流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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フレイムナイト
「明けましておめでとうございます!! 今回はちょっと怖いです!!」

熱斗・スバル
「年明け早々!?」


第九十五話  喰らう

グロロォォォ・・・・・・

 

突如、Dr.リーガルの後ろに現れた黒い穴から、獣の様な唸り声が聞こえてくる。

まるで、怪物が地の底から這い上がってくるようだ。

 

「あの穴、まるで地獄の底に繋がるトンネルだな」

「それ、冗談で言ってるよね?」

 ジェミニ・スパークBが言った言葉が冗談である事をジェミニ・スパークWは真剣に願う。

 

『・・・戦えない人は後ろに下がって』

『戦う度胸のあるのは構えて・・・』

 ハープとアリエルが静かに、だがはっきりと言う。

電波変換している者達は、黒い穴から発せられる電波を感じ取っていたが、ハープとアリエルはさらに、穴から聞こえる声を敏感に感じ取っていた。

 

 

・・・・・・来る!!

 

 

 

 

 

グオオオォォォ!!!!!

 

"手"だ!

雄叫びのような叫びと共に、黒い穴が塞がってしまう程に巨大な赤黒い"手"が出て来た。

 

「・・・・・・ッ!?」」

 突然の出来事にみんな体が硬直してしまい、叫ぶ声さえ飲み込んでしまう。

 

 

「彩斗兄さん!!」

 熱斗の絶叫を皮切りに、みんな体の硬直が解ける。 赤黒い"手"が、ロックマンを握り締めたのだ。

 

『スバル!』

「ウォーロックアタック!!」

『銀色!』

「彩斗ぉ!!」

 標準を定め、スバルは一気にターゲットの前まで跳躍する。 銀色もその後ろに続く。 ターゲットは勿論、ロックマンを握りこんでいる赤黒い"手"だ。

 

「ビーストスィング!!」

「オカリナブレード!!」

ウォーロックの爪と銀色の剣が"手"を切り裂く。

しかし、"手"は切り裂かれる寸前に、黒い穴に引っ込もうと後ろに動き、ウォーロックと銀色の攻撃は僅かに逸れてしまう。

 

『ダメだ! 浅い・・・!』

 ウォーロックは切った感触に攻撃が浅いと感じる。

 

「・・・ッウ!」

 スバルはその言葉に歯を食いしばると、ロックマンを掴んだ"手"に向かって力いっぱい手を伸ばす。

 

「無駄な事を・・・!!」

 しかし、スバルの前にファントム・ブラックが立ちはだかり、持っていたステッキでスバルを後ろに殴り飛ばす。

 

「グアッ!!」

「キャアッ!!」

 後ろにいた銀色を巻き込み、スバルは熱斗達のいる場所まで飛ばされてしまう。

 

「スバル!」

「銀色さん!」

 熱斗とメイルが駆け寄って、スバルと銀色を支え起こす。

 

「何なの、あの"手"!?」

 やいとが震える指で、黒い穴から出てきた"手"を指差す。

 

「フハハハ! これこそ、我が闇の技術の結晶!! ネビュラグレイだ!!!」

 Dr.リーガルの高らかな声が響く。

 

「ネビュラ・・・グレイ?」

 誰かがDr.リーガルの言った言葉をオウム返しに呟く。

その間にも、"手"は黒い穴の中へと戻っていく。

 

『ミソラ! あの"手"を引きずり出さないと!!』

「ええ! マシンガンストリ・・・」

 ハープ・ノートが"手"に向かってギターの弦を伸ばそうとする。

 

『させるか! スワローカッター!!』

『スノーローリング!!』

『コスモバスター!!』

『ミニークラウド!!』

『クラッシュノイズ!!』

 しかし、その直前にダークロイド達が仲間達に向かって一斉に攻撃を仕掛けてきた。

 

「ブロロロォォ!! ファイアブレス!!」

「グレイブクロ―!!」

「ハイドロドラゴン!!」

「ジェミニサンダー!!」

「アシッドブラスター!!」

 オックス・ファイア、ジャック・コーヴァス、クイーン・ヴァルゴ、ジェミニ・スパーク、アシッド・エースの攻撃がダークロイド達の攻撃とぶつかり、相殺される。

 

「邪魔すんな!!」

 デカオがダークロイド達に向かって叫ぶ。

 

『それはこちらのセリフだ。 ネビュラグレイの食事の邪魔をしないでもらおうか』

 そう言うシェードマンはキキッと含み笑いをする。

 

 

 

 

 

「うるさい奴らだ・・・」

 ブライだ。 ダークロイド達がスバル達に気を取られている間に、ブライは"手"の目の前まで跳躍していた。

 

「させると思っているのか?」

 ダークロイド達の隙を衝く事は出来ても、まだファントム・ブラックが残っている。

ファントム・ブラックはスバルと同じ様にブライも殴り飛ばそうとステッキを振る。

 

「・・・邪魔だ」

 ブライがラプラスソードを頭上に振り上げ、一気に振り落とす。

 

グラウンドブレイクソード!!!

