シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器 作:t-eureca
ぷれぷれぷれあです! 第1話
『完全なる狂騒』・・・使用すればアンデッドのみに精神系魔法が効くようになるというアイテム。これは耐性のあるアンデッドは愚か
勿論ナザリックにも大量に秘蔵されてある。
アインズは頭を抱えていた。その様子も普段の冷静な彼らしくない程震えている。
『待て!待て待て待て待て!!待てよ、もっと冷静に思い出すんだ!』
『きっかけは宝物殿で見つけたこのアイテムがきっかけ、アンデッドには元々精神系魔法が効かなくなるという種族特性がある。そんな特性を無効化するのがこの完全なる狂騒…!けどアンデッドにしか効かないわ、そもそも使い道が無いわで俺も使っていなかったんだけど……』
手に持っているその『完全なる狂騒』に視線を移す。パーティー用のクラッカーの様な形状にふざけた顔をした金色の像が出ていた。この像が出ているのはアイテムが発動したという意味である。
つまり……。
『まさかよりによって自分に使ってしまうなんて!何時もなら強制的に安定する精神がそのまま!?久しぶりにテンパってるこの感覚!この感覚が普通なんだよぉ!!?』
そうアインズは誤って使ってしまったのだ。そのおかげでアインズとしての精神ではなく、元の鈴木悟の精神に戻っているのだ。
『いきなり異世界に飛ばされて"まずは状況を把握だ(キリッ)"とか!俺、冷静!冷静すぎ!!まさかこんなにテンパっちゃうものだとは……!』
そしてアインズは何を思ったのか傍らに会った手鏡を持って自分の顔を写す。すると……。
『のわあぁ!怖い!!この骸骨怖い!!!自分だとわかっていても怖すぎる……!!!!』
自分の顔なのに大きく絶叫するアインズ。そこに扉をノックする音が鳴った後、マシンナーの声が聞こえた。
「アインズ、来たぞ?」
『ま、マシンナーさん!どうしよう、せめてマシンナーさんには言った方が良いよな……』
アイテムの事をマシンナーに打ち明けようかと悩んでいると、アインズの返事が無いため不思議に思いながらマシンナーはドアノブを握る。
「……アインズ?入るぞ?」
「あ、ちょっと待てマシンナー…うわ厳つ!!」
「そんなに驚いてどうしたんすか一体?なんかいつもと様子がおかしいですけど?ん?」
アインズの制止の言葉を出す前にマシンナーが中に入る。
長年の付き合いからかアインズの様子がいつもと少し違うのを感じたマシンナーは丁度アインズの真下に落ちてある完全なる狂騒を見つける。
「あれ完全なる狂騒じゃんか、なんでこんなところに?しかももう使われてる……」
既に使用状態である完全なる狂騒と今のアインズを見てマシンナーはまさかと思いながらアインズに話しかける。
「え?モモンガさんもしかして……」
「あー……その」
アインズは先程の経緯をマシンナーに打ち明ける。
説明を終えるとすぐにマシンナーから強烈なツッコミが入った。
『何やってんのアンタ!!?』
「うわ!声デカ!」
思わずアインズに怒号を上げるマシンナー。
ユグドラシルならまだしも何が起こるかわからない異世界でアドバンテージの一つである精神系魔法の耐性が制限時間付きとはいえ無くなってしまったのである。
マシンナーが叫ぶのも無理はない。
「この状況で不味いですよモモンガさん!今のモモンガさんの状態でヤバい精神系の魔法使われたら滅茶苦茶不味いですよ!」
「それぐらいわかってますよ!ああ、まさか自分に使う事になってしまうなんて…」
「幸い時間制ですからじきに効果は消えるでしょうが、その間に何が起こるかもわかりませんからね…」
「ええ、自分の顔でも見たら驚いてしまいますし…」
「え?自分の顔でしょ?ほら」
