AKABAKO   作:万年レート1000

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ようやくアーム戦終わったぁあああああ。

早く【巨躯】戦も終わらせて百合百合したのが書きたいです。(正直者)

ていうか【巨躯】戦の扱いがこんな雑なPSO2小説が他にあるのだろうか。
アームさんとか完全に主人公のかませなんじゃが。


猛る黒曜の暴腕⑤

「ステラさん、五秒後に台パン攻撃が来るので避けてください」

「おっと、ありがと」

「ハウバーさん、後ろから新しいアームが来てるので注意してください」

「む、了解した」

「あっと、【アナザースリー】の皆さん、その位置は少し危険なので、東に五歩くらい前進してください。そしたら丁度台パン終わったアームが居ると思うので攻撃を」

「了解でぇす!」「わ、ホントに来たわ」「ら、ラ・グランツ撃ちます!」

 

 的確、かつ迅速。たまに大まか。

 背中にどころか全身に目が付いているんじゃないかという速度で、シズクの指示が飛んでいく。

 

 気付けば、全員がシズクの指示に従うようになっていた。

 

 そこからは、圧倒的に殲滅速度が上昇。

 今現在の討伐数は十四体。ハード帯ではトップクラスである。

 

 シズクの指揮の賜物だということは、誰が見ても明らかだった。

 

「…………あの一瞬の自己紹介で全員の名前も憶えているとは、化物かよ」

 

 ファルス・アームの足を叩き割りながら、ヒキトゥーテが呟く。

 意固地になって指揮官を続けるほど、彼は無能では無い。

 

 慣れていない指揮をやるよりも、彼は攻撃に専念する方が殲滅力は圧倒的に上がるのだ。

 

「【コートハイム】のシズクか……憶えておこう」

「あ、引き立て役さん。三秒後に二体ほどそっち行きそうなのでガンガン殴っちゃってください」

「ヒキトゥーテ・ヤクだ! 間違えるな!」

「やだなぁ、ちょっと略しただけじゃないですか」

 

 そして本当にヒキトゥーテの近くへファルス・アームが二体、やってきた。

 既に足にウィークバレットは付いている。もう後は、殴るだけ。

 

「さて、あの二体はもう倒したも同然……っとエイミングショット!」

 

 ブラオレットから放たれた弾が、宙に浮いて移動しようとしたファルス・アームの足に命中。

 元々ダメージを負っていた足は壊れ、そしてアームは落下。

 

 そこにアークスたちが群がり、あっという間にそのファルス・アームは砕けて消えた。

 

 だがすぐに、新しいファルス・アームが補充されてくる。

 まるで無限ループだ。いや、【巨躯】の体積という限界がある以上、無限ではないが。

 

(流石に皆疲労してきてるな……)

(引き立て役にステラさんとハウバーさん、それと先輩らはまだ平気そう。流石大人組)

(リィンやマコトさん、あとハルナさんもまだ平気、か? でも限界は近そう)

(ラヴ・Dさんは良く分からん)

(やばいのはあいかちゃんとリナさんかな? どっちもフォースだし、あいかちゃんは体格の問題もあるだろう。あたしより小さいし)

 

 ぐるぐると思考が回る。

 今までの人生で一番考えてるかもしれない、と思うほど色々なことが頭を巡る。

 

 視界は目まぐるしく動かし、常に戦況を把握。

 最適な指揮を執り続けるために、一秒たりとも休まず思考回路をぐるぐる回す。

 

 やばい。

 

指揮(これ)、楽しい……!」

 

 思わず、にやけてしまうシズクであった。

 

『――――ぐあぁあ』

 

 ファルス・アームが、消えていく。

 合体しようが、ビームを吐こうが、何をしようが全てシズクの指揮によって対応され消えていく。

 

「あいかちゃん! 後ろに跳んでからテクニック!」

「あいあいさー! ぐらんつ!」

 

 そして、ついに。

 

「…………あれ?」

 

 船上に一匹残っていたファルス・アームが消え、増援を警戒しようと【巨躯】の方をシズクが見た瞬間、違和感に気付いた。

 

 何処を見ても、こちらに向かってくるファルス・アームが居ない。

 

