双子の姉弟が送る!暗殺教室   作:コミ6目半

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 この真冬にプールの話かいてるとなんか変な気分がします…

 まあ、頑張って書きたいと思います。

 今回は律の話(前編です)


第15課 転校生の時間

 

 

 

 あれやこれやあった修学旅行が終わり今日からはまた平常授業。いつもの毎日がやってくる。

 

 

  と思っていたんだが…

 

 

 

 「転校生か、楽しみだね」

 

 「どこがだよ、どうせこんな時期にやってくるような奴が普通のわけがないいんだから、暗殺者だろ、転校生暗殺者」

 

 「君たちがそれ言っちゃう?」

 

 「あ、不破さんおはよう」

 

 「おはよう、嵯峨さん。話を元に戻すけど、君たちが来た時だってそういう噂でもちきりだったんだよ」

 

 「まあ、人のことは言えない時期だったな…」

 

 

 

 四月下旬に転校とか普通の人なら考えられないいんだよなぁ、普通なら。

 

 

 

 「それにそういう転校生はアルファベット三文字の不思議な団に入ったり、超能力でモンスター倒したりするし…」

 

 「何の話をしてるんだお前は…」

 

 「はははっ…」

 

 「何の話ってそりゃ、すずm…」

 

 「いや、いわんでいい」

 

 「でも転校生ってどんな子なんだろうね…」

 

 「ああ、それなら岡島が昨日クラスのLI〇Eに写真貼ってたぞ、烏間先生に送ってもらったらしい」

 

 「どれどれ」

 

 

 二人が俺の携帯をのぞき込むとそこにはカチューシャをしたショートヘアの柔らかい顔をした女性生徒の写真があった。

 

 

 「ふつうに、かわいい…よね…」

 

 「うん。私暗殺者だから格ゲーに出てくる男キャラ想像してた」

 

 「まあ、確かに殺し屋にはみえないな」

 

 

 そう言っていつもの山道を登って教室についた。すると確かにそこに転校生がいたんだが、

 

 

 「おはようございます、今日から転校してきました。自律思考固定砲台です。よろしくお願いします」

 

 「……」

 

 タコ型の黄色い先生に、固定砲台のクラスメート、もうなんていうか、カオスだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「み、みんなすでに知ってると思うが転校生を紹介する、自律思考固定砲台さんだ」

 

 「みなさまよろしくお願いします」

 

 そういって、固定砲台はあいさつする。

 

 「烏間先生も大変だな」

 

 「俺、あの人だったらツッコみすぎて頭おかしくなるな」

 

 激しく同意だな。 烏間先生、声震えちゃってるじゃん。

 

 てか、殺せんせー笑ってるあんたもはたから見れば同じ色物だからね

 

 

 烏間先生によると彼女は人間ではないもののれっきとした生徒として登録されているため殺せんせーは手を出せないらしい。

 

 まあ、結局のところ先生は彼女を生徒として受け入れ、いつも通りの授業が始まったわけなんだが

 

 

 一時間目は国語。現代文の読解は、本当に眠くなる。でも、寝ると高速で横から消しゴムが飛んでくるからな…

 

 

 「やべぇ…寝る」

 

 その時だった。いつも平穏な授業中に爆発音がしたのは、

 

 ドン、 ガチャガチャ、

 

 「なに、どうした!地震か?」

 「いや、となりとなり」

 

 そう言われて隣を見てみると、固定砲台がなにやら物騒な物が次から次へと出てくる。

 

 そして一斉射撃。教室中に銃声が鳴り響く、

 

 「ショットガン4門、拳銃2門、濃密な弾幕ですが、ここの生徒達は当たり前にやってのけますよ、あと授業中の発砲は禁止です」

 

 そう言うと自分の顔の前に飛んできたBB弾をチョークで弾いた。

 

 「以後気をつけます。つづけて、自己進化フェイズに移ります」

 

 「ちっちっちっ、懲りませんねー」

 

 そう言って先生がいつものなめていた顔をすると、固定砲台からまたしても銃弾の雨が降ってきた。

 

 しかし今度は予想外のことが起こった、さっきと同様に殺せんせーはチョークで玉を弾いたはずなのに先生の触手の先が吹き飛んで、チョークと共に床へと落ちた。

 

 「なんだ今、何が起きたんだ?」

 

 菅谷の質問に答えたのは椿季だった。

 

 「ブラインドだよ。菅谷君。一弾目の銃弾と同軌道上に発射することによって二弾目を見えなくする技だよ。難易度がとても高くてほとんど、出来る人がいないけど」

 

 「へぇ、そうなんだ。でもなんでそんなこと知ってるんだ」

 

 「昔、教えてもらったんだよ、お母さんに」

 

 「へぇ」

 

