艦これ&鋼鉄の咆哮【防空戦艦夜雨】〜夜空の防人と狩人〜   作:妖鵞夜雨

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こっちでは10月~ぶりですかね。お久しぶりでございます。妖鵞夜雨です。

16夏イベがモデルとかいいなが約1年立ってますが知りません。双子姫の恨みは深い。

あら伊13と伊14は所持してますのでそこは……はい。

(※それぞれ49,40レベルです。)


あ、ちなみに16夏イベがモデルですが内容は変わります。

鋼鉄ユーザーがお世話になったであろう船が出てくるかも?(ここ予定)


はい。とりあえず……アレですね。

イベント。頑張りましょう。

後輩提督(仮名)を教えながらやる予定なので事故りますけど大丈夫でしょう……大丈夫であってほしいです。


あ、話は変わりますけど護衛空母って1-5向けですよね。絶対。

瑞鳳が今その任務を行ってますけど2隻ローテになるので効率倍プッシュですね!(祥鳳?知らんな)

※完全無課金のため厳選厨をしています。


メンテナンスの間にチラッチラッして頂ければ幸いです。

……リアタイ内容書いてもあんまり意味がなさそうですけどまあいいか。

ほな、本編行きましょうか。


1-1-C 〜艦隊戦〜

???side

 

妙な胸騒ぎがする。

いつもなら何も無いこの海域。所属不明かつ超強力電波を発するunknown1隻。

 

「……長。艦長?」

 

航海長の声で我に帰る。

 

「……あぁ、すまない。考え事をしていた。もう意味度言ってくれ。」

 

「艦長らしく無いですよ。……で、その考え事とは''嫌な予感がする''ですか?」

 

「……君に隠し事は出来んな。その通りだ。護衛の艦娘もまだ若い。しかも水雷戦隊だ。航空機動部隊、戦艦を多数含んだ水上部隊にでも来られたら……って考えるとな。」

 

『逆探に反応!方位正面、距離不明!』

 

「……艦長。航海長として意見具申します。電探を回してください。1回だけでも構いません!」

 

「……よかろう。電探、1回だけまわせ。1回だけだぞ。」

 

「電探一回転作動。」

 

輝点が移動した。厳密には正面にいるはずの1隻が消えた。そして輝点が我が艦隊のすぐ横に移動していた。それも複数に増えて大型深海棲艦特有のレーダー波の揺れを伴う表示というおまけまで付いて。

 

「……嫌な予感とは当たるもんだな。艦娘に連絡。…いずも他数隻と共に退避させよ。」

 

 

CICの中の視線がすべて集まる。マジかよ。

 

「艦長?!何を!」

 

「…艦娘(あいつら)を護るんだよ。そうじゃなきゃ仮に深海棲艦との戦闘後まで残ったとしてもデカイ不明艦に喰われるぞ!そもそも残れるかの方が怪しい規模だ。」

 

「艦長、それは無茶です!」

 

「無茶でもやらなければならないのだ!……嫌なら今すぐ降りろ。許可する。」

 

「艦長?!」

 

「……なら降りさせてもらうヨ。コンなことなんテやってられないニ。シシシ……」

 

この一言でCICの空気が凍りついた。

 

ーーーーー

夜雨side

 

 

「接触まで推定後10分程度!」

 

「機関増速。CICより飛行甲板上の川内さん、一応中継着弾観測の用意をお願いします。インカムの使い方わかりますよね?」

 

「バッチリ!」

 

「おkです。警戒態勢!指示があるまで持ち場で点検、待機せよ。艦娘の皆さんを招集。艤装を点検し何時でも出撃できるようにしてください。」

 

AFKの文字の書かれた旗…通称アホか旗が掲げられる。

 

正式には『Away From Keyboard』。

パソコンなどの前から離れてますよという意味らしい。

 

人によってはROMと言った方が通じる可能性もあるが……。

 

これを装備していると何故か修理中に無人浮遊船として処理されるため攻撃されない(されても無傷で済む)ことがあるらしい。

 

……何故AFKが選ばれたのかは未だに謎である。

 

(弾薬20%増加のECO旗も捨て難いが無限装填装置を積んでると空気どころか意味をなさないとかそんな研究ありましたね……)

 

 

「こちら川内。夜間偵察機の接触を確認。正面の艦隊は味方!側方から突撃してきているのが敵!」

 

「了解!総員戦闘態勢!全速前進で50km以内に入り次第砲撃開始!」

 