 そう、つまり。

 

「終わった……?」

 

 第一次殲滅作戦完了。

 続いて、第二次殲滅作戦に移ります。

 

 というアナウンスが流れてシズクたちの戦いは終了した。

 

 後は、『リン』やライトフロウのような一流アークスの仕事だろう。

 

 シズク、リィン、メイ、アヤ、ヒキトゥーテ、ステラ、ハルナ、マコト、ラヴ、リナ、あいか、イリーガル。

 以上十二名による共闘は終わりを告げた。

 

 戦果はファルス・アーム二十五体。

 ハード帯の討伐数としては二位であった。

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

 

 

 ここは【大日霊貴】が担当する破棄されたアークスシップ船上。

 

 スーパーハードレベルのファルス・アームと、戦いの真っ最中である。

 

「コスモスブレイカー!」

「ギ・ゾンデ」

 

 馬鹿でかい光の弾と、蒼白い雷の槍がファルス・アームの手首を撃ち抜いた。

 

 その一撃が決めてとなり、ファルス・アームは崩れて消える。

 

 流石にトップレベルのチームだけあって、リーダー副リーダー不在でも問題なくファルス・アームを殲滅できているようだ。

 

 しかし、討伐数では同じレベルのチームに後れを取っているのは確かで、やはり核となる人物が居ないと普段通りとは言えない――――。

 

「カザンナデシコ」

 

 と、その時だった。

 

 誰もが安心するような、穏やかで且つ凛とした思いの籠った声。

 

 それと共に、巨大な刀が振り落とされた。

 『カザンナデシコ』。フォトンを刀状にして刀身に纏わせ、叩きつけるカタナのフォトンアーツである。

 

 その斬撃は、四匹のファルス・アームを纏めて切り裂いた。

 部位破壊とか、そういうレベルじゃない。

 

 真っ二つである。

 こんな真似ができるアークスなど、限られている。

 

「ごめん皆……」

 

 ライトフロウ・アークライト。

 

「遅くなった」

 

 推参である。

 

「「「り、リーダー!」」」

 

 チームメンバー全員の視線が、突然現れたリーダーに向けられた。

 

「リーダー何してたの!?」

「リーダー目え赤いけどどうしたの!? 泣いてたの!?」

「リーダー!」「リーダー!」「リーダー!」

「ええい五月蝿いぞお前ら! 一斉に喋るな!」

 

 副リーダーアズサの鶴の一声で、一斉に黙る隊員たち。

 まるでチームのオカンである。

 

「でも、本当にどうしたのリーダー、何かあったのか?」

 

 ランチャー使いのロリ、アーチェが純粋な瞳でそう訊ねた。

 その言葉に、ライトフロウは息詰まる。

 

「ええーっと、その、ね」

 

 言いづらい。

 理由が完全に私的な上に、恥ずかしい。

 

 けど、良い言い訳など思い浮かばないし、と頬を掻きながら、答える。

 

「ちょっとね、……失恋しちゃったのよ」

 

 瞬間、その場にいた【大日霊貴】メンバー全員に、衝撃が走った。

 

 何せ、ライトフロウ・アークライトである。

 才色兼備やら容姿端麗やらの四字熟語が全て当てはまるのではないかと言われる程の美女である。

 

(((この人を振る人とか……)))

(((何者……!?)))

 

 【大日霊貴】の気持ちが一つになった瞬間であった。

 

「さ、さて、私が来たからにはガンガン撃墜するわよ」

「よ、よぉーっし、リーダーが来たからこっからは楽勝だぜ!」

「あれ? でも新しいファルス・アーム来て無くないですか?」

「えっ?」

 

 マジで? と【巨躯】の方向を向く。

 悲しきかな、ファルス・アームの体積はかなり縮んでおり、もうファルス・アームが出てくる気配はなかった。

 

「えっ」

 

 

 第一次作戦――ファルス・アーム殲滅戦終了。

 第二次作戦、ダークファルス【巨躯】撃退作戦開始である。

 

 




レアファング夫妻「ようこそ」
ヴァーダー「かませの」
ヒキトゥーテ「世界へ」

アーム(一人変なのいる……)

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