シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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パンドラズ・アクターが待機している宝物殿にマシンナーが入る。
それを見たパンドラズ・アクターは即座に立ち上がり敬礼する。

「邪魔するぞパンドラ」

「おおこれはマシンナー様、これは急にどうなさいましたか?何か宝物殿に御用でも?」

「いや、個人的な事でお前に頼みたいことがあるんだが、いいか?」

「至高の御方の頼みならば如何様にも!」

「いや、そこまで大層な頼みじゃないんだがな?お前の声が俺の好きな物語の主役の声に瓜二つなのでそいつの台詞を言ってもらいたいなって思って来たんだが…」

マシンナーの頼みの内容を聞くとパンドラズ・アクターは顔を俯きプルプルと小刻みに震える。
これを見たマシンナーは流石に不味かったか?と考える。

「……」

(あ、流石に切れたか…?)

「おい、パンドラ…」

「マシンナー様…」

「ん?」

そういうとパンドラズ・アクターは凄い勢いで顔を上げ言葉を上げる。

「是非!是非!やらせてください!至高の御方が贔屓している物語の台詞なんて何度でも言わせていただきます!!」

「お、おう。そうか…なら早速この台詞言ってくれないか?」

パンドラズ・アクターの気迫に若干押されながらも、マシンナーはその台詞の内容を見せる。

「ふむ…ふむふむ、なるほど、では!やらせていただきます!」

「ああ、景気よくやってくれ」

そういうとパンドラズ・アクターは大きく深呼吸をし、いよいよ台詞を言おうとしていると。
今後の事を相談するためにマシンナーを探していたアインズが現れてしまった。

「こんな所に居たのかマシンナー…」

「ガン〇ム・エク〇ア!刹〇・F・セ〇エ〇、未来を切り開くぅ!!」

「おお!メッチャ似て…」

『何やってんだあぁぁぁぁ!!!?』



第45話 黒歴史がくるぞおぉぉおぉぉ!!

円卓の間

 

「…ごめんなさいモモンガさん」

 

「いや、その、えっと…俺もなんかすいません」

 

あの後アインズの事に気づいた2人のうちマシンナーは事情を話し、自身が謝罪することによりこの場を収めようとしたのだがパンドラズ・アクターがよりによってドイツ語で話した事によりより混沌とした状況になってしまいやっとの事で収まったのだ

 

「パンドラの声があまりにも似てたのでつい…」

 

「……そんなに似てるんですか?」

 

アインズの問いに応えるためにマシンナーは一本の動画をアインズに見せる。

 

「似てますよ、ほら」

 

『俺が…〇ンダムだ!!』

 

「うわぁぁぁあ!!?」

 

「ええ!声だけで!?」

 

動画を見て絶叫するアインズに驚きつつ、気を取り直して話に入る2人。

 

「…すみません、では気を取り直して…」

 

「はい、こちらが今回調べ上げた情報です、今回は全体的に周辺国家の内情等が多いですね」

 

「内情ですか…」

 

「はい、まず帝国は皇帝による完全な統治になっています、昔は貴族も多く居たらしいですが現皇帝の「ジルクニフ」って奴が即位したときの改革により多くの貴族がその位や財産の没収、最悪一族そのものを粛清された家もあったらしいです。軍事力も充分あり、中でも「フールーダー」という魔術詠唱者が帝国側の切り札らしいです。なんでも第六位階の魔法を扱えるとか…」

 

「ほう、この世界の人間を基準にするとかなりの強者ということですね?」

 

「はい、その影響なのか魔術を学ぶ学校もあるらしく魔術詠唱者の育成にも力を入れてるらしいですね」

 

「次に王国ですが、こっちは一応現国王が統治していますが貴族たちがかなり腐ってるらしく、国王はわかりませんが貴族達はかなり嫌われていますね、多少の改革は進められているらしいですが、現状はまだまだ好転していないらしいです」

 

「軍事力は一部の兵士以外は全員民兵らしくて、数はありますが正直それだけです」

 

「意外ですねあのガゼフという戦士長が居るのを見て兵もそれなりに強いと思っていましたが…」

 

「まだ全部調べたというわけでは無いので何とも言えませんがあのガゼフって人以外は大したことは無いと思います。……冒険者を除けばですが」

 

「確かに…」

 

「で、他の王族には王子2人と王女が1人いるらしいです。そのうち王女のラナーはかなり頭が良いらしく、奴隷売買の禁止を始めに改革にもその頭脳で一役買ってるらしく、「黄金のラナー」とも呼ばれてます」