船体が揺れて一気にトップスピードまで加速し艦隊集団との距離を詰める。

 

 

ーーーーー

???side

 

CICの出入口から近いところに立っていた男がツカツカと艦長席の前に立つ

 

「こんな船と一緒二沈むなんて嫌だネ。我々の祖国の戦闘艦ならまだわかる二。それに比べてこんなちっぽけで安い船、そんな船に元々乗りたくて乗っ……」

 

艦長の拳が飛んだ。しかも若干しゃがみこんでの踏み込み加速のついた拳だ。そして襟元に手を伸ばし引き寄せ、持ち上げる。

 

「…!か、艦長!落ち着いて下さい!」

「艦長?!鉄拳制裁は無しですよ!」

 

 

「…俺は至って冷静だ。…おい貴様。もう一回言ってみろ。艦娘(あいつら)だって怖いという感情を必死に押し殺して俺らの代わりに海の平和を守ってくれてんだぞ!それすら分からねぇか?あ?」

 

「わからないネ。わかる気もないシ、あんなロボット兵器の事をわかりたくもないニ。大人しく暖かい布団ノ上で慰安婦に……」

 

艦橋の雰囲気が殺意に塗り替えられるほどの覇気と共に艦長怒りの拳が顔面にめり込んだ。

 

CICの壁に腰の入った左アッパーで叩きつる。

 

馬鹿でも『強攻撃が来る』とわかるようなオーバーモーションのバックスイングをとり、腰の捻りとダメ押しの踏み込みを加えた破壊力抜群のストレートが男の顔面に吸い込まれた。

 

壁と拳に顔が挟まれ歪み、鮮血がモニターに飛ぶ。

 

CICの壁が男の後頭部の形に凹んでがっちりホールドしているために左右に首を振ったり、しゃがんだりして逃げられない。

 

左右二つの拳を六砲身バルカン砲の如く叩き込む。

 

「艦長!落ち着いてください!もうコイツのライフはゼロですよ!というか、失神して失禁してます!オーバーキルですよ!」

 

3人がかりで押さえつけられてようやく俺は拳を握る手の力を解いた。

 

「……誰でもいい。……扉際のお前。コイツをCICから叩き出せ。そして海に捨てろ。艦長命令だ!!」

 

「ヒッ……り、了解しました。ただ今!」

 

呼ばれた男がビビりながら顔のえぐれた血肉の塊を運び出す。後続の者はまるで汚いものを触るかの如く鮮血の飛び散った肉の破片をビニール袋に入れていく。

 

「……で、他の者は?」

 

静寂。誰も答えない。ぶん殴られる事を恐れているのか、それとも答える必要が無いということか。

 

「……他の者は?」

 

扉がゆっくりと開く音により静寂が消えた。

 

「…あぁ…皆すまん…見苦しいところを見せてしまったな。正直俺もあんな事はしたくなかった。すまない。」

 

血腥い手で帽子を深くかぶり直す。

 

1人の男が前にでる。

 

「……俺は艦長について行きますよ。艦長に幾度となく窮地を救われた。そして今、俺は艦長を止めなかった。止めれなかったではなく『止めなかった』。……それだけでついて行くには十分過ぎる理由ですよね?立派な共犯者ですから。」

 

「…俺もついていきます。護衛艦はましま(こいつ)は俺の家ですから」

 

「俺もです。艦長、地の果てまでお供致します。」

 

「俺は愛しの嫁さんと息子と娘、親父を深海棲艦に殺された。帰る家はねぇ。ぶっ壊されてんだ。気にすんな!みんな天国で待ってる。」

 

「……ぼ、僕も新入りですが、精一杯お供します!」

 

 

「……皆すまん……。通信回線開け。……あー。緊急事態だから前置き無しで要件だけ話す。深海棲艦の大艦隊接近中。'いずも'ほか数隻は退避せよ。艦娘は進行方向左側に直進するように魚雷発射後、'いずも'ほか数隻を護衛し離脱せよ。本艦及び残存艦艇は撤退支援をする。拒否権は無い。以上。該当艦は右回頭75度!」

 

艦娘が進行方向左側に魚雷を放ち全通式飛行甲板を持つヘリ空母の異名を持つヘリ搭載型護衛艦いずもを中心とした輪形陣形を組み直す。

 

 

「急ぎ全速離脱せよ!!!…………すまん。皆……」

 

『了解、機関全速離脱』

 

煙突から灰色の排煙をあげて離脱していくのを見送った。

 

