シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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更新するのに時間がかかって申し訳ありません!。
時間があれば今月中にももう一話投稿したいと考えております。

※主人公の軍団の名前を変更しています。他の話でも随時編集しております。


第30話 軍団始動

『モモンガさん』

 

『はい、どうしました』

 

『これから軍団に号令かけようと思ってるので、玉座の間を使ってもよろしいでしょうか?』

 

『構いませんよ、ではアルべドとデミウルゴスには俺が伝えておきます』

 

『助かります、それではまた後で』

 

『はい』

 

俺はモモンガさんとのメッセージを切り、傍に控えていたアルティマに指示を出す。

 

「アルティマ、他の隊長達と各兵団を一時間後に玉座の間に集合させろ」

 

「は!」

 

 

 

 

一時間後の玉座にはアインズとマシンナーが鎮座していた。

 

(それじゃあ頼みましたよマシンナーさん)

 

(了解ですモモンガさん)

 

アインズがマシンナーにメッセージを飛ばし、マシンナーはそれに同意し、立ち上がって前に進んだ。

本来この前にいるのは階層守護者だが、今回は少し違う。

階層守護者及び、シズを除くセバス率いるプレアデス達は皆脇に控えている。

玉座の下、中心にいるのは、アルティマや他の隊長達のそれぞれの兵団の機械族、マシンナーの軍団<マキナ>。

 

形はそれぞれの兵団の特色を出している。あるものはシズと同じ人間と同じような姿をしたアンドロイド型。無骨な形の者や洗練された形の者。乗物の意匠が入っているもの。マシンナーも見上げるような体躯をしたもの。

機械の獣のような姿をしたものなど、ありとあらゆるタイプが揃っている。

 

今回この軍団が集結した理由はマシンナーが軍団に「アインズ・ウール・ゴウンを不変の伝説にする」事と「世界征服」この二つの野望を実現させるために号令をかけるためだ。

 

そしてマシンナーが沈黙を破る。

 

「起て」

 

その言葉の後、軍団は一糸乱れず立ち上がった。

それぞれ関節やモーターの駆動音、そして金属の光沢により威圧感があふれ出ている。

 

「皆、よく集まった感謝する」

 

「アルティマ・レイ・フォース、バレット・ローグ、ゴルドソウル、ドランザー、アンヘル、ディアヴォルス、シズ・デルタは前へ」

 

名を呼ばれた者たちは静かに前に出る。

 

「皆も知っての通り、我らの目標である『世界征服』……その実現の為、我が友アインズの為に我ら<マキナ>は総力を上げてこれに尽力する!」

 

「最初は小規模での活動になるだろう、だがいずれは全軍を繰り出すつもりだ!」

 

一拍間を置き、号令の続きに入る。

 

「作戦名は「オペレーション・レコンキスタ」! この作戦を以って我が軍団の名をこれから未来永劫に続くアインズ・ウール・ゴウンの歴史に刻み付ける!」

 

「大隊長、アルティマ・レイ・フォース。御身の覇道の露払いをさせて頂きます!」

 

「機人兵団隊長、バレット・ローグ。その御心のままにお使いください!」

 

「特機兵団隊長、ゴルドソウル。御身を阻む全てを打ち砕いてみせましょう!」

 

「機動兵団隊長、ソニック・スレイヤー。至高の創造主に叶う働きを必ずやお見せしましょう!」

 

「機獣兵団隊長、ドランザー。我ラガ主ノ爪牙トナリマショウ!」

 

「第八階層領域守護者、ディアヴォルス。我が眷属総て、御身の剣としてお使いください!」

 

「同じく第八階層領域守護者、アンヘル。偉大なる主の剣になりましょう!」

 

「プレアデスが一人、シズ・デルタ。全ての機械の神たるマシンナー様に絶対なる忠誠を誓います……」

 

アルティマ達の言葉に嘘偽りはない、全員マシンナーの為ならば地獄の果てだろうと未来永劫に続く虚無の戦場だろうと喜んでついていく覚悟である。

 

(待ちに待った時が来た、アル達の全てを使い、至高の御方に永遠の栄光を……)

 

アルティマ達、機械種モンスターの軍団<マキナ>の総意。自分達の全てを使い、勝利と栄光を掴むこと。

再び自分達のもとに戻ってきた至高の御方の一人であるマシンナーの為に……。

 

軍団の一つ一つが歯車となり一つの大きな『機械仕掛けの神』は動き始めた。

 

「ナザリックの絶対なる主アインズ・ウール・ゴウン様! そして再び我らの総大将として戻ってきたマシンナー様の為に!」

 

「我らが造物主様に栄光を!」

 

「アインズ・ウール・ゴウン様! マシンナー様! 万歳!」

 

<マキナ>の機械種達も隊長達と同様に例外なく忠誠を誓う。その熱意は動力炉の熱や金属の関節の駆動音。

金属の擦れる音などが響いた。

 

(はは……予想以上だなこりゃ…)

 

それを見てマシンナーは喜びの感情を露にする。

自分が心血注いで創り上げた軍団が嘘偽り無く忠義を誓う。

絶大なる熱量を以ってそれを示した。

動力炉の熱、関節の駆動音が響くがマシンナーは全く気にしない、むしろ全てが嬉しかった。

 

(最初は本当に少ない数だったのに今はもうこんなにでかくなった……その分ナザリックの副統括の責任や<マキナ>の総司令官としての責任はデカい……けど)

 

大きな立場に立った分の責任感は相応に大きい、それでもマシンナーは不安にならなかった。

 

(会社が倒産しちまって半ばやけっぱちになっちまってたが、こいつらは一度は離れてしまった俺を信じて必要としてくれた。モモンガさんは、俺の居場所を残してくれた。そのお陰でまたシズにまた会えた。ならば俺は俺ができること全てを、みんなの為に全力でやってやろうじゃないか)

 

マシンナーは呼吸をするような仕草をして、先ほどよりも一際高く声を上げる。

 

「世界中の無知な連中に思い知らせるのだ、アインズ・ウール・ゴウンに我が軍団在りと!」

 

「連中の記憶に我が総軍の姿を刻み付けろ!」

 

「我らの足音を! 我らの闘志を!」

 

「刻み付けるのだ! 疲れを知らぬ兵の姿を! 恐れを知らぬ戦士の姿を!」

 

「さあ諸君………」

 

「世界を取るぞ!!」

 

「「「「「オオオォォオオォォォオ!!!!」」」」」

 

その言葉で一際威圧感を上げる<マキナ>。

 

(これなら、安心して留守を任せられる。ありがとうマシンナーさん)

 

その様子を見ていたアインズは大きな安心感を抱いた。

 

後に大いなる伝説となるナザリック地下大墳墓、そしてアインズ・ウール・ゴウン。

その中で最大の規模の軍団として名を残した<マキナ>。

マシンナーはこの世界での唯一の機械神として、そしてアインズ・ウール・ゴウンの唯一無二の親友としても名を残すことになるのはまた別の話。

 

 


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