こうして、結局暦の残していったものは何ひとつ片付くこと無く、掃除に精を出すことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから簡単に掃除した後、二人は座って待っていると、クラスのみんなが次々に帰ってくる。

 

 

 「柊季、全校集会サボるんじゃねーよ」

 

 「うっせぇ、岡島、こっちにも野暮用があったんだよ」

 

 「野暮用?」

 

 

 渚はそう言って聞き出すとしたが殺せんせーが戻ってきてそのまま一学期最後のホームルームが始まる。

 

 

 「さて、これから夏休みに入るにあたり、皆さんには重要なイベントがありますねえ」

 

 「ああ、賭けで奪ったこれの事ね」

 

 

 中村が手にするパンフに皆が笑みを浮かべる。

 

 「本来は成績優秀クラスに送られるもの、今回の期末、トップ50のほとんどがA組とE組だったのですからそれに参加できる資格はあなた達にもあります。 夏休み・沖縄離島リゾート二泊三日の特別夏期講習!! 」

 

 

 殺せんせーのその言葉にクラスのみんなから歓声が上がる。

 

 

 「それで、前に磯貝君の言った通り、触手破壊の権利はここで使いたいと…」

 

 「はい」

 

「なるほど、触手8本の大ハンデにも満足せず、先生の苦手な見ずに囲まれたこの島で、貪欲にせんせーの命を狙うわけですか…………認めましょう、君たちは侮れない生徒になった。親御さんに渡す通知表はさっき渡しましたが、これは標的であるせんせーから貴方達に対する通知表です」

 

 

  教室中には二重丸が書かれた紙が舞い上がる。

 

 

 「この、夏休み、たくさん遊び、たくさん学びたくさん殺しましょう!!」

 

 

 そういうと殺せんせーは締めの言葉を言った。

 

 

 

 

  「暗殺教室 基礎の一学期 これにて終業!!」

 

 

  


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