 

 

 

「……さて、砲雷長。一仕事と行こうか。総員戦闘態勢。」

 

 

それに応呼するようにガスタービンエンジンが甲高く吠えた。

 

ーーーー

 

夜雨side

 

「……把握した……。」

 

うたた寝していた鈴奈をゆすり起こして状況を説明。

(無能なゲフンゲフン)副長がお休みになっていたため仕方なく、ね。

 

「当直夜勤が始まって早々ごめん。今は鈴奈ちゃんが臨時副長になるけど…艦娘の皆さんのことを任せても大丈夫?」

 

「……大丈夫……今さっき……しっかり寝た……いける……。」

 

 

 

鈴奈の端末と副長席のコンソールボックスを物理回線を繋ぐと鈴奈の周りの空中に薄緑色のウインドウが複数開いた。

 

「……コネクト……システム……オール……グリーン……感度良好……セットアップ……完了……おっけー……。」

 

「了解。艦娘は艤装を装着し飛行甲下格納庫前に集合待機。緊急時マニュアルαに従い夜間戦闘で味方艦隊を救助します。第1水雷戦隊旗艦は阿武隈、第二水雷戦隊旗艦は神通、第三水雷戦隊旗艦は川内とし、指示があるまで待機せよ。敵艦は戦艦級3以上、巡洋艦級15以上、駆逐級50以上の集団につき注意されたし。以上」

 

『川内了解!『川内うるさい!!!!』うるせぇ空母は黙ってて!』

 

川内の声に割り込んできたのは…うーん…誰でしょうか……多分瑞鶴かな……?w

 

「……防壁……ステルスモード……電探……動作……開始……」

 

鈴奈が空中に浮いたウインドウ型キーボードを叩き始める

 

「防壁ステルス起動。及び電探作動を確認。……味方艦隊二分しました!大部分が離脱に入ったようです。敵艦艇との距離30km!我々との距離95km!想定接触まで後少し!」

 

淡い青紫色の防壁が船を包み込み電波の波を打ち消す。

 

「了解。機関全速前進!総員何かに捕まって!」

 

「……タービンブースト……スタート……」

 

大容量蓄電池からの上乗せを受けた核融合炉からの電気エネルギーが電磁水流推進装置をぶん回す。

 

大量の熱を発するのと機材に無理をさせてしまうため長時間連続作動は出来ない。だが、強力な冷却装置により一応レボルバーのように連発する事が可能である。

 

爆発的加速を得た艦は洋上を駆け抜ける。

 

「主砲有効射程まで後1分30秒!」

 

「前部AGS及び2.3番主砲、撃ち方よーい!主砲弾種、対地上目標用【広範囲灼熱拡散榴弾】。AGS弾種対艦用誘導砲弾!目標、複縦陣中央付近のバラケてる駆逐艦!」

 

加速乱発による電力不足状態なので半油圧半電動作動モードでの砲塔旋回になった。

 

「くっ…………」

 

軽快とは程遠い首振り。2、3番砲塔が仰角を取り終えると同時にAGSが砲身を振り上げ角度を標的と合わせる。

 

 

鈴奈「……電力……不足……」

 

夜雨「バッテリーもヤバイですね……補助機(ガスタービンエンジン)も回っているのでなんとも……」

 

鈴奈「……了解……頑張って節電……する…………目標補足……ロックオン……確認……」

 

 

 

「戦闘開始。主砲、斉射用意……撃ち方ーっ!始めっ!」

 

「……撃ちぃ方ぁ……始め……。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

????side

 

「全艦トマホーク及びハープーン、攻撃始め!!」

 

VLSが全て開き対艦ミサイルが逐次打ち上げられて次々と深海棲艦に降り注ぐ。

が、駆逐艦と小型軽巡洋艦クラスにしか有効打が与えられない。

 

それでも数隻程を血祭りにするなら十分過ぎる火力だ。

 

深海棲艦もリ級重巡洋艦や何処からか追加で湧いてきたル級高速戦艦、タ級重装甲戦艦をミサイル吸引の盾にしつつ突撃する。

 

「ハープーン、残団残りわずか!」

「トマホーク、残弾0!」

 

 

「くっ…『砲弾接近!弾着まで5!』取り舵一杯!!」

 

ル級とタ級の14inch(≒約35.56cm)砲弾が至近で水面を揺らす

 

 

「…目標イ級駆逐艦、有効射程圏内!」

 