 菅谷はそう言って納得し、それ以上聞くことはなかったが聞かれた椿季はやはりどこか寂しそうにしていた。

 

 

 「右副砲の増設効果確認。 右指先破壊、次の射撃で殺せる確率、0.001%未満、次の次に殺せる確率、0.003%未満、卒業までに殺せる確率90%以上」

 

  自律思考固定砲台は、そう冷たく言い放ち、殺せんせーも苦い顔をしていた。

 

 「つどけて攻撃体制にに移ります」

 

  こうして、今日は一日中教室から銃声が鳴りやむことはなかった。

 

 

 

 次の日。登校途中で片岡、倉橋と会い一緒に登校していた。

 

 

 「今日もまた、あの騒ぎが繰り返されるのか…」

 

 「あはは、前のほうは大変だよね」

 

 「倉橋、お前一番前だけど大丈夫なのか?」

 

 「う、うん。頑張って避けてる。つっちゃんは真横だけど大丈夫?」

 

 「音がうるさいから、時々先生の声が聞こえないのが問題だけど…」

 

 「やっぱり、烏間先生に言って何とかしてもらおうよ」

 

 「てか縛り上げればいいんじゃね?ロープとかでぐるぐる巻きに」

 

 「でも、機械とはいえあまり乱暴なことはなぁ」

 

 そう言って教室に入るとその問題についてはすでに解決していたようで……

 

 

 

 

 

 午前8時30分、システムが起動し自律思考固定砲台が昨日と同じく射撃を開始しようとしたのだが、

 

 

 「ん?」

 

 

 彼女も驚いたのだろう、それもそのはずで彼女の本体は現在ガムテープでぐるぐる巻きだ。

 

 「殺せんせー。これでは銃を展開できません。拘束を解いてください」

 

 「うーんそう言われてもですねー」

 

 殺せんせーも困ったという感じである。

 

 「この拘束はあなたの仕業ですか?明らかに私に対する加害であり、それは契約で禁止されているはずですが」

 

 「違ぇーよ」

 

 そういって、ガムテープを投げつけたのは寺坂だった。

 

 「どう考えても邪魔だろ、常識くらい身に着けてから来いよ。ポンコツ」

 

 「まあ、機械にわかんないよ。常識は」

 

 「授業終わったら、ちゃんと解いてあげるから」

 

 

 菅谷や原がそう言うと本日の授業がスタートする。

 

 結局、今日は授業中に銃声が鳴り響くことは無く、昨日と打って変わって平穏な日常が過ぎ去っていった。

 

 

 

 

 

 そして放課後

 

 「殺せんせー。さようなら」

 

 「あ、ちょっと待ちなさい。柊季君」

 

 「ん?なんか用ですか?殺せんせー」

 

 「今晩はなんか予定はありますか?」

 

 「ありませんけど」

 

 「それならちょっと手伝ってもらえませんかね?」

 

 「?」

 

 そう言われてその晩、もう一度学校に戻ってきてみると、大量の機材を抱えた殺せんせーが待っていた。

 

 「せんせー。それは?」

 

 「固定砲台さんにプログラムするソフトと追加メモリです」

 

 「追加メモリー?なんの?」

 

 「柊季君、君はこの教室において彼女に足りないことは何だと思いますか?」

 

 「何でしょう…みんなの迷惑を考えていないといったところですかねぇ」

 

 「そうです。彼女に足りないものはクラスのみんなとの協調性です。もし彼女がせんせーの暗殺に成功してもおそらくその賞金は彼女の親御さんのところに行ってしまいます。つまり今の彼女はクラスの皆さんからすると何のメリットもない、そんな状態を先生は打開したいのです」

 

 

 「なるほど、それで俺を呼んだわけですか」

 

 「ええ、君の情報関係における技術はクラスでも群を抜いてますからね」

 

 でも、俺がコンピューター関係が得意なことはこっちに来てからは話したことなかったはずなんだけど

 

 そんな疑問を持っていると殺せんせーは

 

 「せんせーは先生です。君たち一人一人の特性に合った教育をするにはその生徒のことを知っていなければならないですから」

 

 

 俺は少し黙ってこう聞いた。

 

 

 

 

 「俺らのことを調べたの?」

 

 

 

 

 「はい」

 

 

 

 

 「母さんのことも?」

 

 

 

 

 「はい」

 

 

 

 「ふーん」

 

 

 

 

 先生は顔色一つ変えずにそう肯定した。

 

 ここまで来てこの先生は俺が言わんとしていることが理解できなかったわけではあるまい。それでもなお、そこについて深く聞こうとしないのは彼なりの優しさというものなのだろうか。

 

 

 「さあ、それでは始めましょうか、早く帰らないとお姉さんも心配しますよ」

 

 「はい、はい」

 

 

 そう言って俺らは夜も更けていく中、固定砲台のアップグレードに精を出すのだった。

 





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