綯「倫ちゃん!」岡部「なんだ?」   作:月明

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鈴羽「おっはー!作者代理の鈴羽だよー!」

鈴羽「プロローグだね!」

鈴羽「既にタイトルからしてプロローグじゃないんだけど…なんでだろ?」

鈴羽「短いけど読んでってねー!」


完全乖離のセパレート

2000年問題。2000年某日に発生した大災害だ。

 

コンピュータのバグが原因で事件・事故等が乱発した。

 

99が100になる際に三桁目が表示できず、00になりオーバーフローする。

 

なんて事は当時の俺は知ったことではなかった。

 

そもそも2000年以前に俺と同い年でまともなPCに触ったことがある奴はいるんだろうか?

 

少なくとも俺はパソコンなんてものがなんなのかもよく知らなかった。

 

 

 

1999年の年末。

 

当時の俺は何の因果か熱を出してしまった。

 

とは言っても大した熱ではなく、一晩寝れば十分に治ると思われる程度の微熱だった。

 

一応大事をとり、幼馴染や近所の友人と遊ぶのを禁止され子供ながらに世の中の理不尽さを嘆いてみたものだ。

 

だが、そんなものは理不尽の『り』の字すらなかった。

 

その日、神の気紛れかなにかはわからないが、俺の遠方の親戚が亡くなったらしい。

 

両親は俺のことを気にしつつも、近所に住む幼馴染の家族に俺を任せ出かけていった。

 

まったく…我が親ながらなんて非常識なんだ。

 

普通に考えれば片方だけでも残すべきだったんじゃないか?なんてことを今は思うが、当時は幼馴染と遊べるかもしれないことに、心を弾ませていたものだ。

 

もし当時にまで戻れるなら、俺は過去の自分に言いたい。

 

『なぜ止めなかった』と。

 

『なぜ考えなかった』と。

 

自分とはいえ子供に対して酷なことを言ってるんだろうか俺は。言えることは無いが。

 

実際一晩で治った俺は、両親を待ちながら幼馴染と遊んでいた。

 

親はいつ帰ってくるんだろうか。お年玉はいくらだろうか。なんて微笑ましい会話をしていた気がする。

 

テレビでは2000年問題のニュースもやっていた。99が00になるなんて言われても全く意味はわからなかった。99の次は100だろ?なんて子供みたいな事を…当時は子供だな。

 

夜、どこかから電話が来たようで幼馴染の保護者がそれを受け取っていた。

 

電話が終わると、俺に衝撃的なことを告げてきた。

 

そう、それが俺にとっての『理不尽』。

 

両親が死んだという知らせだった。

 

世界が静止し、回り始め、二重に乖離し、そして暗転した。

 

 

 

 

2000年問題。

 

2000年某日に起こったそれは俺にとって関係の無い話だった。

 

なぜなら、俺の両親の死因はそれとは関係なく、平和な日本での突然の自爆テロ。

 

両親が乗っていた航空機がそれによって爆散した。

 

ただそれだけ。そう、ただそれだけのことだったのだ。

 

俺の世界は全てが他と乖離している。そう理解したのは2015年。とある女性にダイバージェンスメーターをもらってからだった。




鈴羽「お疲れー!作者代理の鈴羽だよー!」

鈴羽「これはー誰の視点なのかな?ってオカリンおじさんに決まってるよねー」

鈴羽「ありゃ?私ネタバレしちゃった?…多少は仕方ないよ!」

鈴羽「オーキードーキー!」

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