流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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第八十七話  撃つ

「・・・・・・」

 

 熱斗もスバルも、そしてウォーロックさえもが、ダークロックマンの話に言葉を失い、その場に立ち尽くした。

 

「・・・それじゃあ、ダークロックマンって、彩斗兄さんの、本当の自分を名乗れないことからの苦しみから生まれた、心の闇そのもの?」

 

少しの沈黙の後、熱斗がようやく口を開く。

 

『そう考えてくれていいよ』

 ダークロックマンがさらりと言った。

 

『ロックマンはネビュラにダークチップを埋め込まれたって言ってたよな? それが原因で"コイツ"が表に出てきちまったってことなのかよ!』

 ウォーロックがダークロックマンを指差す。

 

 

『・・・話はここまでだ』

 ダークロックマンがロックバスターを構える。 スバルもそれを見て、熱斗を自分の後ろにやると同じくバスターを構えた。

 

バンッ!

 

同時に放たれたロックバスターの弾丸が、空中で互いの弾丸の威力を打ち消す。

 

それを合図に、スバルが地面を蹴る。

 

「熱斗君!」

「・・・ッ! バトルチップ・ワイドソード、スロットイン!!」

 熱斗は少し躊躇いながらも、スバルにバトルチップを転送する。

スバルの左腕が、幅の広いソードに姿を変える。

 

『バトルチップ・ダークソード!!』

 ダークロックマンの右腕が紫色のソードに姿を変える。

 

ガキンッ!!

 

二つのソードが交わった衝撃音が、ダークチップファクトリーに響く。

 

「ダークソード!?」

『コイツ、自分一人でバトルチップを転送できるのか?』

 

『ロックバスター!』

「クッ・・・!」

 ダークロックマンが左腕でバスターをスバルに向かって打ち放つ。

スバルは後ろに仰け反ると、ダークロックマンと間合いを取る。

 

「スバル!」

 熱斗がスバルに近寄る。

 

「熱斗君! 危ないから離れて・・・」

「本当に戦うしかないのか?」

 スバルの言葉を熱斗が遮る。

 

「熱斗君・・・本当はボクだって嫌だよ。 ロックマンと戦うなんて。 だけど・・・」

 

『バトルチップ・ダークワイド!!』

 ダークロックマンの右腕が幅の広い紫色のショットに姿を変え、闇の刃がスバルと熱斗を襲う。

 

「クッ!」

 スバルは話を中断すると、熱斗を抱え、ジャンプして闇の刃をかわす。

 

しかしダークロックマンはそれを予測していたのか、スバルが降り立つ直前、右腕は巨大な扇風機に姿を変えていた。

 

「!? バトルチップ・ドリームオーラ、スロットイン!!」

 熱斗もダークロックマンの右腕を見て、スバルに抱えられながらもバトルチップを転送する。 二人の周りに黒いバリアが張られる。

 

だがダークロックマンはそれを気にせず、右腕をスバル達に向ける。

 

『バトルチップ・ダークトルネード!!!』

 次の瞬間、何十個もの黒い竜巻がスバルと熱斗に襲いかかってきた。

 

『まずい、防ぎきれない!!』

 ウォーロックが叫んだ瞬間、スバルは熱斗を庇うように頭から抱きかかえた。 その直後、ドリームオーラが破壊され、竜巻がスバルに直撃した。

 

「くあぁぁ!!」

 ダメージを受けた衝撃で、スバルは抱きかかえた熱斗を離してしまい、熱斗とスバルは互いに離れた場所の地面に倒れ込んでしまう。

 

「ス、スバル!」

 スバルが庇ってくれたおかげで、熱斗にはダメージは無かったらしく、直ぐに立ち上がるとスバルの元に駆け寄ろうとする。

 

 

 

 

 

『ここまでだ』

 

『「「!?」」』

 

 熱斗達が気付いた瞬間、熱斗の目の前にダークロックマンが立ちはだかった。

 

「熱斗君!」

『ヤベェ!』

 スバルとウォーロックがダメージを受けた体で必死に立ち上がって熱斗の元へ駆けるが間に合わない。

 

 

「彩斗兄さん」

『これで、全てが終わる・・・』

 そう言うと、ダークロックマンは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熱斗にロックバスターを放った。


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