「目標、正面イ級駆逐艦、主砲、うちぃーかたぁー始めっ!」

 

「撃ちぃ方ぁ始めっ!!」

 

砲雷長が速射砲のトリガーを握り込む。

 

それに合わせて3門の5inch速射砲が次々と火を吹きイ級駆逐艦の艦橋から魚雷発射管等の上部構造物を纏めて焼き払い、誘爆した魚雷により吹き飛ばす。

 

 

随伴艦のお返しと言わんばかりに巡洋艦からの集中砲火を先頭のイージス艦に浴びせる。

 

「先頭艦しらなみ、大破炎上中!主機出力低下により戦列を離れます!」

 

「主機増速、おもーかーじ!」

 

先頭のしらなみの脇をほぼ全速力ですり抜けた時、不気味な音とともにコンソールが火花を散らす。

 

「被害報告!」

 

「リ級の至近弾!右舷フェーズドアレイレーダー使用不可能!物理損傷につき復旧不可能です!」

 

「主砲砲身冷却中!」

 

「後続のはやぶさ型高速ミサイル艇'いぬわし' 及び 'うぐいす'爆散!残存艦艇は我が艦を含めて大破漂流中の'しらなみ'、大炎上中の'しきしま'、伊号高速水雷艇1隻、十三水雷艇1隻の計5隻です!」

 

 

「クソッ……撃てるもんは機関銃だろうが拳銃だろうがRPGだろうがなんだろうが撃ちまく……」

 

衝撃ともにCIC艦橋員が床に叩きつけられる。

 

「ひ、被害報告!ダメージコントロール!!」

 

「艦橋に直撃弾!艦橋大破!浸水発生!主機出力低下!されど航行程度なら支障なし!」

 

「意地でも脚は止めるな!反転離脱するぞ!取り舵一杯!最大戦速!」

 

「重巡クラスが発砲!ダメです!間に合いません!」

 

衝撃で大半の者が椅子ごと地面に叩きつけられた。

 

大部分の液晶モニタが割れたりヒビが入ったりして使えなくなってしまったが、まだ何とかなりそうだ……。

 

「クソッ……ダメージコントロール!被害状況知らせ!」

 

『飛行甲板及び航空艦橋に被弾!火災発生!後部主砲沈黙!『消火急げ!衛生班来てくれー!』』エンジン一機停止!残り一機破損!振り切れません!』

 

 

「クソッ……まだ手はある!落ち着いてダメージコントロールをしろ!手が足りなければ俺もやる!」

 

へしゃげて自動で動かなくなったCICの扉の隙間からどうにか抜け出し、足首の上まで海水に浸かりながらも壁伝いに救急箱を取りに医務室に行く。

 

『艦長、敵機来襲!!!!』

 

 

「なっ?!」

 

終わった……主砲も使えず、Clwsも根こそぎ吹き飛ばされてるこの状況で夜間攻撃機に対抗できるの手はもう無い……

 

「総員退艦せよ!!!最上甲板へ急げ!怪我をして動けない者を動ける者は引っ張っていけ!お前ら、俺に掴まれ。」

 

 

 

…ぐお……流石に三人担ぐのは厳しい……腰まで海水が登ってきてやがる……くそ……階段が辛い……。

 

1段1段フラフラしながら登っていく。

 

……後少しで外だ……お前らもう少しだぞ……頑張れよ……

 

突如発生した強風が艦を揺する。

 

バランスを崩した俺はその場で尻餅を付いた。

 

 

「か、艦長!大丈夫ですか?!……あ、敵艦隊中央付近で火球発生!敵艦の一部に大火災発生中!」

 

「大丈夫だ……とりあえず手を貸してくれ。」

 

 

「とりあえず艦娘、先にお上がり下さい。負傷者3人は私が甲板に引っ張りあげます!」

 

「了解、頼むぞ!!」

 

 

突然の敵艦隊の爆発。

 

一体何が起こってやがる……!