 

「ほう…」

 

「んでその王国の中に「八本指」という裏の犯罪組織があるらしいです」

 

「大体予想が付きますがどんな事してるんです?」

 

「麻薬から奴隷売買の裏取引を始めいろんなヤバい事してますね、王国の一部の貴族ともつながりがあるとか?そいつらの威力部門…ケツ持ちみたいなものかな?「六腕」という組織も存在します、組織の規模から察するに金もかなり持ってると思いますので洗脳でもしてこっちの傘下に収めて上納金みたいにこっちに金貢がせるのはどうでしょう?」

 

サラッと恐ろしい事を言ってるがナザリックの財政の事も考えてアインズはその手もありかもなと考えた。

 

「そうですね、とろあえず考えておきます」

 

「そして一番警戒しているスレイン法国、この国は知っているように人類至上主義を掲げており、亜人等をかなり弾圧しています。人類存続を謳っていますがかなり汚い事もしてるらしいですよ。現にカルネ村を始め他の村も襲ってたらしいですし…」

 

そう言うとマシンナーは非常に忌々しいと言いたげな顔をする。兵士ならばともかく、大義名分を掲げて関係のない村人に手を出す行いに非常に嫌悪感を抱いている。しかもいざ自分達が死ぬ目に会おうとすれば神よ、神よと祈り始める姿を見たときは虫唾が走っていた。

 

「掲げている主義自体が俺たちと完全に相容れません、正直に言うと俺たちの事が知れたら真っ先に潰しに来ると思いますよこの国?」

 

「そうですね、なんだかユグドラシルの異形種狩りのプレイヤー思い出しますよ」

 

「あ~俺もです」

 

「それに世界級アイテムも持っていましたし、侮れません。他の二国はともかく、この国は潰したほうがいいかもしれない…」

 

「なら近いうちに守護者達集めて会議したほうが良さそうですね」

 

「まあまだ完全に潰すと決めたわけではありませんが」

 

「後、この前戦った「ズーラーノーン」こいつらは指導者のズーラーノーンを始め12人の高弟達がいて、クレマンティーヌやカジットもこれに含まれますね、周辺国家から大きく警戒されていますが帝国の中には裏で賛同者が居るらしいです」

 

「予想はしていましたがそれなりの規模はあるのは間違いないですね」

 

「使役しているモンスターがアンデッドであるところを考えるとアンデッドを心棒している可能性もありますよ。モモンガさん見たらなんか崇め奉りそうですね…、乗っ取っちゃいます?丁度クレマンティーヌいますし組織の内情教えてもらうとか?」

 

するとアインズは意外な事を言い始める。

 

「それも良いですがあのカジットって男、後で蘇生させようと思うんですよ」

 

思ってもいなかった言葉にマシンナーは一瞬面食らうが、すぐに疑問をぶつけた。

 

「え?理由を聞いてもよろしいですか?」

 

「はい、この世界の魔法の事情についてと、ズーラーノーンの組織の情報。後は蘇生実験も兼ねてあの死の宝珠について聞こうと考えています」

 

それを聞いてマシンナーは納得した。

死の宝珠はユグドラシルには無かったこの世界独自のアイテムである。

価値はともかく、どうやって手に入れたのかアインズ自身は非常に気になっていた。

 

「なるほど、了解っす」

 

「取りあえず周辺国家についてある程度わかってきましたね」

 

「まだデミウルゴスが出向いている聖王国の情報はもう少しかかりそうですね、申し訳ないです」

 

「いえ、この短期間でここまで情報集めてくれたんだからお礼言いたいくらいですよ」

 

「そう言ってもらえるとありがたいです」

 

「ではこの辺で解散しますか?」

 

「あ、待ってくださいモモンガさん」

 

会談をそろそろ終わらせようとしていたアインズをマシンナーは待ったをかける。

 

「はい?」

 

「シャルティア達の褒美はどうしますか?」

 

「ああ…そうでした、どうしたものか…」

 

「持って来たのが世界級アイテムですからね…」

 

「マシンナーさん、マシンナーさんは勲章とか作れますか?」

 

「え?ああ、はい元の世界にいたとき、叔父の鉄工所でバイトして鉄製品の作り方は一通り覚えましたけど勲章は初めてですが……勲章を贈るんですか?」

 

「はい、パンドラを創るときに集めた資料で『黄金柏葉・剣・ダイヤモンド付騎士鉄十字章』ってのを見つけたんです」

 

