シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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お待たせして申し訳ございません。リアルで色々と忙しく更新できませんでした(;´Д`)
あまり良い内容ではございませんがどうかお目通しいただければ幸いです。


第65話 謎の兵器

巨人はその剛腕をレイヴンに向けて勢いよく振り下ろす

 

「あぶな!うらぁ!!」

 

レイブンはそれを回避して後方に下がって巨人を解析し始める。

 

「…!!これは…」

 

生々しい外見をした巨人の内部には人工筋肉と配線、電子機器が内蔵されてるのを確認するレイブンはこの間の改造人間と同じような存在だと確信した。

 

(体内に動力炉!!この配列…まさか…!!)

 

巨人は足を上げてレイヴンを踏み潰そうとする

 

「(考えるのは後か)やれやれでっけぇなクソ!」

 

脚による踏み付けを回避して右足首に斬艦刀で切りかかる。

 

 

「マグノリア、ワーカーの二人を避難させとけ!!」

 

「…了…解…」

 

指示を聞いたシズは二人を抱えて森の奥に入って行く。

巨人は左足で蹴り上げようとする

 

「さてと…ぶった切るとしますか…」

 

「GRAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

 

レイブンは回避をして右ひざに向けて先程よりも勢いのある剣戟を叩き込む。

 

「チェストぉ!!」

 

そのまま右膝から下を断ち切り巨人は転倒する。

倒れた巨人は切られた自分の脚を持ち切られた個所にくっつけると、徐々に修復していき完全に繋がった。

 

「!!」

 

「マジか…」

 

巨人は力任せに腕を豪快に振るいレイヴンに叩きつけ大きく吹っ飛ばす。

木々を壊しながら吹っ飛ばされたレイヴンは立ち上がり巨人に向かって走り出す。

 

「いってぇ…」

 

「たく…しょうがねぇちょっと力入れますか!!光熱化!!」

 

 

 

『!?』

 

「焼き潰しちまえば問題ねぇだろ?」

 

『GRAAAAAAAAAAAA!!』

 

「うォオオおお!!」

 

『GOAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』

 

「じゃあ…そこで…隠れて…て……」

 

「わ、わかったわ…」

 

「…ん」

 

「あ、ちょっと待って!」

 

「ん…?」

 

「助けてくれてありがとう…」

 

「……ん」

 

マグノリアはそのままレイヴンの所に向かう。

レイブンの元に向かうとクロスボウの矢を爆発のスキルを付与した矢を装填し狙いを定め発射する。

 

「目標捕捉…発射」

 

「ん?」

 

シズの放った矢は頭部に命中し爆発するが巨人の表皮を吹き飛ばし金属の骨格が露出していた。

 

『GRAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』

 

表皮を再生させながら今度はシズに拳を振り下ろすが難なく回避される。マグノリアはそのままレイヴンの元に向かう。

 

「シズ…」

 

「状…況……」

 

「巨体とパワーは厄介だがそれだけ…」

 

『GAAA…』

 

「what?」

 

「…!!」

 

巨人の両肩から粒子砲と思わしき砲塔がせり出しチャージし始めそしてそのまま二人に向かって蓄積されたエネルギーを発射する。レイヴン達は回避するが着弾した地点は木々を大きく吹っ飛ばしクレーターを作っていた。

 

「MPを利用して放つ攻撃じゃねぇ…陽電子砲かよ…」

 

(やはりこれはジュドの親父さんの技術を利用した物か?鹵獲しようにも恐らく自爆装置は付いてるだろうし…)

 

レイヴンはマグノリア…シズに狙撃の指示を出す。指示を聞いたシズはクロスボウからいつも使用している魔銃に変えすぐさま狙撃ポイントを探しに行動を始める

 

「…シズ、動力部を狙撃できるか?」

 

「……やって…み…る…」

 

「時間を稼ぐ、頼むぞ。アレを何とかして鹵獲したい」

 

