シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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ようやく戦闘(模擬戦)です。(途中アルティマ視点あり)


第10話 マシンナーの装備実験2

「マシンナーさん、アウラから許可をもらいましたよ。一時間後に行きましょうか」

「うす」

 

 

 

第六階層中央部闘技場

 

(……なんぞこれ?)

(……すみません、マシンナーさん)

(……なんすかこれ?)

(……なんか話が大きくなってしまって)

 

話は一時間前に遡る…。

 

モモンガはアウラに<メッセージ>を送った。

 

『はい、モモンガ様何か御用ですか?』

『マシンナーさんの装備のテストをする為に、闘技場を使いたいんだが構わないか?』

『勿論です! 至高の御方が闘技場を使うのに許可なんて必要ありません! それにマシンナー様が戦うんなら、是非見てみたいぐらいです!』

『そうか、お前も見てみるか?』

『え!良いんですか?』

『ああ』

『ありがとうございます! ではマーレや他の人達も呼んできてもいいでしょうか?』

『ハハ、それぐらい構わないぞ?』

『わかりました! では準備をするので一時間後に来てください!』

『ああ…』

 

 

 

 

(で、こうなったんです)

(えー…)

 

俺の目の前に広がる光景は観客席がナザリックのモンスターで埋め尽くされている闘技場の光景だった。

なにこれ、武道館コンサートの会場ですか? なんか熱気をすごい感じるんですけど。

 

(これナザリックの大部分のモンスターいますよね? ていうかこんなに集まって大丈夫なのか?)

(いや本当にごめんなさい)

 

まあモモンガさんも悪気があったわけじゃないし、というか誰もこんなに集まるとは思わないし、てか許可しちゃった俺も悪い。

周りをよく見てみると、アルべド含む各階層守護者(ガルガンチュアとヴィクティム除く)とセバス、プレアデスの面々もいる。

 

(あれ?……マキナの面々もいる、お、アルティマ発見)

 

アルべド達が座っている座席より少し離れたところにアルティマ達隊長格達とレギオーの機械系モンスター達が陣取っていた。あいつらも来てくれたのか、こりゃ無様なところは見せられないな、てかアルティマよ、なんでビデオカメラ3個ほど設置してんの? ローグもなんか準備してるし。

 

「ローグ! カメラちゃんと映ってるよね? バッテリーは十分? 予備もちゃんとある?」

「無論だ問題ない、予備10個もあるからな…」

 

視覚センサーと音響センサーを使って会話を聞いてみる、いやいやお前ら運動会の親御さんですか? てか予備のカメラが10個って多すぎやしませんか? ローグさん?

 

「全て撮り終わったら観賞用と保存用と予備で分けるぞ!」

「久シブリニマシンナー様ノ戦イガ見レル…何トイウ幸運…」

「心が躍るな…」

 

おいゴルド! 観賞用と保存用と予備ってなんのことだよ!

そう心の中で突っ込んでいると、アルティマがこっちを向いてるのに気づいたのか、ぺこりと頭を下げる。

俺はそれを返すように手を振る。

 

「おお…! マシンナー様が我らに手を振っておられるぞ」

「マシンナー様…」

 

ゴルド達も気づいたらしいな、そういえばプレアデスが全員いるという事は……。

 

「……」

 

シズ発見! 目はズームできるから、はっきりと見える。

俺はシズに向けて腕を上げる。

 

あれ?もしかして気付いてない? まあ結構距離あるからなぁ……。

しかしユリ・アルファがなにやらシズに耳打ちしている。

 

「ほらシズ、マシンナー様が手をお振りになってるのよ?」

「…うん」

 

お、ぺこりと頭を下げてくれた。良かった良かった。

そういえばシズの好感度上げるにはどうすればいいだろうか?

勿論、いいところを見せるに限るんだが…。

 

(て今がそのいいところ見せるチャンスじゃね?)

(どうしたんですか、マシンナーさん?)