「ああ、あの爆撃王だけしか貰えなかったという…それをモチーフにするんですか?」

 

「はい、鉄十字の部分をアインズ・ウール・ゴウンの紋章に変えますけど、お願いできますか?」

 

「そうですね、後で試作品を何本か作って持っていきますよ」

 

「ありがとうございます」

 

今度こそ会談が終わろうとしていた時、マシンナーは何かを思い出し、アインズに話しかける。

 

「あの…パンドラで思い出したんですけど他のシモベってパンドラの事知ってるんですか?」

 

「え?」

 

「いやあの…この前アルティマに聞いたんですけど…」

 

『パンドラズ・アクター殿ですか?お名前は聞いたことはありますが姿まではアルは見たことありませんよ?』

 

「って」

 

それを聞いたアインズは顔に頭を添えて「しまった…」と言いたげな表情?をしている。

 

「…そういえばずっと宝物殿に居させ続けてました」

 

「やっぱりですか……余計かもしれませんがその…ナザリックの皆に紹介した方が良いと思うんです、ずっと見せずじまいですと信用してないんじゃないかと他のシモベ達が思うかもしれませんので…」

 

「ああ…はい、そう…ですよね。俺も紹介しようと思ってたんですが中々踏み出せなかったんです…」

 

「紹介するなら丁度今が良いと思います、幸い全員居ますし」

 

マシンナーの言葉にアインズは少し考え、少し経ってから何らかの決意をしたような顔つき?になっていた。

 

「そうですね、俺も踏み出さないといけませんよね。今からアルベドとユリを呼んできます」

 

「じゃあ俺はアルティマとシズを呼んできます」

 

そしてアインズとマシンナーは<伝言(メッセージ)>でアインズはアルベドとユリを、マシンナーはアルティマとシズを呼んだ。

 

 

 

 

暫く時間が経った後アルベド達が集合し、アルベド達を連れてマシンナー達はパンドラズ・アクターの所まで向かう。

 

「そういえばお前たち、パンドラズ・アクターの事は知っているのか?」

 

「はい、管理上は把握しておりますが会った事はございません」

 

「アルも同じく」

 

「宝物殿の領域守護者にして、私やデミウルゴスと同等の強さと頭脳を持ち、…アインズ様の御手によって創造された者です」

 

(最後なんか棘があったけど嫉妬してるのかな?)

 

「そうだ、アインズが創造したドッペルゲンガー、能力はどんな姿にでも変身しそのものの全力の約8割まで再現ができる……で合ってたよな?」

 

「ああ、そうだ」

 

そう思いながらアインズ達はパンドラが待機している部屋にまで着いた。

部屋にあるソファーに誰かが腰かけているのが見え、そのものが立ち上がる。

その姿をみてアインズとマシンナー以外の者たちは驚愕する。

 

「マ、マシンナー様がもう一人…!!」

 

「ユリ姉…違う、偽物……!」

 

ユリが驚愕していると戦闘形態に変形したアルティマと魔銃を構えたシズがアインズ達の前に立つ。

 

「何者だ!よくもマシンナー様と同じ姿で現れたな、姿形を真似ても創造された御方を間違えるような事は絶対にしない!!」

 

それに応えるようにもう一人のマシンナーは目を光らせるが、それが更にアルティマの怒りに触れたのか右手の<輻射波動装置>を起動させ今にも攻撃せんと言わんばかりの気迫を見せる。

 

「おのれぇ…!今すぐ解体して……!!」

 

「よせ、アルティマ」

 

「もうよいパンドラズ・アクター、戻れ」

 

そういうともう一人のマシンナーは本来のパンドラズ・アクターの姿に戻る。

 

「ようこそおいでいただきました、先刻ぶりですねマシンナー様、んん~アインズ様!!」

 

「うわぁ…」

 

「えぇ…」

 

(辞めてくれ、そんな冷たい目で俺の黒歴史を見ないでくれ……)

 

「それで、どうなされたのでしょうか?」

 

「……うむ、これから一時間後に皆にお前の事を紹介しようと思ってな」

 

「おおぅ!遂に!つ・い・に!アインズ様によって創造された唯一無二のシモベとして……至高の御方達の御計画という名の舞台(ステージ)に私が立つ時が来たのですね……!」

 

(うわあ!だっさいわぁ……!!)