「了…解…」

 

 

 

 

一方改造人間の部隊に遭遇したジナイーダもといアルティマ達も戦闘を繰り広げていた。

アルシェはジュドが抱えて回避した時に麻酔を撃ち込んだため眠っている。一体の改造人間がアルティマに襲い掛かる。

 

「よっと!」

 

それを軽々とかわし、太刀を抜いて改造人間の動力部を刺し貫く。刺し貫かれた改造人間は少々震えた後がくりと崩れ落ちた。

 

「動力部を付いたのか…」

 

「まあね、これなら爆発しないでしょ?」

 

「ああ…」

 

イアイも改造人間の身体を力で圧壊させたり胴体を嚙み潰したりして破壊していく。

 

「だぁりゃあ!!」

 

「新しく修得した武技見せたるわい!!」

 

突っ込んでくる改造人間達に身体を捩じる様に構えて迎え撃つ。そして体をドリルの如く回転させながら突っ込み改造人間達の身体をバラバラに粉砕していった。

 

「〈旋風〉!!」

 

着地して意気揚々としてるイアイ、イアイの武技を見たジュドはその姿に感嘆する。

 

(魔獣でも武技を覚えられるんだな…)

 

仲間が撃破されるのを見た残りの改造人間達は目を一斉に光らせる。

 

「……これ以上は作戦に支障きたす」

 

「合体を推奨…」

 

そしてスクラムを組むように集まりガチャガチャと合体していき巨大な合体形態となった…

 

「「「合体」」」

 

「またか!?」

 

「ッ…!」

 

「面倒なのが来た…」

 

アルティマが毒づいてると合体改造人間は左腕を変形させて巨大なガトリング砲にして狙いを定める。

 

『……左腕部展開』

 

「全員回避!!」

 

アルティマの言葉の後に左腕のガトリングが高速で回転し錐状の弾丸が連続発射される。

全員が急いで(ジュドはアルシェを抱えて)散開しながら距離を取っていく。

 

「ひぃええええええええええええええ!!」

 

「!!」

 

「やれやれ…当たってもそんなに問題ないけど鬱陶しいなぁ…」

 

木の裏に隠れながらどう排除しようかとアルティマが考えているとジュドがアルシェを木の麓に置き立ち上がって合体改造人間の前に出る。

 

「…」

 

「ジロー?」

 

「俺に任せろ」

 

「何か策があるんか?」

 

「じゃないと言わん、〈メタルクラスタ〉起動…」

 

すると周囲から無数の金属の飛蝗の様な物体がジュドの周囲に飛び回り始まる。その数は徐々に多くなって行きさしずめ蝗害の様だった。

 

「……」

 

「な、なんじゃいありゃ…」

 

「…行け」

 

そしてジュドが指示を出すと金属の飛蝗の群は合体改造人間の巨体に群がって行き纏わり始める。

すると合体改造人間からガリガリと齧るような音が聞えてきた。

 

『………!!……!?』

 

合体改造人間は次第にもがき苦しみ、のたうち回り始める。

イアイはその光景に唖然としアルティマは解析を始めた。

 

「何が起こってるんだ…」

 

(機体の内部からさっきの金属が侵食している?しかも動力源や内部の制御系だけをピンポイントに破壊しつくしてる…!!)

 

「出ろ」

 

ジュドの指示の後金属の飛蝗達は合体改造人間の腹を食い破って一斉に出てくる。

合体改造人間は僅かに痙攣した後動かなくなった。

 

『‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼』

 

「マジか…」

 

「…それが君の能力?」

 

「ああ、ナノマシンを様々な用途に使える、父さんがこの能力を搭載してくれた」

 

「それで100年以上君の身体が維持されてた理由って訳か…」

 

「その通りだ…さて、コイツを調べるか」

 

ジュド達は合体改造人間に近づき、合体改造人間を解体、解剖し始めた。

 

 

 

「オラぁ!!」

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

 