 

横からモモンガさんの声が聞こえたので、俺はモモンガさんの方に首を向ける。

 

「モモンガさん」

「はい」

「(シズに良いところ見せるチャンス作ってくれて)ありがとうございます」

「え?」

「モモンガ様ー! マシンナー様ー!」

 

俺がチャンスをくれたモモンガさんに礼を言ってると、アウラがマーレを引っ張ってきた。

 

「ようこそおいでなさいました! モモンガ様! マシンナー様! この通り、準備完了してます!」

「うむ、ご苦労だったな」

「ご苦労だった、礼を言う」

「お礼だなんてとんでもない! シモベとして当然の事をしただけですよ!」

「ふふ…そうか」

 

俺はアウラの頭をワシワシと撫でる、撫でられたアウラは「えへへ…」と笑っている。可愛い奴だ。

隣のマーレは少し羨ましそうに、見ていた。

 

「マーレもな、ありがとう」

「え!? は! はい!」

 

マーレにも頭を撫で、撫で終わった後に、モモンガさんの方を向いた。

 

「ではモモンガさん、貴賓席に座って観戦しててくれ」

「ええ、わかりましたマシンナーさん」

「アウラとマーレも席に着いててくれ」

「「はい!」」

 

その後モモンガさんとアウラ達は転移し、座席に座っていた。

そして俺は闘技場にいる悪魔やらアンデッドの集団を見つめる。

頭の演算装置で数を計算し、その総数を出した。

 

(500か…ま、ちょうどいいか)

 

目の前の集団が獲物を見つけたような目で俺を見て、今にもとびかかりそうだ。

そこにモモンガさんが「始めろ」という。

 

「それではこれより至高の御方であるマシンナー様とナザリックの配下による、実戦演習を行います」

 

その言葉を聞いて、待ってましたと言わんばかりに、襲いかかってくる。

さ~てひと暴れしますか。

俺はフェイスガードを装着し、腰に差していた柄を握り閉め、俺の装備の一つ<41式斬艦刀>の刃を展開させる。

剣の柄からは赤い刀身が出現し、大剣となっていた。

 

前方からスケルトンの集団がとびかかってくる。

それぞれのスケルトンがその腕や、口を使って襲いかかろうとした。

 

「遅い…」

 

マシンナーが右手に持っていた斬艦刀を片手で軽々と振るい、襲いかかってきたスケルトンを次々と両断した。

スケルトンを切り捨てたマシンナーは何事もなかったように歩を進める。

 

 

 

 

sideアルティマ

 

マシンナーがナザリックに帰還して程なく、階層守護者のアウラとマーレからマシンナーが模擬戦をするというメッセージを聞く。

しかも見学は自由。

そう聞いて、アルティマ達フェツルム・レギオーは狂喜乱舞した。

この知らせは他のシモベ達にも伝わった。

アルティマ達隊長格は主要なモンスター達を率いて闘技場に向かった。

 

(マシンナー様の戦いを見られるのも久しぶりだな…)

 

アルティマ達が闘技場に着き、席に着いた後、少したってからマシンナーが姿を現す。

 

(ああ…やはりいつ見ても見事…)

 

アルティマは全ての装備をつけたマシンナーに感動していた。

マキナの司令官補佐として、いつも傍らから見ていたアルティマ。

司令室で見せた優しい主として姿ではなく、「ナザリックの機動兵器」と敵から恐れられたマシンナーの姿だった。

 

「あの姿こそ我々が知っている司令官だな…」

「ああ! ここからでもあの御方の覇気を感じる…!!」

 

録画用のカメラを設置し終えたローグと、マシンナーの姿に感動で打ち震えているゴルド。

そう思うのも無理はない、自分も例えようのない感情が湧き上がっている。

 

「ほらシズ、マシンナー様が手をお振りになってるのよ?」

「…うん」

 

(先ほどの手は、やはりシズ・デルタに向けていたのか…マシンナー様も罪作りな…)

 

アルティマはマシンナーがシズに手を振っているのを確認し、自分の創造主の行動に微笑を浮かべる。

マシンナーがプレアデスのシズ・デルタに恋心を寄せているのは知っているからだ。

シズを創造した御方が、御隠れになる前にマシンナーの自室に来たことを思い出す。

そしてその御方から「シズを任せる」と言われたのを、傍らにいたアルティマは覚えている。

 

