双子の姉弟が送る!暗殺教室   作:コミ6目半

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 オリジナルストーリー後編です。
 
 次回からは修学旅行編(全4編)です。

 それでは始まります。


第10課 買い物の時間

 

 「よし、じゃあこの分担で行きましょ」

 

 「おー」「分かった」

 

 

 結局 話し合いの末速水と片岡に椿季の面倒を頼み、俺は倉橋を連れて買い物に行くことにした。

 

 

 「すまん。お前らも買い物あったんだろ?」

 

 「大丈夫だよ、つっちゃん含めて買いたいものは分かっているから」

 

 「そうか」

 

 「さがっちは何買うの?」

 

 「俺も修学旅行に持っていくものと、椿季の昼飯、夕飯の材料とかかな」

 

  そこからしばらくは無言が続いた。女子と話すことには椿季がいるので抵抗は少ないが、逆に自分から話すことは少ない。

 

それでもなんとかしなくてはならないとと思い、いろいろ考えていると倉橋の方から話しかけてきてくれた。

 

 「さがっちさ、やりたいこと見つかりそう?」

 

 「そう簡単には見つからないだろ」

 

 「そうなんだけどさ、なんか気になっちゃって」

 

 「そんなに気になるか?前にもそんな話してたけど…」

 

 「うん。だってさがっち。何考えているかわかりにくいところあるから」

 

そうかなぁ、と俺は考える。確かに本音をを人に話すタイプではないけど…

 

 「そんなにクラスになじめてないのか俺?」

 

  ちょっと心配そうに言う俺に対して倉橋はクスッと笑って言った。

 

 「そーじゃないよ。でも、岡ちんやほかの男子みたいにみたいにわかりやすくないっというか、ミステリアスっていうか」

 

 「そんなこと初めて言われたぞ」

 

  こいつの感覚は独特だなと、そう思う。

 

 「まあ、もし分かったらお前に教えるようにするよ」

 

 「本当?じゃあ、楽しみにしてるね」

 

 「ほら、そんな話している間についちまったぞ」

 

  ここはいつも椿季に買い物を頼まれた俺が買い物に来るショッピングセンター。

 

  そこそこ大きく色々なものが売っている。

 

 「じゃあ、とりあえず倉橋たちの買い物から済ませちまうか」

 

 「こっちだよ、さがっち」

 

 倉橋は看板の案内を見ながら、かわいい子ものが多い雑貨店に入った。

 

 倉橋は日用雑貨が置いてあるコーナーをあれこれ見回っていた。

 

 「ねえねえ、これなんかどう思う?」

 

 「うん。いいんじゃない」

 

 「これはどう?」

 

 「うん、いいんじゃない」

 

 「これ…」

 

 「うん、いいと思う」

 

  すると倉橋は俺のほうをじーっと見て言った。

 

 「……さがっち、本当にそー思ってる?」

 

 「オモッテルヨ」

 

 「おもってないでしょ」

 

 「あのー倉橋さん、男にこういう場所は正直辛いのですが」

 

 かわいいものが多いこの場所は女性客や子供は多いものを男性の客はほとんど少ない。というわけで俺はこの空間では大分浮いている。

 

 「そういうこと言わないの、みんなの分も買っていかなきゃ」

 

 「まあ、そうなんだけど」

 

 「じゃあ、逆にさがっちはどんなのがいいと思う」

 

 「え、俺が選ぶの?」

 

 「うっ………じゃぁ、そうだなぁ、こんなのどう?」

 

  俺は、ペンギンの書いてある歯ブラシセットを手に取った。

 

 「ほんとだー、かわいい」

 

 「あとは、これとか。これとか」

 

  ペンギンの描かれたトートバックや、カクレクマノミが書かれた小さなポーチを指した。

 

 「ねぇ、もしかしてだけど、さがっちって海の動物が好きなの?」

 

 「なんでそう思う?」

 

 「いや、選んでいるの全部そうだし」

 

 「まあ、好きか嫌いかといえば好きかな、時々水族館とか行くし」

 

 「えっほんと?」

 

 「まあ、ときどきだけどな。ほら、早く買っちまえよ」

 

 

  なんとなく恥ずかしくて俺は倉橋をせかした。

 

 

 「はーい。あ、先、食品売り場に行ってて、買ったらすぐ行くから」

 

 「りょーかい」

 

 そう言って俺は、てきぱきと買い物を済ませた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「といって、もう十五分…」

 

 倉橋何やってんだろ。こっちの買い物終わってるんだけど。

 

 すぐ来るって言ってのに、何かあたんだろうか?

