シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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オーバーロード人気投票の中間発表でシズが7位と知ったことに狂喜乱舞してしまいましたwww。
最終発表ではさらに上がって欲しいです!


第28話 初めて笑った

シズがオーバーヒートを起こしてしまったので、ルプスレギナに案内してもらい急いでシズの所に向かいすぐにオーバーヒートを無効化するアイテム等を使い、シズを再び再起動させた。

ちゃんと再起動してくれた事に俺は安堵する。

再起動したシズは何故か顔を赤くしながら「申し訳ありません…」と謝っていた。

 

(そういえばこの前もオーバーヒート起こしたよな? あの時はジャガーノートを渡してそれでうれしすぎてオーバーヒート起こしちまったっていう原因もあるけど今回は原因がわからないな。もしかしてシズのラジエーターとかの冷却系統がどこか調子悪いのか? 一回シズに頼んで精密検査してみるか…いや流石にこれはセクハラになるか? う~ん……)

 

「マシンナー様」

 

シズとアルティマを連れて自室に入り一人考え込んでいるとアルティマから声をかけられて我に返る。

 

「なんだアル?」

 

「丁度シズもいることですし、シズにあのことを言うのはいかがでしょうか?」

 

「ん? ああアレか」

 

「……?」

 

首をかしげるシズの可愛さに若干萌えつつ、俺はシズの方に向き直る。

 

「シズ、頼みがあるんだが……」

 

「……はい」

 

頼みがあるという言葉にシズは仕事モードに入っている。凜々しいなあ…。

おっと、いけない頼み事を忘れるとこだった。

 

「シズ、俺の軍団に入って秘書として働いてほしい」

 

「…え?」

 

予想外だったのか、一瞬呆けたような顔をするシズ。

可愛い。

 

「アインズからは許可を取ってある、他の隊長達にも伝達済みだ、後で正式な通達が来ると思う」

 

「はい…畏まりました…正式な通達があるまで通常の業務に戻ります…」

 

「ああ、改めてよろしく頼むぞ。俺はシズの能力を高く評価している。期待してるぞ?」

 

「ッ!……勿体無い……お言葉…です」

 

気合十分で良かったとマシンナーが心の中で安堵する。

一方……。

 

(……やった!)

 

一方シズも心の中でガッツポーズをしていた。

 

「アルティマ、30分後に隊長会議をするから集めてくれ。ディアヴォルス達には俺が伝える」

 

「は! 承知いたしました! すぐに連絡しに行きます!」

 

アルティマは俺に敬礼した後、小走りで部屋を出ていった。

 

「シズ」

 

「何でしょう…か?」

 

「渡したいものがある」

 

「?……はい」

 

俺は自分の机から小型のダイアル式金庫を取り出し、ダイアルを合わせそのケースを開ける。

中にはシズの赤金の髪色と同じ色の宝石を付けた指輪が入っていた。

 

「……!?」

 

「お前用に作ったリング・マシンフォースだ」

 

俺が出したものに驚くシズ。

え?その指輪って隊長格だけに作ったんじゃないのかって?

実は隊長格の分を作った後こっそりシズの分も作っていたのだ。

 

「よろしいん……です…か? これほどの…物…」

 

「元々お前用に作ったんだ、やるよ。装備してくれないか?」

 

「は…はい…」

 

リング・マシンフォースを見て驚いたのはある程度予想してたから、別に気にしない。

シズはその細い指へと静かに指輪を嵌めていった。

人差し指、中指…。そして次の指で止まる。

 

「……っ」

 

少し指が震えながらも嵌められる。

その場所は左手の薬指……。

 

(…え?)

