双子の姉弟が送る!暗殺教室   作:コミ6目半

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 いよいよ、修学旅行編スタート


第11課 修学旅行の時間 柊季編

  いよいよ修学旅行の日がやってきた。椿季の体調も戻り、二人で駅に向かう。

 

 「やっぱり、このしおりおいてくるんだったかな…なんだよ1344ページって辞書だよこれ」

 

 「うーん。そうだね、使わないことのほうが多そうだね」

 

 文句を言いながらも俺らは駅についた。

 

 「渚、なんであいつらグリーン車なんだ?」

 

 「うーん。なんでって言われても…」

 

 俺らE組以外はグリーン車へと乗っていく。

 

 「ここは、そういう学校だからな」

 

 「えー学費の用途は成績優秀者に優先されます」

 

 「おやおや君たちからは貧乏の香りがいますねぇ」

 

 

 でたなD組のメガネとニキビ。どうしてこうも煽るかね。

 

 (てか、この間の試験だけ言えば俺のほうが高いんじゃね?)

 

 そうは思ったが、一人だけグリーン車とかいうのもごめんなので黙っていることにした。

 

 そして、バカがもう一人。

 

 セレブのような格好で来たビッチ先生は開幕五秒で烏間先生に連行され、新幹線の中では普通の格好に戻っていた。

 

 当然といえば当然なのだが。

 

「どっちが引率なのやら」

 

「セレブばっか殺してきたから庶民感覚かないんだろ」

 

「あんなに落ち込んじゃって」

 

 

俺はしょげるビッチ先生をクラス委員の2人とまじまじと見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新幹線が発車してしばらくするとみんなトランプをしたり、人生ゲームしたりと楽しんでいた。

 

 

ん?なんか足りないような…

 

 

 「あれ?殺せんせーいなくね?」

 

 「そういえばって、うわっ」

 

  殺せんせーは窓に張り付いていた。

 

  事情を聴くと駅中スイーツ買ってて遅くなったらしい。

 

 「でもそれ外から見えるんじゃ…」

 

「国家機密がそんなに目立っていいのかよ」

 

 「ご心配なく.保護色にしてますから、服と荷物が張り付いているように見えるはずです」

 

 「「それはそれで不自然だよ」」

 

  渚と思わずツッコむ。

 

  その後、新幹線の中では全く人間には見えない殺せんせーの変装を焼け石に水くらいのレベルで向上させたり、ババ抜きで負けた俺がカルマの罰ゲームで死にかけたりと楽しい?時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一日目を一応滞りなく終え、修学旅行二日目。今日は、京都自由観光と称して、暗殺を行う日だ。

 

 というわけで俺らは三条大橋にいる。

 

 「でも、修学旅行くらい暗殺のこと忘れたかったよな、暗殺には縁のない場所でさぁ」

 

 「そうでもないよ、ほら。そこに坂本龍馬遭難の地の近江屋の跡地があるし、向こうのほうには本能寺もある」

 

 渚の説明に俺は付け足した。

 

 「それに京都は平安時代や室町、明治の初期に政治の中心があった場所だ。他にも松平容保とか、様々な著名人が暗殺されている」

 

 「おーさすが、社会100点。歴史は強いな」

 

 

  まあ、俺も来るのは初めてなわけなんだが、

 

 

 「それで、俺らはどうやって暗殺を行うんだ?」

 

 「うーん、一つは、東寺の五重塔からスナイパーさんに狙ってもらおうと思ってるんだけど」

 

 「俺ら四班は最後じゃん、だから、ふつーに銃殺だけだと物足りないと思って、もう一個やろうかなぁって。ね?渚くん」

 

  カルマはニヤニヤしながら渚に同意を求める。

 

 「う、うん…」 

 

  なんかすごいヤな予感がする。

 

 「茅野ちゃん、嵯峨さんから例のもの借りて来てくれた?」

 

 「うん」

 

 「?、茅野。椿季から何借りてきたの?」

 

  カルマが、茅野から手渡されたものは、

 

 

 

 

 

 

 

  椿季の制服だった

 

 

 

 

 

 「おい、まさか」

 

 「俺前から思っていたんだ、嵯峨さんとそっくりだからこれ着たらきっと」

 

 「おい、嘘だろ。渚。杉野、助けて…」

 

 しかし、二人はただ茫然と見ているだけだった。

 

 

「神崎、茅野、奥田」

 

神崎、奥田は困った顔をして、茅野はまるで表情で諦めろとでもいわんばかりの表情でこちらを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「髪留めをして完成w」 

 

 「あとで、覚えていろよ、カルマ」

 

 「怒らない、怒らない、柊季ちゃん」

 

 「前の学校でそのあだ名で呼ばれて喧嘩をよく吹っ掛けたよ」

 

 「じゃあ、やる?その格好で」

 

 「うっ」

 

  この格好で大立ち回りすると見えちまう可能性があるからな、ここは我慢だ。我慢だぞ俺。

 