 

「うわぁ…」

 

アインズは心の中で自らの黒歴史に絶叫し、シズはドン引き、アルティマはどう反応すれば良いかマシンナーに呼びかける。

 

(……マシンナー様、こういう時どんな顔すればいいのかアルはわかりません)

 

(笑えば…じゃなかった無表情で良いんじゃないかな?)

 

「う、うむ。紹介するには頃合いだと思ってな、一時間後玉座の間に来てくれ」

 

「はっ!承知いたしましたアインズ様!」

 

「うむ、それでは我々は戻る。一時間後に玉座で…」

 

「はっ!承りましたアインズ様!そして少年とお嬢様方!」

 

「少年」と「お嬢様方」の反応したアルべド達は一斉にパンドラに振り向く。

 

「…少年?」

 

「お嬢様?」

 

「私は守護者統括、ユリはプレアデスの副リーダー、シズはプレアデスの一員。そしてアルティマはマキナの副司令、そのような軽々しい呼び方は慎むように…」

 

「アルも同じく…」

 

「私からも是非お願いします…」

 

「…うわぁ」

 

「おお…!それは失敬!薔薇の様に美しくも可憐な御姿と意志の強い瞳につい…」

 

とうとう耐え切れなくなったのかアインズはパンドラズアクターの腕を掴み壁際にまで連れて行く。

 

「おいちょっとこっちに来~い!!」

 

(……やっぱり不味かったか?)

 

「は!ドンッッッ!!」

 

壁際に叩きつけたアインズはその真っ赤な目を一際強く光らせながら、パンドラズアクターに問いかける。

 

「私はお前の創造主だ!違うか!?」

 

「仰る通りでございますアインズ様…!」

 

「なら俺の頼みでも命令でも良いからさ…敬礼はやめないか?」

 

「えぇ?」

 

「いや、なんかほらへ、変じゃないか?」

 

「別に変じゃないと思うが…」

 

マシンナーの思いがけない言葉を聞き思わずアインズは振り返った。

 

「ま、マシンナー?」

 

「いや、アルティマとか全員俺と会う時敬礼しているから…まあ軍団というのもあるが…」

 

それを聞いたアインズはまあそう言うならと思い、取りあえず敬礼の件は保留にした。

 

「う、うむ。まあ敬礼と軍服はまあ良しとして…ドイツ語はやめないか?」

 

そういわれたパンドラズアクターは小さく「オォウ…」と言い。

 

「wenn es meines Gottes Wlle!!(我が神の御望みとあらば!)」

 

「だからそれをやめろぉ!!」

 

(あ~あ…やっぱ不味かったかも…)

 

 

 

 

ナザリックの玉座の間にヴィクティムとガルガンチュアを除く階層守護者達。セバス率いるプレアデス、アルティマ率いるマキナ七大隊長が集結していた。

全員顔を上げ、玉座に座っているアインズの言葉を待ち構えていた。

先程宝物殿に居たアルベド達は大体予想していたが。

 

「皆に紹介したい者がいる」

 

そういうとパンドラズアクターはアインズの前に立った。

 

「……さあ、お前のことを皆に紹介せよ」

 

「畏まりました!」

 

踵を合わせて敬礼をし自らの自己紹介を始めるパンドラズアクター。

 

「皆様、お初にお目にかかります私の名はパンドラズ・アクター!宝物殿の領域守護者を任されておりました!どうか、お見知りおきを……親愛なる皆様方」

 

一息に自分の自己紹介を終えると、彼は大仰に振りかぶり一礼をする。

それを見たアインズは次の瞬間精神作用効果無効化の光を発光させる。

 

「うわぁ…」

 

それを見たシズは先程と同じように本日4度目の「うわぁ…」の言葉を出した。

 

(シズ、うわぁとか言わないでやって!もうモモンガさんのライフはゼロなの…)

 

シズの「うわぁ…」の言葉にマシンナーは心の中で「やめたげてよぉ!!?」と絶叫し、アインズの様子を心配し、アインズの方を向いた。

 

「……」

 

精神作用効果無効化の光を全身から発光させるアインズしかしその目にはいつもの赤い光が灯っていなかった。

 

(ゼロどころかマイナス切ってるうぅぅうぅぅー!!)

