双子の姉弟が送る!暗殺教室   作:コミ6目半

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 律編後編です。

 来週から定期試験なので、二日、三日に一回の更新にします。
 終わったら、また頑張るので、よろしくお願いします。


第16課 反抗期の時間

  ジリリリリッ

 

 今日も朝からこれでもかってくらいに、目覚ましが鳴る。どうして朝がやってくるのだろうか。

 

 そして、階段を上るいつもの音。来たか!

 

 「起きなさい!ご飯食べなさい!着替えなさい!」

 

 「いやだ!俺は今日寝不足なんだ!絶対に出ない!」

 

 「補習があったのは、自分のせいでしょ!授業中寝てばっかり!中間試験の時のやる気はどうしたの!?」

 

 「明日から本気出す」

 

 「いいわけないでしょ!」

 

 

 まあいつものやり取りを行い、しぶしぶ学校に向かった。

 

 教室につくと案の定固定砲台の周りには、人だかりが出来ていた。

 

 

 「なあ、なんか昨日よりでかくなってないか?こいつ」

 

 「うん」

 

 

 渚と杉野が驚くのももちろんである、たぶん体積は昨日の1.5倍くらいになってるんじゃないか?

 

みんなが異様にでかくなった固定砲台をまじまじと見つめた時、

 

 

「あ、おはようございます!みなさん!」

 

そこにいたのは昨日とは違い愛想もよく、まるでどこかのアニメキャラのようにかわいらしい固定砲台だった。

 

 

 「「えーーーーーーーっ」

 

 「なにこれ?どうなちゃったの?」

 

 

 杉野や渚だけでなく椿季も驚いている。

 

 

 「昨日、柊季君に手伝ってもらって、改良しました」

 

 「殺せんせー、おはようございます」

 

 

 固定砲台があいさつする。

 

 

 「親近感を出すための全身表示液晶と体、制服のモデリングソフトすべて自作で60万6000円」

 

 「こんなさわやかな一日をみなさんと過ごせるなんて嬉しいです」

 

 「豊かな表情とそれを操る明るい会話術。それを可能にする膨大なソフトと追加メモリ同じく110万3000円」

 

 「転校生がおかしな方向に進化してきた…」

 

 

 渚は呆然と話を聞きいっていた。

 

 

 「さらに、柊季君のバイト代2万円によって、せんせーの財布の残高5円!!」

 

 「バイト代!?」

 

 

 椿季がそう言うと、柊季は教室の扉を開けて逃げ出す。

 

 

 「バイト代なんても何も聞いてないよ!柊季!」

 

 「ありゃあ、ゲームか何か買う予定だったな」

 

 「うん。そして多分それはかなわないんだろうな…」

 

 

 杉野と渚の予想通り、そのお金は家計のほうにきっちり入れることとなった。

 

 

 

 俺が椿季に説教されている間も固定砲台は大人気だ。

 

 

 「庭の草木の緑も深くなってきましたね。春も終わり、近づく夏の風も心地いいです」

 

 「すっかりかわいくなちゃって」

 

 

 岡島が鼻の下を伸ばす、

 

 

 「ねぇ、あれ、嵯峨君がプログラミングしたの?」

 

 「いや、殺せんせーがやったやつを俺がインストールしただけ」

 

 「けっ、何、騙されてんだよ、おまえら。全部あのタコが作ったプログラミングじゃねーか。愛想よくても機械は機械、どうせ空気読まずにまた射撃すんだろそのポンコツ」

 

 「おっしゃる気持ちわかります寺坂さん…昨日までの私はそうでした…ポンコツ。そう言われても返す言葉がありません…」

 

 

 固定砲台の背景にい雨が降り、彼女は涙ながらに謝罪する。

 

 

 「あーあ、泣かせた」

 

 「寺坂君が二次元の女の子泣かせた」

 

 「なんか誤解される言い方止めろ!」

 

 女子たちの擁護のいい方に寺坂はツッコム。

 

 「いいじゃないか、二次元。Dを一つ失うところから女は始まる」

 