斬艦刀で右腕の指を切り飛ばすが切り飛ばされた巨人はそれをものともせず背部からミサイルの様な飛翔体を射出する。レイヴンは斬艦刀を盾代わりにしてそれを防ぎ斬艦刀を持って切りかかる

 

「どうした来いよ、ノロマ!!」

 

「GROOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」

 

「とぉ!!」

 

「GUUUUUUU!!」

 

巨人の頭に斬艦刀を叩き込むが頭部は一際頑丈なのか頭部に刃が少しめり込むだけだった。

 

「たく…リミッターかけてるとは言え頑丈だな」

 

力任せに斬艦刀を引き抜き地上に着地し再び斬艦刀を構えるレイブン。

 

(こいつはどんな技術使ってんだ?やっぱり何としてでも鹵獲しねぇと…)

 

この世界の独自の改造人間に興味を持つマシンナーにとって目の前の相手は興味深い相手だった。

そこにシズの<伝言>が届く。そしてレイヴンに狙撃準備が完了したことを伝えた。

 

『マシンナー…様…』

 

「シズか…!」

 

『狙撃地点に…付い…た…』

 

「わかった、頼む!!」

 

『了…解……』

 

シズはクロスボウから対物ライフル型の武器に持ち替え。スコープを覗き巨人に狙いを定める。

 

「……発射」

 

そしてトリガーを引き、巨人の頭部に狙撃をする。

 

「!!」

 

弾は命中しシズは続けざまにもう一射する。

 

「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

 

すると巨人は頭部を抑えて苦しみだし頭を抑えて暫く暴れまわるが、不意に前のめりに倒れる

 

「おっと…」

 

「……」

 

「EMP弾で動力部を機能停止させてるな?よし切り開くか…」

 

斬艦刀を突き刺し、腹を徐々に引き裂いていく。そのまま腹を開く。中を覗いてみるとマシンナーの予想していた通り、CPUや電子機器等の部品が確認できた

 

「でけぇ動力源だな後でどんな構造になってるんだ?おっと…今は配線を切らねぇと…」

 

「構造は思ってたよりシンプルだな…まあ簡単な方が手っ取り早いから良いが…」

 

「マシンナー…様……」

 

「シズか、ご苦労だったな」

 

「ん…」

 

「さてとこいつは後で回収しねぇとな。アルティマ達にも伝えねぇと…」

 

その頃アルティマ達は無力化した合体改造人間を調べていた。アルティマが腹部を切り開きジュドが手をいれ、改造人間の部品を幾つか取り出し凝視する。暫く経ってジュドは喋り始めた。

 

 

「何かわかった?」

 

「ああ、やっぱりこれは父さんの技術が使われている。だが研究所にある素材では外にはないものがあるから恐らく似たような物で代用したんだろうな…それにしても何で最初から完全な機械じゃなくて改造させてあるんだ?そっちの方が生産性が良いだろうに…」

 

「何らかの理由があるんじゃない?それより脳味噌があるって事は中に遠隔操作用の仕掛けがあるの?」

 

「ああ、これだな」

 

そういうとジュドは改造人間の脳髄に指を突っ込み少々指で弄った後指を引き抜くと小型のチップが指に挟まれていた。

 

「ウェぇ…よく手ぇ突っ込めるのぉ?」

 

「簡易的な制御チップだな、恐らく命令を与えて動かす事しかできない」

 

「只の動く木偶人形って事か…指令とかわかる?」

 

ジュドは腕にそのチップを入れ、情報の解析を始める。そしてチップに組み込まれた指令を解析し終えアルティマ達に伝えた。

 

「ちょっと待て…『目標の捕獲、目標死の機械』…死の機械?知ってるか?」

 

「いや、わからないな。何かのコードネーム?」

 

「この森を探してたという事はそれがある、もしくは手がかりがあるのだろうな…」

 

「とりあえずマシンナー様に報告して…」

 

「…ん?」

 