 

ーーーーー

夜雨side

 

「……初弾……至近弾…弾種的には……命中…」

 

 

夜雨の放った合計4発の砲弾は艦隊中央付近の海面で炸裂した。

 

火薬と酸化剤、燃焼剤が混ざり合い化学反応を起こし大爆発。その時に発生した莫大なエネルギーを横方向に超高温の爆風として解放する。

 

灼熱の爆風は着弾点からほど近い駆逐艦数隻や巡洋艦魚雷を炙り、炸裂させる。

 

飛び散った燃焼剤などは海水よりも軽く海面を薄い膜のように流れる。

 

そこに引火し灼熱地獄が生成され昼間のように敵艦を照らす。

 

そこに突っ込んだ深海棲艦は魚雷の誘爆を恐れて投棄、破棄を余儀なくされる。

 

戦艦に効果的なダメージを与えられる魚雷が無い水雷戦隊など、さほど脅威でもない。

 

それに続いて280mmの流星群が巡洋艦の砲塔天板や艦橋目掛けて突き刺さる。

 

 

「AGSは射撃を継続。浮いてる敵艦に片っ端から撃ち込んで!Clwsと高角速射砲は夜間攻撃機に集中!射程に入り次第自由射撃!」

 

 

 

「……艦長。敵艦隊の一部が回頭、こちらに艦首を向け始めています」

 

「取り舵25。分離した艦隊をβ、戦艦を含む元の艦隊をαと呼称します。4.5番主砲はβ郡。弾種通常弾及び徹甲榴弾!2.3番主砲、α郡に通常榴弾で交互射撃!広角速射砲及びCIWSは銭勘定しながら殺っちゃってください。各個、攻撃開始!」

 

 

「……取り舵……25……各個目標…攻撃……始め…」

 

電探で距離を測り一番近い敵から順番に砲弾を浴びせる。

 

 

敵戦艦の主砲が弾け飛ぶのを確認したと同時に船を回す。

 

機関減速旋回(サイドキック)!カタパルト下げ角最大。艦娘水雷艦隊、発進用意。」

 

「……サイドキック……急減速……機関微速……」

 

スクリューの可変ピッチと推進装置の逆噴射で艦が急減速してふらつき、ドリフト態勢になる。

 

『第一~第三艦隊、出撃用意完了。』

 

「カタパルト下げ角最大。総員発進してください!」

 

『了解、s『やったあぁぁ!夜戦だぁぁ!!』……川内、五月蝿ぁい!』

 

カタパルトから次々と艦娘が滑り降り、海面を走る。

 

『……第2水雷戦隊、突撃用意』

 

『第三水雷戦隊、夜間砲雷撃戦用意!』

 

『第一水雷戦隊のみ、皆さぁん!したがってくださぁーいー!』

 

「それにしても、よく艦載機用カタパルトを発進用スロープ代わりにするなんて思いついたわね…流石(すず)ちゃん」

 

「……褒めても……何も……出ない……」

 

「夜雨から第2、第3水雷戦隊旗艦へ。敵艦の位置を送る。効果的に敵艦隊を殲滅せよ。臨時第1水雷戦隊は味方艦隊を護衛及び漂流者を確実に保護救出せよ!支援砲火は私がやります。」

 

『第二水雷戦隊旗艦、神通、行きます!』

 

『第三水雷戦隊旗艦、川内了解!』

 

『り、臨時第1水雷戦隊旗艦、阿武隈。ご期待に応えます!』

 

海面に滑り降り、着水。システムの正常作動を確認しつつ海面を駆け抜ける。

「充分に艦娘艦隊が離脱したのを確認して増速60knot。……さて。お仕事ですよ。『陸戦隊の隊長さん?』」

 

「………………指揮権……貰うよ……。」

 

 

「おねがいしまーす。」

 

ーーーーーー

 

 

『敵残存艦隊、撤退していきます』

 

「……夜があけましたね。深追いは厳禁ですね。味方艦隊との合流を急ぎましょう。鈴ちゃん、お疲れ様。ありがとう。」

 

鈴奈「……うん……戦闘態勢解除……用具収め……」

 

「漂流者を救助後、一旦帰投して補給をしてください。その後航行不可能状態の護衛艦三隻を曳航して行きましょう。戦闘態勢解除、輪形陣にて警戒態勢を維持。皆さんお疲れ様でした。そしてありがとうございます。……深淵、発艦用意完了次第発艦をお願いします。」

 

 

 

 

……結果から言うとこの戦いは離脱しなかった護衛艦はほぼ壊滅状態。

 

夜雨とそこから発進した18名は小破かそれ未満のダメージしか受けなかった。

 

護衛艦組は深海棲艦に対して大敗状態、艦娘組は快勝といった感じであろう。

 

しかし、戦術的には大きな転換点となったであろう。

 

それは『照明弾』や『探照灯』を一切使わない戦い方で『一方的な勝利』をしたことである。

 