 「それで、どこで仕掛けるんだよ」

 

 「それは、神崎さんが、」

  

 「うん。祇園なんてどうかな」

 

  神崎さんの案内で祇園に来てみるとすごい人だった。でも、道を一本外れるとほとんど人はいなかった。

 

 「へー祇園って奥に入るとこんなに人気ないんだ」

 

 「うん。一見さんお断りの店ばかりだから目的もなくふらっと来る人もいない。だから、ここを選んだの。暗殺に最適だと思って」

 

 「たしかに、いいと思うけどこんな格好で俺に何する気?」

 

 「それは…」

 

 カルマが俺の質問に答えようとしていたが、結局その質問答えたのは、物陰から出てきた、高校生だった。

 

 「そりゃあ、お兄さんたちと遊ぶの一択だな。最高だぜ?」

 

 「本当、どうしてこんな拉致りやすい場所をコースに選ぶかね、ま、俺らは大歓迎だけど」

 

 

 ガラの悪い高校生組がぞろぞろと出てくる。最近、多いなぁこの展開…まあ、なんでもいいけど、

 

俺がそんな風に呆れかえっていると、その横では静かな殺気を感じられた。

 

 

 「なに、お兄さんたち。観光が目的っぽくないんだけど」

 

 「男に用はねー女置いておうち帰んn」

 

 

 話終わる前にすでに手が出ているカルマ。まあ、喧嘩っ早いのは知ってたし、俺が言えた義理でもないんだけどね

 

 すると、後ろからカッターを持った奴が切りかかっていたがカルマの目暗ましを受け殴られていた。

 

 

 「ね、人見てないところでは喧嘩しても問題ないでしょ」

 

 そう言う問題か?などと、心の中でツッコミをいれていると、気づかない間に後ろにいた高校生に神崎と茅野が連れ去られていく。

 

 「おい、やめ「お嬢ちゃんもこっちだよ」」

 

 抵抗しようとしたのだが、すぐさま俺の口元を覆うように布を当てられ気が遠くなっていく

 

 「これって、クロロホル…」

 

 そこで完全に俺の意識が落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「嵯峨君、嵯峨君。起きて」

 

  あれ、なんか声が……

 

 「起きて嵯峨君」

 

 「………ここは…」

 

 「どこかの空き倉庫みたいだけど」

 

  どうやら俺らはガチで拉致られたらしい。

 

 「とりあえず、二人とも無事みたいだね」

 

 「うん。嵯峨君も大丈夫ですか?」

 

 「うん。ったく俺を女と勘違いするとは…」

 

 

  あほな奴らだ。それにこの間のうっぷんも張らせてないし正直そろそろ暴れたい。

 

 

 「仕方ないよその格好じゃ、」

 

 「こりゃあ、カルマにするはずの憂さ晴らしは、あいつらにするしかないか」

 

 「あれ?話がかみ合ってない?」

 

 

 茅野がそんなツッコミを入れていると、向こうのほうから足音がした。さっきのやつらだろうか?

 

 

 「二人とも、今から俺と話すときは椿季と話すときと同じように話すんだ、いいな」

 

 「「う、うん」」

 

 「おう、起きたか。連れに召集かけといた。記念撮影の準備もな。ここなら騒いでも誰も来ないねー」

 

 すすると不良の一人が神崎にケータイの画像を見せる

 

 俺は椿季の声まねで不良どもに話しかける。

 

 「私たちをどうする気?」

 

 (うわっ、椿季ちゃんそっくり)

 

 (しっ!今はそんなことどうでもいいだろ)

 

 「何こそこそ話してやがる」

 

 「何でもないわ、それより私たちをどうする気?」

 

 そう言うと不良たちはニタニタ笑いながら答える。

 

 「どうもする気もない。ただせっかくの修学旅行なんだ、みんなでわいわい楽しもうぜ」

 

 「……」

 

 「あーそれと」

 

 不良の一人が写真を神崎さんに見せて言った。

 

 

 「なあ、これお前だろ、一年前東京ののゲーセン。目ぼしい女には目をつけておくよう言ったんだが逃げられちまった。でもまさか、名門中の生徒だったとはな」

 

 

  神崎は難しそうな顔をしていた。どうやらあの写真は神崎らしい。

 

 「わかるぜ、お前もどっか台無しになりたがってたんだろ?俺らも肩書きとか死ねって主義だからよ。なんか自然体に戻してやる?的な。そういう遊びいっぱいしてきたから、まあ、台無しの伝道師とでも呼んでくれよお嬢ちゃん方」

 

 あー、もう。バカばっかりで困る。

 

 そんなことを考えているのは俺だけではないらしく茅野が思わずつぶやいた。

 

 「さいってー」

 

 茅野が言ったことは実に正論なんだが、これが奴らを怒らせたらしい、

 

 そいつは、茅野の胸元をつかみあげて、罵詈雑言を浴びせる。

 