 

 そう思い、少し心配になって俺はさっき来た道を急いで引き返した。

 

 

 

 

 

 「あー、やっぱりこういうことになってたのね」

 

 

  倉橋はガラの悪い高校生ぐらいの二人組に絡まれていた。

 

 

 「ねえ、君かわいいね、このあと俺らと遊ばない?」

 

 「あのー、人を待たせてるんで…」

 

 「いいじゃん、俺らと遊んだほうが楽しいよ」

 

 

  そういって、男の一人が倉橋の腕をつかむ。

 

 

 「ちょっと、はな…」

 

 「さあ行こう、お嬢ちゃん」

 

 

そう言って連れ去ろうとした男の腕を俺はつかんだ。

 

 

 「話の最中割り込んで済まないが、俺らこの後用事があるんで、ここで失礼するわ」

 

 「はっ、お前誰?」

 

 

  不良は俺に対して、すっごいがんを飛ばしてくる。

 

 

 「こいつのつれですが、何か?」

 

 「なら話は早い、お前とこの子の予定はキャンセルだ。さっさとお家に帰んな」

 

 

正直に言おう、普通にイラッと来たよ。このセリフ。

 

 

 「うーん。まあ家には帰るけど、友達をこんなガラの悪い奴に預けたまま帰るわけにも行かないんで」

 

 「なんだと、てめぇ」

 

 「それに…」

 

 

  俺はうっすら笑みを浮かべて言う。

 

 

 「どう考えても、お二人さんは倉橋と釣り合ってないから、やめときなってw」

 

 「黙って聞いてりゃ、いい気になりやがって」

 

 

 二人の不良が倉橋から手を放して俺に殴りかかる。

 

 それをぎりぎりのところでかわし、顔面に一発。二人目も同じ要領で鳩尾に一発。

 

 そしてがひるんだ二人に俺は更にけしかけようと、したんだけど…

 

 

 「さて、まだやるかい、おにいs「行くよ、さがっち」」

 

 「えっ…………」

 

 

 そういって、倉橋は俺の手を引き、すごい速さで俺を引っ張っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「はぁ、はぁ、はぁ」」

 

  結局倉橋と俺はショッピングセンターの外まで逃げてきた。

 

 「はぁ、なんで、俺らが、こんなところまで」

 

 「だって、…」

 

 「大丈夫だったってあれくらいなら、俺一人でも」

 

 「そういう問題じゃないよ、さがっち」

 

 

  倉橋は真面目な顔をして俺をじっと見る。

 

 

 「あのまま、喧嘩したら明日修学旅行に行けなくなっちゃってたかもだよ」

 

 「それは…ばれないように…」

 

 「あんな、ショッピングセンターの真ん中で?」

 

 「それは…もちろん違うところに場所を移して…」

 

 「うそ!!」

 

 「うそじゃねーよ」

 

  まぁ、何も考えてなかったんだけど…

 

 「腕を組んで、目をそらす…ふーん。つっちゃんの行ってた通りだ。うそついてるね。さ・が・っ・ち」

 

 「なっ…」

 

  なんでお前がそれを………椿季しかいないか…あの風邪引きめ…

 

 

 「しかも、警備員さん来てたのも気づいてなかったでしょう?」

 

 「うっ…」

 

  …………全く気付いていませんでした。

 

 「まったく、しょうがないな。さがっちは…。さ、早く帰ろ!メグちゃんも凛香ちゃんも待ってるよ」

 

  倉橋はそう言うとまた歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「でも、ありがとう、さがっち。助けてくれて」

 

 

 

 

 

 

 

 「うん?なんか言ったか?」

 

 「ううん。早く行こ」

 

 

  そう言って倉橋はまた俺の手を引いて走り始めたのだった。

 

 






 柊季のヒロインは倉橋さんに決めました。

 これからも感想、誤字指摘よろしくお願いします。

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