唐突にイアイが立ち上がり周囲の臭いを嗅ぎ始める。何かあったのか察したのかアルティマはイアイに話しかける。

 

「どうしたのイアイ?」

 

「いや…なんか僅かにこっち来るような振動と油の様な臭いが…」

 

「何?」

 

すると奥で一瞬閃光がでて何かが射出されるような音と煙が上がり何か複数の物体が上空に上がる。

 

「何だ…!?」

 

アルティマが上空の飛翔体を解析するとそれを見て驚愕する。

 

「!?ミサイル!?」

 

複数飛んできたミサイルを即座にアルティマ達は回避行動をとる。ミサイルは地面に着弾し周囲に煙が上がる。

 

「うォ!!」

 

「…!!」

 

そして煙が晴れると同時にミサイルの発射した主がアルティマ達の目の前に勢いよく降下した。

 

「なんだ!?…!?」

 

目の前に現れたのは1体の機械系異形種…巨大な黒いボディに所々赤いラインが入っており、そのボディには数多くの銃火器が装備されていた。下半身は八本の脚部で動いておりズシン、ズシンとアルティマ達に近づきアームが射出されイアイを拘束する。

 

「ぐおお!…なんやコイツビクともせぇへん!!化け物か!!」

 

拘束を強引に振りほどこうとしたが、アームの拘束がイアイの力を超えているのかビクともしていない

そして黒い機械系異形種はアームの射出口から棘付きのローラーがせり出す。

 

『Lv30の魔獣…捕食可能、エネルギー変換開始』

 

「ハァ!?」

 

「マズいイアイが食べられる!!」

 

「何?彼奴は機械だろう?」

 

「アレは生物的エネルギーで稼働するんだよ!!」

 

「何!?」

 

「離しやがれぇ!!《鎌居太刀》!!」

 

得意の武技である《鎌居太刀》を射出口に叩き込む。《鎌居太刀》の威力に怯み僅かに拘束の力が弱まるとイアイは急いで脱出をした。

 

『……!?』

 

「いてて…クソったれ。驚かせただけ…!?」

 

イアイが良い終える前に黒い機械系異形種は機関銃をイアイ達に発射する

 

「やべぇ!!」

 

それをイアイ達は回避して戦闘態勢に入った。

 

 

 

 

 

一方のマシンナーとシズの前にも同様の相手が現れ対峙していた。

 

《……》

 

「マジかよ…死の歩行機械だと?」

 

(あれは確かイベント専用のモンスターだったよな?何でここに…)

 

驚くマシンナーが目の前の相手を観察してると死の歩行機械はマシンナー達が無力化した大型の改造人間に近づく

 

《…》

 

「何やってんだ?…待てよ、確か彼奴の設定でエネルギーは確か生体…」

 

すると死の歩行機械は上半身から巨大な口の様な物を展開して改造人間を捕食しはじめる。10mあろう改造人間をガツガツと咀嚼しながら呑み込み始める。

 

「捕食しやがった!まだ詳しく調べてねぇんだぞ!!」

 

そして捕食し終えるとマシンナー達の方を向き武装を展開し攻撃対象に設定し始める。

 

《エネルギー補給完了、これより敵対者を破壊する》

 

「チっ!!さっきのよりも厄介なのが来やがった!!」

 

再び数発のミサイルをマシンナー達に発射する。マシンナーも《シュバルツカノーネ》を出してミサイルを迎撃する

 

「シズ、コイツを手早く片づけるぞ!ジャガーノートの使用を許可する!!」

 

「了…解…」

 

マシンナーの命令に頷き、すぐさまジャガーノートを起動させて装備する。死の歩行機械はそのまま二人に襲い掛かった

 

 

 

 




・謎の機械系異形種

改造人間達が探していた機械系異形種。全身を武器で固めており攻撃力が高く重装甲により防御力も高い。機械系異形種では珍しく動物性たんぱく質や自然物をエネルギー源にしている

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