それまでの戦い方では『艦娘母艦』や『艦娘輸送艦』なりの『艦娘以外の味方艦』……所謂『艦娘支援艦』を巻き込まないようにその周りで戦うことは無かった。

 

極力離れた位置で戦うため『艦娘支援艦』が不意打ち奇襲を受けて艦娘と連絡が取れなくなり回収部隊の編成、部隊壊滅、最悪全員ロストとなることも稀にあった。

 

また、攻撃面でもイージス艦や護衛艦と比べて電探の性能が著しく低いため早期発見も希にしかできず、出来たとしても遠距離からの『電探射撃』を行うにも『観測者』を必要とした。

 

そして艦娘と艦娘支援艦が簡易的な『情報網』……つまり、声や手旗で連絡を取り合うことはあっても無線で連絡を取り合いながら戦うことも無かった。

 

艦娘同士が無線で連絡を取り合ってる為、艦娘支援艦も出来るのでは?と、研究は行われているのだがことごとく失敗に終わっている。

 

 

……要約するなら『個人の特技だけをいかした個人プレイの勝利』から『弱点を補い合う形での個人の特技をいかした連携プレイの勝利』に変わったのである。

 

 

後日談だが、『レベルの低い艦娘』を使って原則禁止の特攻輸送を行ったことが上層部にバレその提督は、即解雇&刑罰を受けることになった。

 

しかし、大部分の報道陣が後日報道で『レベルの低い』という部分をひた隠しにして『艦娘が手を抜いた』だの『艦娘が悪い』だの色々物言いを大々的に付けて『この件を不当である』と、してしまった。

 

それに対して大本営は『正しい』発表をしたのだが、大部分の報道陣がそれを『否定せず、嘘の発表をした』と、した。

 

それらはまた別のお話である。

ーーーーーーー

 

以下は戦闘資料である。

 

ーーーーーーー

この戦いでの喪失艦/損傷艦

 

・護衛艦(イージス艦、ヘリコプター搭載護衛艦等を含む)

 

【轟沈】

あなご

くらま

さわかぜ

たちかぜ

しまゆき

はたゆき

はまぎり

とりがら

あさひ

あかね

すみれ

けし

 

・高速ミサイル挺

いぬわし

うぐいす

すずめ

はと

からす

 

・高速水雷艇

無し

 

【自力航行不能】

 

・護衛艦

きりなみ

しらなみ

はましま

 

・高速ミサイル艇

無し

 

・高速水雷艇

伊号水雷艇-ハヤブサマル

 

【自力航行可能(無傷も含む)】

・護衛艦

無し

・高速ミサイル艇

無し

・高速水雷艇

第十三号水雷艇(艦橋大破されど航行に影響無し)

 

&退避組

 

【艦娘】

 

小破……阿武隈、神通、夕立、夜雨。

 

中破以上……無し

 

 

・戦闘時間-様式

夜-夜明け(夜戦)-不意打ち乱戦(T字不利)

 

・勝利判定

A勝利。ただし、我が国の保有する護衛艦のうち約半数を損失。戦死者も数多いが迅速な救助対応等が功を奏し被害は限定的なものになっている。

 

・わかりやすく艦娘式で表すなら?

 

旗艦夜雨の不意打ち連続連撃と範囲攻撃で戦艦と巡洋艦と駆逐艦がそれぞれ中破、大破、撃沈。

 

その後、残存敵艦艇を艦娘が囲んでゲリラ戦の如く各個撃破していく。

 

夜明けと共に深海棲艦は逃亡したため戦闘終了。

ーーーーーーーー




はい。

えー。本編の下書きを書き上げ終わったのは11月頭なんですよね……去年の……。

CFA氏や正憲氏とのコラボ編とか書いたりゲームしたりゲームしたりゲームしたりしていたので(以下略)

遅くなりました。すいません許してください。
あ、なんにもしませんよ?

今後の予定ですが

・艦これ初心者(ど素人)に送る提督業のススメ
〜完全無課金の厳選厨に習え【一年目の軌跡】〜 

※(姉t、弟t、作者が主催予定。タイトルも予定)1-2-3(多分内容的に4-5ぐらいまで行く予定。決まってるのはジャンクヤード送りである、内容的には建造、開発などの基礎基本から『効率の良いスタートダッシュ』や『陣形の罠』、『イベントの心得』等を書くことだけです。)

とか、やります(宣言)


楽しみにしないで待ってくださいね。真面目にやりますけどwww

ではでは。


【追記記録-誤字脱字記録表】





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