 「いいのか竹林!それお前の初セリフだぞ!いいのか?」

 

 「凄まじい初セリフだな…」

 

 

 

 

 

 その後もクラスの女子にせがまれてミロのビーナスの石膏像を作ったり、千葉と将棋を指したり、椿季と碁を打ったりしていた。

 

 「すごい、こんなこともできるんだ。ねぇ、花とかは作れないの?」

 

 「そうですね……分かりました花のデータ収集もしておきます。あ、千葉君、王手です」

 

 「うっ…3局目ににして早くも勝てなくなった」

 

 「なんつう学習能力だ」

 

 「ふぅーっ。こっちは何とか勝ったかな」

 

 「白の7目半勝ちでしょうか?」

 

 「うん。次やったら勝てないね、これは…」

 

 

 椿季はああ見えてアナログゲームにはめっぽう強い。逆にテレビゲームで負けたことは無いんだが…

 

 

 「まあ、人工知能の進歩は目覚ましいな」

 

 「何でも一人で同時に色々なことこなせるし自在にもの作れるし」

 

 「うん。大人気だね」

 

 「ねぇ、このこの呼び名考えない?自律式固定砲台じゃあいくら何でも…」

 

 片岡の提案にあれこれみんな考える。

 

 「自、律… あ、律なんてどう?」

 

 「安直だな」

 

 「えーかわいいよ!」

 

 「うんいいと思う」

 

 

  不破の意見に椿季が賛同する。

 

 

 「お前はそれでいい?」

 

 「はい!、嬉しいです」 

 

 

 こうして、新たに律と名付けられた少女はクラスで人気者となった。

 

 

 しかし、数日後。

 

 

 「おはようございます。みなさん」

 

 「あれ?元に戻っている?」

 

 「まあ、やっぱりこうなるよな」

 

 「どういうこと」

 

 「普通に考えて、協調性は暗殺に不要な要素じゃん?そんなもの勝手に入れられてたら、そりゃあ保護者の皆さんは納得しないでしょうよ」

 

 「ということは…」

 

 「ああ、ダウングレードさせられたんじゃないか、前の状態の律に戻ったってこと」

 

 

 まあ、考えられないことではなかったけど、まさかこんなに早く来るとはな…

 

 そしてやっぱり朝のホームルームで烏間先生がやってきて、

 

 

 「生徒に危害を加えないという契約だが、これからは改良行為も危害に加えると言ってきた、君たちもだ、彼女を縛って壊れでもしたら賠償を請求するそうだ」

 

 

 「危害ねぇ、俺らの授業のことはお構いなしってわけなのその保護者さんは」

 

 「持ち主の意向だ。従うしかない」

 

 「持ち主とはこれまた厄介で、親より生徒の気持ちを優先させたいんですがねぇ」

 

 

 結局どうすることもできないまま授業が始まる、そして開始から少し経った頃

 

 不穏な起動音が聞こえてくる。

 

 「また来ちゃうのか…」

 

 「あのはた迷惑な」

 

 「射撃が…」

 

 

 ドンという音がするとクラスの大半が机に伏せたが、律から放たれたのはBB弾ではなく、様々な花の花びらだった。

 

 クラスの大半が驚いた表情をしていたが律は構わず話し始める。

 

 

 「花を作る約束をしていました、殺せんせーは私に計985点の改良を施しましたが、そのほとんどはマスターが暗殺に不要と判断し、削除、撤去、初期化を行ってしまいました。しかし、学習したE組の状況から私個人は協調能力は暗殺に不可欠なものだと考え消される前に関連ソフトをメモリーの隅に隠しました」

 

 

 「へーっ、律は自分の意思で持ち主さんに逆らったんだ」

 

 「やるねぇ」

 

 

 俺とカルマは感心するように律にいった。

 

 

「殺せんせーこういった行動を反抗期っていうんですよね?律はいけない子でしょか?」

 

「とんでもない、中学校3年生らしくて大いに結構です」

 

 

 

  こうして律は新たにクラスの一員として3年E組に迎え入れられたのだった。

 

 

 

 

 

 








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