シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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第4話 オーバーロードとの楽しい会話

「マシンナーさん、意識が戻って本当に安心しましたよ! セバスから意識が無いって言われた時は本気で焦りましたもん!」

 

「お騒がせして申し訳ありませんモモンガさん、モモンガさんこそ元気そうで何よりです」

 

「ええ……、それにしても驚きましたよ、まさか空から降ってくるなんて、なにかあったんですか?」

 

「ああ、それはですね、俺もよくわかんないんですけど……」

 

俺は終了時間ギリギリでログインしたこと、ログインには成功したんだがエラーが発生して意識を失った事を伝える。

これにはモモンガさんも少し驚いていた。

 

「――って具合ですね」

 

「……そうですか、誰かに襲撃されたのかと思ったのですが、杞憂でしたね。あ、シズにナザリックの外の事聞きましたか?」

 

「ええ、確か草原になっていると聞きました、モモンガさんはなにか知ってますか?」

 

「ああ、それはですね……」

 

そこで俺がモモンガさんから聞かされた事実に衝撃を受けた。

 

俺達の状況を纏めるとこうだ。

①俺たちを含むナザリックが丸ごと異世界に転移した事。

②その時に、NPC達に意思が宿った事

③俺たちギルメンを「至高の41人」と呼んでいる事。

④NPCの忠誠心がガチである事。

 

「マ ジ か ! ?」

 

「うわ!?」

 

衝撃すぎる事実に思わず叫んでしまう俺、あ、また鎮められた。

 

「あ~……またか…」

 

「あ、無効化発動したんですね」

 

「え? 無効化?」

 

「精神作用効果無効のことですよ、この世界だと感情がある一定の部分まで強制的に鎮められるんです」

 

「あ、そういえば自動人形にもありましたもんね、無効化」

 

更に教えてくれたんだが、この世界だと自分が持ってるスキルや魔法や装備も問題なく使えるらしい。

じゃあ俺のスキルや装備も使えるって事か。早いとこ試さなくては。

そうこう考えてるとモモンガさんが真剣そうな?顔で俺に質問してきた。

 

「……マシンナーさんは現実世界に戻りたいって考えてますか?」

 

「え?」

 

「俺は現実世界に未練なんてありません、ですがマシンナーさんは……」

 

「ありませんよ?」

 

「即答!?」

 

「もう両親とは死別してますし、それに……勤めてた会社が潰れてしまいまして……」

 

「え?」

 

「モモンガさん、俺が一か月間来れなかった理由知ってますよね?」

 

「ええ、確か勤めてる会社がヤバイ状況になっていてそれで当分ログインできないって……」

 

「はい、その会社がこの前潰れてしまったんですよ……」

 

俺は現実世界では整備士として働いていた。勤めていた工場は中小だったが、それでも生活していくには十分な給料を貰っていた。

しかし大手企業が進出してきてその影響で、倒産してしまったのだ。

俺が来れなかった一か月間は会社を倒産させないために頑張っていたのだが、結局報われなかった。

 

「だから俺は現実世界に未練なんて全くありませんよ、それに……」

 

「それに?」

 

「シズが実際に生きてるんですよ!? NPCだったシズが生きてるんですよ!!」

 

「なんでシズの事を二回言うんですか?」

 

「大事なことだから二回言ったんです!」

 

「さいですか……」

 

ちょっとモモンガさんが引いてるがそれを無視して興奮して喋りまくる俺、するとまた無効化が発動する。

 

「……ふう」

 

「いやでも、思い出しますね~」

 

「ん?」

 

「マシンナーさんが、シズの事をしょっちゅう話していたのを、あの人にばれて、「ちょっとお話ししようか?」ってなって、ただの屍にされちゃいましたもんね? いや、この場合は鉄屑でしょうか?」

 

「モモンガさん、俺がガチ装備じゃなくてよかったですね、次言うたら、モモンガをだし汁にしますよ?」

 

「おお怖い怖い」

 

「うわうぜぇ……」

 

そんな馬鹿な会話をしながらモモンガさんは俺に質問してきた、勿論シズについて。

 

「そういえばシズで思い出したんですけどマシンナーさんシズh……」

 

「そりゃ言わなくても決まってるでしょう?」

 

「ですよねー」

 

俺個人の最終目標は『シズと一緒になること』だ。せっかくあの人が許してくれたんだ、これでやらなきゃ男じゃねぇ……!!

ただ、恋愛経験がない俺には長く険しい道になりそうだ。

 

「そういえばモモンガさん、今後のナザリックの目標って決まってるんですか?」

 

「いえ、残念ながらまだ……」

 

「ま、ゆっくり考えましょうよ、時間はいくらでもありますし」

 

「そうですね」

 

今後のナザリックの目標……ちゃんと考えないとな。

 

「あ、マシンナーさんに聞きたい事がもう一つあったんです」

 

「はい?」

 

「軍団の事ですよ。マシンナーさんの」

 

「あ」

 

シズの事で頭がいっぱいになってたからすっかり忘れてた。あと領域守護者のあの2体も。

 

「軍団の各隊長、あなたが意識不明だと聞いて半狂乱になってしまって抑えるのが大変でしたよ……」

 

「あ……すみません、本当に…」

 

「いえいえ、それだけ貴方を慕ってるって事ですよ。これが終わったら顔出してやって彼らを安心させてやってください」

 

「はい」

 

玉座の間からでたら真っ先に顔を出そう、うんそうしよう。

 

「そういえば領域守護者の「ディアヴォルス」と「アンヘル」の2体は?」

 

「ディアヴォルスは領域で、自分の眷属製造しまくってますね。アンヘルは常時待機状態で待機してますよ」

 

どうやらあの2体もちゃんと生きているようだ、あいつらにも会いに行かないと。

 

「そういえばマシンナーさんの軍団の名前ってなんでしたっけ? 確かラテン語なのは覚えてたんですけど」

 

「ああ……<マキナ>ですよ」

 

デウス・エクス・マキナはラテン語だし軍団の名前もラテン語で決めたかったんだよね。

 

「あ、それじゃマシンナーさん。これから階層守護者達とセバスを集めますのでみんなに挨拶してください」

 

「わかりました」

 

さて、がんばるぞ。

 


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