流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~ 作:フレイムナイト
「どうしよう・・・本編がシリアスになってきて、ネタを入れる余地がない・・・」
スバル・熱斗
「オイ!!」
今まで、熱斗達と戦ってきたダークロイド達、そしてファントム・ブラック・・・彼らが闇に消え、再び訪れた静寂。
『なんて・・・事を・・・』
『仲間を、見放しやがった・・・!!』
ハープの青ざめた声と、怒りが滲み出たウォーロックの声が、不気味に静まり返った空間に小さく響く。
「なんだ? 君達の敵が消えたというのに、嬉しく・・・」
「「んな事言ってんじゃない!!!」」
アシッド・エースとジャック・コーヴァスの叫びが、Dr.ガルナの声を打ち消す。
「確かに、彼らはボク達の敵だ。 でも! 彼らは彼らなりに、お前達を信じて、付き従っていた! それをあっさりと、お前達は切り捨てた!」
「彼らに同情なんてする気はないわ! 私達は、貴方達がした事が、"信頼とキズナを侮辱する行為"が許せないのよ!!」
スバルとハープ・ノートが続いて、Dr.リーガルとDr.ガルナに言い放つ。
「フッ、信頼とキズナか・・・。 そんなもの、我らが目指す闇の世界には必要のないものだ」
「クッ!」
「テメェ!」
Dr.リーガルの冷たい言葉に、ジェミニ・スパークW・Bのエレキソードがバチバチと火花を放つ。
「クックック・・・さぁ、最後の仕上げだ! 全員、上を見ろ!!」
Dr.ガルナが上を指差す。
それと同時に、重圧感のある"黒いノイズ"が発生した。
全員が火口の上を見上げる。
そこには本来、黒い雲に覆われた空が、円形状に見えるはずだった。
しかしそこには、黒い球体のような巨大な物体が、火口を塞ぐように浮かんで存在していた。
「こ、この感じ・・・!?」
「まさか!?」
オックス・ファイトとクイーン・ヴァルゴの顔から血の気が引く。
だがそれは、"未来から来た者"達、全員がそうだった。
「メテオG・・・!!」
スバルが、黒い球体の名を静かに言った。
「気持ち悪い・・・」
「ひどいノイズね」
メイルと銀色が思わず口を手で塞ぐ。
「何なんだ、アレは?」
「アレは、メテオG・・・長い年月を宇宙で彷徨ったノイズの塊だ」
炎山にアシッド・エースが説明する。
「でもそれは、スバルが木端微塵に破壊してもう無いはずだろ?」
熱斗はスバルとウォーロックから聞いた事を話す。
「じゃあ、アレは何だって言うんだ?」
「アイツらが、そのメテオGを直したって事?」
デカオとやいとが互いに言い合う。
「その通り。 メテオG事件の後、私はディーラーのアジト,宇宙に散らばったメテオGの残留電波からメテオGを復活させた」
「なんて事をするんだ、Dr.ガルナ! 今すぐそれをデリートするんだ!」
『それがどんだけヤバイ物か、地球にいたなら分かるだろ!?』
スバルとウォーロックがDr.ガルナに言い放つ。
「分かるからこそ、復活させたのだ! この力を持ってすれば、ネビュラグレイをさらに進化させる事が出来る!!」
「何っ!?」
その間にも、黒い球体・メテオGはゆっくりと下降してくる。
そして、ある程度降下してくると、メテオGはピタリと空中で停止する。
「さぁ、ネビュラグレイよ!!」
グオオォォォ・・・!!
獣の唸り声と共に、メテオGの目の前に黒い穴が現れる。 そして、黒い穴から出てきた、ファントム・ブラック達を飲み込んだ赤黒い"手"がメテオGに向かって伸びる。
赤黒い"手"が、メテオGを掴んだ。
瞬間、激しい閃光が辺りを包み込む。
「うわぁ!」
「きゃあ!」
全員、その閃光に思わず目を瞑る。
次に全員が目を開けた時、"黒い穴"と呼んでいたものは、全くの別の存在になっていた。
「ブラックホール・・・」
誰かが無意識にそう呟く。
スバル達の視線の先には、今までの黒い穴よりも大きく、紫かがった黒の粒子が渦巻いた円が、リーガルとガルナの後ろに存在していた。
「これぞ! ネビュラグレイとメテオGが融合して生まれた究極の闇の化身『ロードオブカオス』だ!!」
Dr.ガルナが、両腕を広げて、興奮気味に熱斗達に言い放つ。
「メテオGと融合・・・ロードオブカオスだと!?」
「後は、ココロサーバーにこのロードオブカオスをインストールすれば、全人類の心を闇に染めるサーバー『ダークネスサーバー』が完成する!!」
「クッ・・・させるかよ! お前達の思い通りになんか、絶対にさせるかよ!!」
熱斗がリーガルとガルナに向かって叫ぶ。
「でも、一体どうすればいいの!?」
クイーン・ヴァルゴがロードオブカオスから目を離さず言う。
「方法がたった一つだけある」
シドウが静かにみんなに話す。
「何だ、その方法って?」
オックス・ファイアの問いにシドウはロードオブカオスを指差す。
「あの中に入るんだ」
「えっ!?」
「ロードオブカオスはネビュラグレイとメテオGが融合したものだ。 なら、あの中にはメテオGと同様に電脳世界があるはずだ。 中に入って、取り込まれたロックマンとブライを連れ戻せれば・・・」
「そうか! ロックマンはココロサーバーを完成させるためのプログラム、オラシオン・ロックとホープ・キーを持っている。 ロックマンを連れ戻せれば、少なくとも、ダークネスサーバーの完成を阻止できる」
シドウの言葉を炎山が繋ぐ。
「でも、誰が入るんですか?」
そう言うメイルの声は若干震えていた。
「恐らく、あの中はメテオGと比べものにならない量のノイズが充満しているはずだ。 そのノイズに耐え、ロードオブカオスの電脳を探索出来る者がいるとすれば・・・」
シドウ達、電波人間の視線がスバルに向く。
スバルは覚悟を決めているように、力強い眼を仲間達に向ける。
「行くよ! ボクがロックマンとブライを助け出す!!」
「スバル・・・」
「スバル君・・・」
スバルの言葉に、みんながゆっくりと頷く。
「待ってくれ!!」
その時、今まで黙っていた熱斗が、スバルの前に一歩踏み込む。
「オレも行く・・・!」
ブライ
「黙って見ていれば、オレを助け出すなどと・・・余計な事だ!」
フレイムナイト
「じゃあ、無視してもらえば良かった?」
ブライ
「・・・・・・」
スバル
「それはそれで、嫌なんだね」