 

「え、ちょ…」

 

自分が作った指輪を嵌めた所に俺は思わず声を上げる。

 

「!…申し訳…」

 

「あ、いやすまん、何でもない。だから顔を上げてくれ」

 

「は……はい…」

 

これはちょっと、いやかなり予想外だった。

だって左手の薬指だぞお前、左手の薬指だぞ?(大事なことなので2回言いました)

そりゃ嬉しくないって言ったら嘘になる。

というかめっちゃ喜んでる自分がいる。

とりあえずそれは置いといて……。

 

「その……意味知ってるのか?」

 

「……………」

 

俺は気持ちを無理やり落ち着かせ、シズに問いかける。

シズは左手をそっと握りしめる。

そしてそのまま俺の方を見つめた。

 

「……右手はライフルを持つので、右手につけていたら指輪が傷つくと思い左手につけました…。左手の薬指ならそこまで接触は無く指輪が傷つくことはそうは無いと思い、つけました…」

 

ご迷惑だったでしょうか?と言ったシズに俺は自分の浅はかさに心の中で「俺の大馬鹿…」と毒づく。

普通に考えたらこんな超展開そうそう起きるはずがないだろう俺って本当に馬鹿……。

 

「いや、そんなことないぞシズ。そこまで大切に思ってくれてありがとうシズ」

 

「……あの」

 

「ん?」

 

それでもそんなに大切に思ってくれるのは嬉しかったのでおれはシズに礼を言う。

その後シズは顔を一瞬伏せるが、すぐに顔を上げ、口を開く。

 

「何故……ジャガーノートやこれほどの指輪を私に…」

 

自分は確かにマシンナーと同じ機械系モンスターだが、マシンナーには自らが創造したシモベがいる。

直接のシモベではない自分になぜこれほどの物を授けてくれる事を不思議に思った。

 

「え? ああ~…それは、その…」

 

その言葉にマシンナーは少し気まずそうに頭をかく。

そして何か決心したのかシズの方を向いた。

 

「……誰にも言うなよ?」

 

「………はい」

 

「俺は…………」

 

 

 

 

『…………俺はシズの事が好きだから…だ』

 

『…………え?』

 

 

(て言えねえ…まだ言えねえ…第一まだそこまで行ってないし…)

 

「俺はシズを特別信頼しているからだ」

 

シズは表情が緩まないよう、必死に自制をした。

自ら創造したシモベが複数いるマシンナー。

その御方が自らを特別信頼していると言ってくれた。

自身が愛してしまった御方からのその言葉にシズの中で何度も響く。

先程左手の薬指に指輪を嵌める意味を勿論彼女は知っている。

そしてその時の反応を見て、マシンナーもその意味を知っている。

声を上げた時は見透かされたと思った、それでも許してくれた。

拒まれなかった。それが彼女にとってとても嬉しかった。

 

「勿体無い……お言葉…です」

 

「ああ、これからも頼むぞシズ」

 

「……はい」

 

そしてマシンナーの言葉に何処か嬉しそうに彼女は答えた。

今の自分の顔がどういう状態か彼女自身も気付いていない。

どんな状態かというと……。

 

(笑ってる? いや微笑んでるのか?)

 

そう彼女の顔は微笑んでいた。

ナザリックでも彼女のその表情は見たことないだろう。

マシンナーも初めて見る彼女の表情に一瞬驚くが、すぐにもう一つの思考が出た。

 

(可愛い…)

 

「マシンナー……様?」

 

「ああ、いやシズの笑った顔なんて初めて見たので、驚いてな」

 

「……え?」

 

「え?」

 

マシンナーの言葉に驚くシズ。

そしてマシンナーもシズの反応に少し驚いていた。

 

「……もしかして自覚無かったのか?」

 

「はい……申し訳ありません」

 

「ああいや、謝るな。可愛かったし…」

 

「……え!」

 

「あ! えっとその…」

 

思わず出てしまった言葉に慌てるも、扉からノックする音が耳に届く。

 

「(ナイスタイミング!)アルティマ達か、シズ、出迎えてやってくれ」

 

「……畏まりました」

 

誰だか知らないがナイスタイミングだ。マシンナーはシズを扉を向かわせる。

そして自分の椅子に座り会議内容をおさらいしていく。

なのでシズが少し顔を紅くしていた事に気付かなかった。

 


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