 「あぁ、エリート気取ってんじゃねーぞ!」

 

 「あっ、うっ、くるしい」

 

  茅野はガチでやばそうな顔をしていた。

 

 「所詮エリート気取りで見下してんだろうが俺はそう言うやつらが大っ嫌いだからよーお前も今から俺らと同じレベルまであとしてやるからよ」

 

 

 「くる、た、たすけて」

 

 

 (あ、これ、やばい)

 

 俺は自分の中で抑えきれない何かが込み上げてきたことに気付いた。

 

 茅野のか細い声は俺の怒りを煽るのには十分すぎたのだ。

 

 

 

 俺は縄を無理やり力づくでほどき、そいつに殴りかかっていた。

 

 「何してんだぁぁてめえぇぇ」

 

 そいつは茅野を放すとぎりぎりで交わした。

 

 「なんだこいつ、女のくせに」

 

 「ふ、てめぇらみたいに人を引っ張るしか能のないサルが、人の痛みも知らねーで、お前らみたいな屑と一緒にまとめてんじゃねーぞ」

 

 そういいながら、俺は近くにいた二人をまとめて殴り倒す。

 

 「てめぇ、女だからって容赦しねーぞ」

 

 そういって、殴りかかてっくる奴をぎりぎりで交わし、首に思いっきり一発くらわす。これでさらに二人。

 

 さらに、神崎を人質に取ろうとしたバカには椿季の制服にしまってあったダーツの矢を手の甲にぶち込み、ひるんだところで鳩尾に膝蹴りをくらわした。

 

 「ったく、ダーツの矢まで使わせやがって、あとで椿季になんて言い訳すりゃいいんだよ」

 

 その時、奥の扉から足音がした。チッ連れとやらが来たか。

 

 向こう側もそれを察したようでにやりと笑った。

 

 「ふっ、撮影班がご到着だ。いくらお前でも、十数人いっぺんに相手をするのは無理だろ」

 

 「雑魚が何人来ようが一緒だ」

 

 俺は、全方向に神経を集中させて構えたいた。しかし、ドアから現れたのはボコボコにされたリーゼントの不良と、ニンマリと悪い顔をしたクラスメートだった。

 

 「だめだよ、柊季、そういう面白そうなことを抜け駆けしてやっちゃ」

 

 「待ってたけど、来るのが遅すぎんだよ」

 

 「てめえらどうしてここが」

 

 それに答えたのは渚だった。

 

 「修学旅行のしおり1243ページ班員が何も飲みさらわれた時の対処法で地元民かどうかを判断し、そうでないかつ学生服の場合1244ページ考えられるのは彼らも修学旅行生で旅先でオイタをする輩です」

 

 「「皆!!」」

 

 「土地勘のないその手の輩は拉致した後そう遠くへは逃げない近場で人目につかない場所を探すでしょうその場青は付録134ページへ」

 

 「先生がマッハ20で下見した拉致実行犯潜伏マップが役立つでしょう」

 

 「いやー助かったよ、柊季君のカバンに修学旅行のしおりが入ってて」

 

 「やー、やっぱ修学旅行のしおりは持っとくべきだわ」

 

 「本当に完璧な拉致対策だ」 

 

 「「「「「ねーよ!そんなしおり!!」」」」」

 

 ふーっ。俺も少し落ちついた。さて、

 

 「どうすんのお兄さん方おれのなかまもきたし、」

 

 「まあ、これだけの事をしてくれたんだ。あんた等の修学旅行はこの先全部」

 

 

  「「入院だよ」」

 

 

 結局その後、奴らが呼んだ撮影班とやらは、殺せんせーがやってきていつものマッハで不良どもを手入れしてしまった。まあ、俺らもお礼として修学旅行の基礎知識をあいつらに教えて(物理)やったから良しとしよう。

 

 「いやー、みなさん危ないところでしたね…」

 

 「でもみんなが来てくれてたし、嵯峨君が守ってくれたから」

 

 「それにしても嵯峨君その服装はいったい」

 

 「先生暗殺のためにカルマが用意した作戦の一つだったらしいんだけど…」

 

 「なるほど、それは災難でしたね」

 

 「はぁ、結局暗殺できなかったし、俺がこの格好した意味って」

 

 「えっ、面白いからに決まってるじゃん」

 

 「消せよ、バカヤロー」

 

  俺ら四班は暗殺が実行できず京都自由旅行が終了してしまった。でも。神崎はなんだか晴れ晴れしていたような顔をしているし、俺も茅野や神崎なんかと仲良くもなれた。暗殺は確かにできなかったけれども俺にとっては十分な成果だったと個人的には思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに、その後宿舎に帰ると俺は外で喧嘩をしたことと、ダーツの矢を壊してしまったことをみっちり、椿季に怒られたが神崎と茅野が止めてくれたから何とかなったとだけ付け加えておこう。

 

 




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