「それにしても本当に久しぶりだよ、マシンナー様の戦いが見られるなんて」

「…そうだな」

 

アルティマがそうつぶやき、ローグが頷く。そしてモモンガが貴賓席に転移するのを確認し、そこからアルべドの開始の言葉が聞こえる。

 

「そろそろだね…」

「カメラをまわすぞ」

 

開始の言葉を聞いて即座にローグはカメラを起動させた。

 

 

 

 

sideマシンナー

 

斬艦刀は問題なく使用できた。ならば飛び道具の方も実験しよう。

 

丁度、地獄の猟犬(ヘル・ハウンド)獣の動死体(アンデッド・ビースト)が徒党を組んでこっちに向かってくる。

 

「馬鹿め」

 

ロールプレイしながら俺は射撃武器の<シュバルツ・カノーネ>を取り出す。

黒い銃身に銃口の下には銃剣代わりにパイル・バンカーが装備されており、近距離に近づかれても迎撃できるライフルなのだ。

 

「ターゲット、インサイト!」

 

俺は突っ込んでくる地獄の猟犬と獣の動死体の頭部にロックオンする。

 

「撃ち抜く…!!」

 

ドドドドン、とシュバルツ・カノーネを連射する。飛んでいったエネルギーの塊は突っ込んできた地獄の猟犬と獣の動死体の全ての頭部に命中したのだが、あいつらが弱いためか、上半身も吹っ飛ばしていた。

続けて翼の生えた悪魔達が編隊を組んで俺に向かって飛んでくる。

 

「<クラッシュ・レイ>!」

 

自分がよく使っているスキルの一つ、威力は低いがその分使い勝手はいいため、牽制等に使っていた。

自分の眼を光らせて光線を発射、そのまま首を回し光線を横薙ぎにして命中、悪魔たちは消滅した。

 

(真マジンガーの光子力ビームかよ…悪魔が消滅しちゃったよおい)

 

威力検証でこの状態でのフルパワーで発射したとはいえ、まさか消滅するとは思わなかった、威力では一応低い方に入るんだけど。

そう考えている間もなく、アンデッドと悪魔が襲ってきたので、それを迎撃することにした。

その中であるアンデッドを見つける。それは鎧で覆った死霊の騎士。

左手には巨大なタワーシールドを、右手にはフランベルジュを持っている。

 

死の騎士(デス・ナイト)か…」

 

中位アンデッドであり、優秀な壁役である死の騎士。

そいつが俺にフランベルジュを振り下ろしてきたので、俺はそれを掴んで止める。

 

「どうした? それで全力か?」

 

死の騎士は雄叫びを上げ、力を入れるがびくともしない。

俺は空いている手を死の騎士の目前に突き出した。

 

「次は俺だ」

 

こぶしに力強く握りしめ、思いっきり叫んだ。

 

「<ロケット・パンチ>!!」

 

叫んだ後にドガァン、と飛び出した俺の拳が死の騎士の身体を勢いよく貫通していった。

勢いがありすぎたのか、死の騎士の後ろに居た奴らにも襲い掛かり、次々と身体をぶち抜いている。

 

「…ちゃんと戻ってくるかな?」

 

飛んでいった自分の拳を見て、そうつぶやく、一応ゲームではちゃんと戻ってきたから大丈夫だと思っているけど。

そう考えながら、俺はさっき襲いかかってきた悪魔の頭をアイアン・クローで握りつぶす。

そして何かがこっちに接近してくるのを確認し、それが俺の腕だとわかり、安心する。

 

「良かった良かった、危うく自分で拾いに行くとこだったよ」

 

腕がゆっくりとこっちに来たので、俺は無い方の腕を伸ばす。

飛んできた方の腕は反転し、そのままガチャンと、小気味いい音を出していた。

 

「さて…ここからは攻めるとしようか」

 

俺は地面に突き刺していた斬艦刀を持ち、肩に担ぎ、スラスターを全開にし、アンデッドと悪魔の集団に突撃する。

 

「お前たちに教えてやろう、全てを焼き尽くす暴力というものをな……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘描写が難しい…( ;∀;)

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