親から事実を知った私はすぐにあいつ…京介の部屋へと向かった。
一応ノックをする。
「入るよ?」
「…」
返事は無かった。うんともすんとも言わないので無言が了承のサインととらえて部屋に入ることにした。
部屋に入って京介の姿を見ると布団にくるまってひどく怯えていた。
「あんたどうしたの?!」
「別にどうもしてない。ほっといてくれ」
身体が震えてあきらかにいつもの調子ではないのに強がる様子を見せる。素直に頼ってくれればいいのに。
「あたしたちのこと全部聞いたよ。いろんなこと」
びくっ!と衝撃をうけ、さっきよりさらに身体が震えている。
「それを聞いてどう思った?俺は耐えられなかったよ。お前とどうやって接すればいいのか、親父とお袋に関してもそうだ。今までと変わらずに接するなんて無理だ」
「なんで?確かに血が繋がってないのはほんとだよ。をでもね、今まで10年以上一緒にいたのは事実だよ。一時は話さない時もあったし、その時はとっても辛かった。」
「…」
「今は話せてる。大好きなお兄ちゃんと…京介と話せれてる!本当に嬉しいの!」
「俺も話せるようになって良かったとは思ってる。だが、お前の人生相談が無かったら今こうしているはずもないと思ってる」
ショックだった。私たちが話せるようになったのはあの人生相談がきっかけだった。正直、相談に乗ってもらって嬉しかったし、今度も頼りたいと思った。少し頼りないがいつもの兄貴に戻った気がしたからだ。
でもそれを今否定された。
「そんな事言わないで!あの時いろんなことを手伝ってもらって嬉しかった!昔の頼れるお兄ちゃんに戻って嬉しかった!昔みたいに好きになってた」
「…俺はそんな気持ちには応えられないよ」
「なんで?血が繋がってないと分かっても妹だから?」
「そうだ。妹だからだ」
「…じゃあ気にしなくていいじゃん」
そう言ってわたしは京介の背後へと移動し、優しく抱き寄せた。
「私は京介のことが好き。今まではお兄ちゃんと分かっててこの気持ちを隠してたけど今は違う。男と女。この気持ちこたえてよ」
「お、お前マジで言ってんのか?!」
私の本音に驚いたようで心底びっくりした顔でこちらを見ている。
「キモイ!2度も言わない!」
「そっか…。俺も気持ちに蓋をしちゃいけないのかもな」
「え?」
「俺も桐乃のことが好きだよ。妹だからとか関係ない」
えっ?
まじ?
もうやばい。京介に好きって言われた?!しにそーなくらい恥ずかしい。
「あ、ありがとう…」
いつもみたいに京介の事をいじろうとしたが言葉が出ずに感謝の気持ちを伝えてしまう。
「これからよろしくな?」
「しかたないなぁー美人な桐乃様の彼氏になれるなんて感謝しなさい!」
「へいへい」
私たちはこうして付き合うことになった。
これからいろんな事があるだろう。
お互いの嫉妬によるケンカ。
醜い争い…。
これも含めて幸せな生活をおくりたいと思う。
大好きな人と一生共にしたい。
何か終わってしまいました。
これで一応完結です。
これからオリジナルの話を書くのでここで話を止めます。
書きたいと思った時にぼちぼち更新を再開する予定でいます。
それではさようなら!