 

「ドワァ!!」

 ファントム・ブラックをその剣圧で弾き飛ばし、ラプラスソードは"手"に向かって振り落とされた。

 

 

「何っ!?」

『ギギッ・・・!?』

 振り落とされたラプラスソードの剣先を見て、ブライとラプラスは自分の目を疑った。

 

ラプラスソードは、"手"に切り込んでいるように見える。 だがよく見ると、それはきりこんでいるんじゃない。 "手"に"飲み込まれている"のだ。

 

「バカな!?」

「ブライ! ソードから手を放すんだ!!」

 スバルがブライに向かって叫ぶ。

だが"手"はスバルが言い終わる前に、ラプラスソードを掴んだブライごと、黒い穴の中に戻って行ってしまった。

 

「ロックマーーン!!」

「ブライーー!!」

 熱斗とスバルの絶叫がその場に響き渡る。

響き終わった後に訪れた静寂が、一瞬の沈黙を作り出す。

 

「ハハハハハッ!!」

 その沈黙を破ったのは、ファントム・ブラックの高笑いだった。

 

「素晴らしいっ! Dr.ガルナ、ネビュラグレイはまさに、究極の闇の化身だ!!」

 いつのまにか、ファントム・ブラックはDr.ガルナの傍に近寄ってDr.ガルナを褒め称えていた。

 

「フッ、ネビュラグレイはありとあらゆるモノを取り込み、自らの糧とする。 そう、まるでブラックホールの様にな・・・」

 Dr.リーガルが茫然と立ち尽くす熱斗達を見下ろしながら、自慢げに話す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ファントム・ブラック、お前もだ」

 

誰も思わなかった。 Dr.ガルナが繋げて言った言葉を

誰もが目を疑った。 あの黒い"手"がファントム・ブラックを掴む光景を

 

「なっ・・・・・・!?」

 ファントム・ブラック自身、自らに起こった自体についていけない。

体だけでなく、喉さえも硬直してしまった様に、何も言葉が出ない。

 

『Dr.ガルナ様!? な、何を!?』

『ヒュ、ヒュルルルー!?』

 そう言うクラウドマンとブリザードマンは明らかに動揺していた。

他のダークロイド達も同じく、動揺を隠せないでいる。

 

 

「お前達もだ」

だが、そんなダークロイド達にDr.リーガルの冷たい言葉が浴びせられた。

一瞬でダークロイド達の傍に黒い穴が出現し、ダークロイド達を吸い込もうとする。

 

「みんな、ダークロイドから離れて!!」

「巻き込まれないように踏ん張るんだ!!」

 事態の異常さを感じたクイーン・ヴァルゴとアシッド・エースが仲間達に指示を出す。

 

ジェミニ・スパークB・Wはエレキソードを地面に突き立てその場に踏ん張る。

メイル達はオックス・ファイア,ハープ・ノート,ジャック・コーヴァスが、熱斗はスバルと銀色が、黒い穴に吸い込まれないように支えて守る。

 

「Dr.ガルナ! こ、これはどういう事だ!?」

 やっとという感じで、ファントム・ブラックがDr.ガルナに向かって叫ぶ。

 

「見たままだ。 ココロサーバーは完成し、オラシオン・ロックとホープ・キーを手に入れた。 後は・・・」

 そこでDr.ガルナは一旦言葉を区切り、邪悪な笑みをファントム・ブラックに向ける。 続いて、黒い穴に吸い込まれじと抗うダークロイド達にも視線を傾ける。

 

 

 

 

 

「ネビュラグレイをより強力にする為に、エサを喰らわすだけだ」

 

Dr.ガルナが言い終わるのと同時に、Dr.リーガルが右腕を上げる。

最早、その場に居た全員が声を発する事は無く、全ての者の視線がDr.リーガルに向けられる。

 

 

Dr.リーガルが右腕を下げた。

 

 

ファントム・ブラックを掴んだ"手"が黒い穴へと戻っていく。

ダークロイド達を黒い穴に吸い込もうとする力が強くなった。

 

「お、おのれ~~~!!! ガルナ~~~~~!!!」

『ギャアアアアァァァァァ!!!』

呪いの言葉と断末魔を上げ、ファントム・ブラックとダークロイド達が闇に喰われていった・・・。




熱斗・スバル
「・・・・・・」

ウォーロック
『・・・・・・』

フレイムナイト
「・・・・・・」

熱斗
「って! 黙っている場合じゃねえよ!! 何が"今回はちょっと怖い"だ!?」

スバル
「む、無茶苦茶怖いじゃないかぁ!!」

ウォーロック
『新年明けて、初めての投稿がこれかよ!!』

フレイムナイト
「しょーがないでしょ!! もうこの小説クライマックスまで来てるのよ!! これ位シリアスな展開になってもおかしくないじゃない!? 次もすごい事になるんだからね!!」

ウォーロック
『すごいじゃなくてエグイの間違いじゃないだろうなぁ・・・』

スバル
「シ、シリアスすぎる・・・かも?」

熱斗
「今年も先が思いやられるぜ・・・」

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