マシンナーはアインズに手鏡で顔を写すとアインズは自分で見た時と同じ反応をした。
「きゃああぁ!!?」
「まじっすか…!まさか宴会用のアイテムがある意味
「いや、よくよく考えるとそうなる可能性は充分ありますよ、現に今俺はこの有様だし…!」
この出来事に思わず頭を抱える2人、その時、外で部屋の扉に近づく者がいた。
「どうかなさいましたかアインズ様?」
アインズ達の様子を心配したのか扉の外からのアルベドの声に頭を抱えていた状態から我に返る2人。
『こ、この声は!』
『不味い、アルベドだ!』
『ヤバいっすよ、いきなり一番警戒しなきゃいけない人来ましたよ!』
『わかってますよ、主としてこの様な失態見せるわけにはいきませんよ…!でもどうしよう、アイテムの事素直に言うべきか…』
『逆に事態がヤバくなる可能性が高確率出てるので止めた方が良いですよ!』
『た、確かに…!"ついうっかりアイテムを使って落ち着きが無くなってますぅ~(テヘペロ)"ってそんな主どうなのよって話ですよね…』
『いやなんすかテヘペロって…』
『とにかく何か思惑あるように上手く騙さなくっちゃ…!!』
「御返事がない?……もしやアインズ様達の身に何か!?」
そういうとアルベドは扉を豪快に爆破しながら部屋に突入して来た。
「何かございましたか!!?」
「うぉっほう!」
(え~…何もいきなり扉爆破する~?)
そんな登場に思わず声を上げるアインズと心の中でツッコミを入れるマシンナーという対照的な反応する2人。
「うぉっほう?」
「あ、いや上の方と言ったのだ、上の方の状況はどうなってるかと思ってな…な?マシンナー?」
「ん?、ああ、そうだな、何が起こってもおかしくはないしな(今実際起こってるんだけどね)」
「何時も私たちの事をお考えに…!このアルベド改めて心服いたしました…!」
そういうと各階層の守護者達の事を話すアルベドとその話を聞くマシンナーだったがアインズは一人違う事を考えていた。
(ご、ごまかせたかな?アルベドの他の守護者達の中でも断トツだ。まあそれは俺がアルベドのビッチ設定を俺を愛してる設定に変えたからなんだけど…普通の感覚で見てみると……美人すぎだろ!可愛くて美人でしかもビッチだなんて…!俺がアンデッドじゃなかったら即堕ちちゃうよ、難しい感じの方ね!)
(ちなみに俺はもうシズに即堕ちですけどね)
「?大丈夫ですか?アインズ様?」
「いや、こうして見ると『美人』だなって…」
「ちょっー!?」
アインズの思わぬ言葉に叫ぶマシンナーとそれを聞いて稲妻が走るアルベド。
「…!今!なんとおっしゃいましたか……!」
(モモンガさーん!?)
「あ!やば!別に何も…」
思わず言ってしまった言葉をすぐに訂正しようとするが時すでに遅し。
「いえ!わたくし耳はかな~り良いほうで!今確かに美人だなって…キャー!!!」
狂喜乱舞するアルベドを尻目にマシンナーはアインズの方を向き、ツッコミをぶちかました。
〈何自分から特大の墓穴掘ってんの!?そんなに死にたいんですか!?〉
〈 つ、ついうっかり…!って俺もう死んでるんですけど…〉
漫才をしている最中にいまだ暴走しているアルベドを落ち着かせようと2人はアルベドに声をかける。
「お、落ち着くのだアルベドよ!」
「そ、そうだ落ち着くのだアルベド!」
「はいアインズ様!式の準備ですか?それとも子作り?わたくし何時でも準備は出来ております!!あ、マシンナー様!マシンナー様がよろしければ是非私たちの式の仲人を…!ああ遂にこの時が……!」
『駄目だー!!?』
『自分から墓穴掘って全力でダイブするってスタイルですねわかります』
アルベド「タイトルは『アイアイアインズ様♥』」
アインズ「違うぞ?」
マシンナー「だが語呂は良いな」
アインズ「おい!」