流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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フレイムナイト
「どうしよう・・・本編がシリアスになってきて、ネタを入れる余地がない・・・」

スバル・熱斗
「オイ!!」


第九十六話  ダークネスサーバー

 今まで、熱斗達と戦ってきたダークロイド達、そしてファントム・ブラック・・・彼らが闇に消え、再び訪れた静寂。

 

『なんて・・・事を・・・』

『仲間を、見放しやがった・・・!!』

 ハープの青ざめた声と、怒りが滲み出たウォーロックの声が、不気味に静まり返った空間に小さく響く。

 

「なんだ? 君達の敵が消えたというのに、嬉しく・・・」

 

「「んな事言ってんじゃない!!!」」

 アシッド・エースとジャック・コーヴァスの叫びが、Dr.ガルナの声を打ち消す。

 

「確かに、彼らはボク達の敵だ。 でも! 彼らは彼らなりに、お前達を信じて、付き従っていた! それをあっさりと、お前達は切り捨てた!」

「彼らに同情なんてする気はないわ! 私達は、貴方達がした事が、"信頼とキズナを侮辱する行為"が許せないのよ!!」

 スバルとハープ・ノートが続いて、Dr.リーガルとDr.ガルナに言い放つ。

 

「フッ、信頼とキズナか・・・。 そんなもの、我らが目指す闇の世界には必要のないものだ」

「クッ!」

「テメェ!」

 Dr.リーガルの冷たい言葉に、ジェミニ・スパークW・Bのエレキソードがバチバチと火花を放つ。

 

「クックック・・・さぁ、最後の仕上げだ! 全員、上を見ろ!!」

 Dr.ガルナが上を指差す。

それと同時に、重圧感のある"黒いノイズ"が発生した。

 

全員が火口の上を見上げる。

そこには本来、黒い雲に覆われた空が、円形状に見えるはずだった。

しかしそこには、黒い球体のような巨大な物体が、火口を塞ぐように浮かんで存在していた。

 

「こ、この感じ・・・!?」

「まさか!?」

 オックス・ファイトとクイーン・ヴァルゴの顔から血の気が引く。

だがそれは、"未来から来た者"達、全員がそうだった。

 

「メテオG・・・!!」 

 スバルが、黒い球体の名を静かに言った。

 

「気持ち悪い・・・」

「ひどいノイズね」

 メイルと銀色が思わず口を手で塞ぐ。

 

「何なんだ、アレは?」

「アレは、メテオG・・・長い年月を宇宙で彷徨ったノイズの塊だ」

 炎山にアシッド・エースが説明する。

 

「でもそれは、スバルが木端微塵に破壊してもう無いはずだろ?」

 熱斗はスバルとウォーロックから聞いた事を話す。

 

「じゃあ、アレは何だって言うんだ?」

「アイツらが、そのメテオGを直したって事?」

 デカオとやいとが互いに言い合う。

 

「その通り。 メテオG事件の後、私はディーラーのアジト,宇宙に散らばったメテオGの残留電波からメテオGを復活させた」

 

「なんて事をするんだ、Dr.ガルナ! 今すぐそれをデリートするんだ!」

『それがどんだけヤバイ物か、地球にいたなら分かるだろ!?』

 スバルとウォーロックがDr.ガルナに言い放つ。

 

「分かるからこそ、復活させたのだ! この力を持ってすれば、ネビュラグレイをさらに進化させる事が出来る!!」

 

「何っ!?」

 

その間にも、黒い球体・メテオGはゆっくりと下降してくる。

そして、ある程度降下してくると、メテオGはピタリと空中で停止する。

 

「さぁ、ネビュラグレイよ!!」

 

グオオォォォ・・・!!

 

獣の唸り声と共に、メテオGの目の前に黒い穴が現れる。 そして、黒い穴から出てきた、ファントム・ブラック達を飲み込んだ赤黒い"手"がメテオGに向かって伸びる。

 

赤黒い"手"が、メテオGを掴んだ。

 

瞬間、激しい閃光が辺りを包み込む。

 

「うわぁ!」

「きゃあ!」

 全員、その閃光に思わず目を瞑る。

 

次に全員が目を開けた時、"黒い穴"と呼んでいたものは、全くの別の存在になっていた。

 

「ブラックホール・・・」

 誰かが無意識にそう呟く。

 

スバル達の視線の先には、今までの黒い穴よりも大きく、紫かがった黒の粒子が渦巻いた円が、リーガルとガルナの後ろに存在していた。

 

「これぞ! ネビュラグレイとメテオGが融合して生まれた究極の闇の化身『ロードオブカオス』だ!!」

 Dr.ガルナが、両腕を広げて、興奮気味に熱斗達に言い放つ。

 

「メテオGと融合・・・ロードオブカオスだと!?」

 

「後は、ココロサーバーにこのロードオブカオスをインストールすれば、全人類の心を闇に染めるサーバー『ダークネスサーバー』が完成する!!」

 

「クッ・・・させるかよ! お前達の思い通りになんか、絶対にさせるかよ!!」

 熱斗がリーガルとガルナに向かって叫ぶ。

 

「でも、一体どうすればいいの!?」

クイーン・ヴァルゴがロードオブカオスから目を離さず言う。

 

「方法がたった一つだけある」

 シドウが静かにみんなに話す。

 

「何だ、その方法って?」

 オックス・ファイアの問いにシドウはロードオブカオスを指差す。

 

「あの中に入るんだ」

 

「えっ!?」

 

「ロードオブカオスはネビュラグレイとメテオGが融合したものだ。 なら、あの中にはメテオGと同様に電脳世界があるはずだ。 中に入って、取り込まれたロックマンとブライを連れ戻せれば・・・」

「そうか! ロックマンはココロサーバーを完成させるためのプログラム、オラシオン・ロックとホープ・キーを持っている。 ロックマンを連れ戻せれば、少なくとも、ダークネスサーバーの完成を阻止できる」

 シドウの言葉を炎山が繋ぐ。

 

「でも、誰が入るんですか?」

 そう言うメイルの声は若干震えていた。

 

「恐らく、あの中はメテオGと比べものにならない量のノイズが充満しているはずだ。 そのノイズに耐え、ロードオブカオスの電脳を探索出来る者がいるとすれば・・・」

 シドウ達、電波人間の視線がスバルに向く。

スバルは覚悟を決めているように、力強い眼を仲間達に向ける。

 

「行くよ! ボクがロックマンとブライを助け出す!!」

 

「スバル・・・」

「スバル君・・・」

 スバルの言葉に、みんながゆっくりと頷く。

 

 

 

 

 

「待ってくれ!!」

 その時、今まで黙っていた熱斗が、スバルの前に一歩踏み込む。

 

 

「オレも行く・・・!」




ブライ
「黙って見ていれば、オレを助け出すなどと・・・余計な事だ!」

フレイムナイト
「じゃあ、無視してもらえば良かった?」

ブライ
「・・・・・・」

スバル
「それはそれで、嫌なんだね」

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