俺が妹に距離を作るはずがない!   作:ЖセイキチЖ

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遅くなってすいません。
それではどうぞ。


第4話【事実】

私が下へ降りてく途中でいつもとは雰囲気の違う会話を聞いた。声の主はお母さんとお父さんである。この2人は娘の私から見ても仲が良いように見える。会話は基本少ないが話しているところを見るとほのぼのしてくる。だが、今はそんな雰囲気ではない。

 

「京介は大丈夫か?やっぱり話さない方がよかったのかもしれんな…」

「そんなことありませんよ。遅かれ早かれ伝えなければいけないことでしたからね」

 

やはりあいつがいつもと違うのは2人が関係してたのか。しかしどういう風に関係しているのかわからない。私も関わってるかもしれない。

それにしても、どうして何も無いと言って嘘をつくのだろう。素直に事実を教えてくれればいいのに。

ここで2人に詰め寄ってもおそらく何も答えて貰えない。ならしばらく聞いていよう。

会話を聞こうと思い、リビングへ繋がる扉にもたれかかって話を聞くことにした。

 

「だがな…。京介があそこまでうろたえるとは思っていなかったぞ。本人が大丈夫だといって俺達が気にしなかったのが悪かったのかもしれん」

「最初は京介も同じことを考えていたと思うわよ。でも物事を整理していくと納得出来ない部分が出てきたのかもね」

「そうかも、しれんな」

 

2人の会話を聞いていても結局何があったのか、言いたいのか全くわからない。

 

「京介と俺達3人が血が繋がってないと聞けば少なからずあの反応になってしまうのは仕方ないか」

 

血が繋がってない?京介?

私は全く理解出来なかった。

生まれてからずっと一緒だったと思っていたのに、その思い出は間違いだったの?まがい物だったの?

何がどうなっているのかわからない。

私はありえないという気持ちを持ちながらリビングへの扉を勢い良く開けた。

 

「お父さん?それってどういうこと?」

「桐乃?!なぜお前がそこにいる?!」

「飲み物取りに行こうとしたら重要な話してたっぽいからずっと聞いてたんだよ」

 

お父さんは私が盗み聞きしてたことに気付き心底びっくりしているようだ。

 

「全部聞いていたのか?」

「えぇ。すべて聞いたわ。本当にあいつは…兄貴は私たちと血が繋がってないの?!」

「あぁ。本当だ。京介とは血が繋がってない」

 

お父さんから事実を聞かされた時は本当にどういう反応をしたらいいかわからなかった。

悲しむべきなのか、それとも喜ぶべきなのか。どんな顔をすればいいのか、あいつとどんな風に接したらいいのか。余計にわからなくなってしまった。

 

「何で今まで黙ってて最近になってその事実を教えたの?」

 

事態に納得出来ない私は物事の経緯は聞くことにした。

 

「京介は高校生だからな。聞いても自分で整理がつくと思ったし、納得してくれると思ったんだ。だが、それは間違いだった。あいつの心に深い傷を負わせてしまった」

「だったら、これからもずっと言わなくてもよかったじゃない!」

「それではダメなんだよ。いつかは京介も自分の出生について気づくだろう。その時に知ってしまったらあいつは今以上にパニックになってしまう。それを避けるために最近になって伝えた」

「で、でも…」

 

私は心の中にある想いをなかなか口にすることは出来なかった。何と言ったらいいのか、自分だったらなんて声をかけてほしいのか。

 

「桐乃」

「なに?」

「血が繋がっていなくとも、事実上義兄弟だったとしても。俺と母さんは本当の兄弟のように育ててきた。それだけは覚えておいてくれ」

「でも私はどうしたら…」

「今まで通りでいいんじゃないのか?それが嫌なら今までの恩返しのつもりで相談に乗るのが手だと思う」

「そうね。お父さんの言う通りにするわ。それ以外したらいいことが思い浮かばないもの」

「わかった。京介を頼む。俺と母さんじゃ何ともならん。どうにか出来るのは桐乃、お前だけだ。よろしく頼む」

「任せておいて!いつものあいつに戻してみせるから!」

 

そう告げて私は2階にある京介の部屋へドタドタと足音をたてながら上っていった。




お久しぶりです。
話があまりまとまっていませんがいつもの事なのでご了承ください。
次回も楽しみにしていただけると幸いです。

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