 

流石に目の光まで消えるとは予想していなかったマシンナーは絶叫し、できるだけ平静を繕ってアインズに解散を促す。

 

「…時間を取らせてしまったな、皆持ち場に戻ってよいぞ」

 

その後シモベ達が各持ち場に戻ったのを確認し、アインズとマシンナーは円卓の間に転移していった。

 

 

 

 

円卓の間に転移し、マシンナーは恐る恐るアインズに問いかける。

 

「モモンガさん大丈夫…なわけないですよね?」

 

「いえ、大丈夫です。どの道パンドラの事を皆に知らせないといけなかったですし、俺も覚悟を決める時だったんです」

 

「そ、そうっすか…」

 

内心少し罪悪感を抱きながらもアインズの言葉を聞き、マシンナーは少し安堵する。

そしてアインズはマシンナーにある質問をした。

 

「……少し聞きますけど、マシンナーさんはアルティマ達とこの世界で初めて会うときってどんな気持ちでした?」

 

アインズの質問にマシンナーは少し間を置き、質問に応え始める。

 

「俺ですか?……正直最初は…その怖かったんです守護者達や他のナザリックの皆に会うよりも。一度ナザリックを離れてしまった俺を見限ってるんじゃないかと思って…」

 

返ってきたマシンナーの応えに流石に不味いと感じたのかアインズは感じ、マシンナーに謝罪をする。

 

「っ!す、すいません!考えも無しに…!!」

 

「いや、良いんです。どんな理由であれ一度離れてしまったのは事実です」

 

そう自嘲気味に語りながらもマシンナーは「でも…」と言い、言葉を繋いだ。

 

「でも、あいつらは……俺が創ったアルティマ達(子供達)は帰ってきた俺を受け入れてくれた。もう一度必要としてくれた、例え万が一それが偽りでも俺はとても嬉しかったんです」

 

マシンナーは一度ナザリックを離れ、再びマキナの隊長達に会うことに内心不安と恐れがあった。

しかし、マキナはマシンナーの帰還を心から喜び、歓迎してくれた。

そのことにマシンナーは深く感謝していた。

 

「だからアイツらの思いに応えるのが俺の今やるべきことだと思っています、いやシズと添い遂げるのもありますけど」

 

最後に個人的な思いを出して返答するマシンナーにアインズはツッコミを入れる。

 

「最後はきっちりしめてくださいよ…」

 

「いやはや面目ございません」

 

頭を掻きながらマシンナーはアインズにパンドラの事を伝える。

 

「まあでも俺はカッコイイと思いますよパンドラ、wenn es meines Gottes Wlle!!(我が神の御望みとあらば!)」

 

最後のドイツ語にアインズが反応し、絶叫しながらマシンナーに思いっきり平手打ちをぶちかます。

 

「やめろぉ!!」

 

対してダメージは通らなかったが勢いが強かったのかマシンナーの頭はぐるんぐるんと回転し、暫く回ってから勢いが徐々に弱まり、手で回転を止め、頬を抑えながらアインズにこう訴える。

 

「な、殴ったね?親父にもぶたれたことないのに!」

 

「殴って何故悪いか!?」

 

そう言ってアインズは上半身を右方向に回転させながら応える。

 

「あ、ヤッてくれるんですねそのポーズ」

 

 

 

 

夜の平原、月が煌めく夜に一匹の白い魔獣の周りをギガントバジリスク4匹が取り囲む。

 

「シャアァァァア……!」

 

「ふん…」

 

ギガントバジリスクの一匹がその魔獣に食らいつこうと襲い掛かる。

しかし魔獣は軽々とかわし、前脚でその頭を踏みつぶした。

他のギガントバジリスクもその魔獣に襲い掛かるがある一匹は頭を食いちぎられ、爪で首を飛ばされ、顎を掴まれて引き裂かれた。

 

「シャア!…ガッ…」

 

辺り一面を血だまりにしながらその身に浴びた返り血を振るい落とし、血が着いた爪を舐める。

 

「ふん、弱い、弱すぎる。100年ぶりにあの大森林に帰るというのに、やはりあの大鼠程の奴はそうそういないか…」

 

そういうとその魔獣は月を仰ぎ見、かつての好敵手の事を思う。

 

「まあいい、奴との決闘前の肩慣らしには丁度良いか…」

 

そして目的地であるトブの大森林に向かうべく魔獣は走り始める。

 

「待ってろよ……大鼠!」

 

目を赤く光らせ、笑みを浮かべながらその魔獣は闇の中に消えていった。

 




唐突に書いてみたくなったネタ

マシンナー「私は神だ!!」
シズ「…おぉー」
マシンナー「知りたいことなんでも教えてやろう!(wiki調べ)」
シズ「…私の事どれぐらい好きか教えて?」
マシンナー「……いっぱいちゅき♥」

ポ〇テ〇ピックさんごめんなさい(orz)


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