流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

87 / 105
第八十六話  真相

『ボクは、オラシオン・ロックとホープ・キーを破壊し、全てを終わらせる・・・!』

 

「オラシオン・ロックとホープ・キーを破壊!?」

 

『二十年ほど前、ある二人の科学者が、人と人の心を繋げることを目的としたネットワークシステムを作った。 そのシステムの名はココロネットワーク』

 

「ココロネットワーク・・・」

 

『ココロネットワークは、本体となる機械"ココロサーバー"から放出される特殊な電波によって"全ての人の心をネットワークで接続する"というシステムだ』

 

「全ての人の心をネットワークで接続する!?」

『そんなこと出来るのかよ!?』

 スバルとウォーロックが信じられないというように驚く。

 

『出来たんだ。 あの二人はそれを可能にした。 光 正とDr.ワイリーは・・・』

 

「Dr.ワイリーだって! それにおじいちゃんが!?」

 熱斗も驚きで思わず前に一歩踏み出す。

 

 

『オラシオン・ロックとホープ・キーは、ココロサーバーの機動力を担うエネルギー精製プログラム、『イキシア』を封印するプログラムだ。

そして、オラシオン・ロックとホープ・キーを起動・制御するプラグラムは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボク達自身だ。 熱斗・・・』

 

 

「・・・えっ?」

 

『光 正は、ココロサーバーの設計のために、人間の精神をデータ化する研究もしていた。 アイツはそれを利用して、生まれたばかりのボクと熱斗の精神を一時的にデータ化し、そのデータに制御プログラムを組み込んだ。 ボクにはオラシオン・ロックを制御するプログラムを、君にはホープ・キーを制御するプログラムを・・・』

 

「「『・・・!!?』」」

 

『だからこそ、熱斗はホープ・キーの力を制御してクロス・マジシャンを使うことが出来たんだ。 後は知っての通り、七年前のあの事件でボクは無意識の内にオラシオン・ロックの制御プログラムとしての力を発動させてしまい、イキシアの力を一時的に開放し、ネットナビ・ロックマンとなった』

 

「「『・・・・・・』」」

 

『ボクは、イキシアの力によって人間ではない存在になってしまった・・・挙句、ボクと親しい人達の中からは存在そのものが消えてしまった・・・!!』

 ダークロックマンの言葉に、怒りがにじみ出ている。

 

『もう二度と人間に戻れないと思った・・・だから、ボクは熱斗のネットナビとしてずっと傍に、自分が兄だということを隠していこうと決めたんだ。

熱斗が、自分のせいでこんな事になってしまったって自分で自分を責めると思ったから。 だからいっそ、彩斗としてのボクは忘れてしまったままの方がいいと思ったんだ』

 

(スバルの言った通りだ! やっぱり、彩斗兄さんはオレの事を思って真実を言わずにいたんだ)

 熱斗は胸に何かが突き刺さったような感覚を得た。

 

 

『だけど、その想いは時が経つに連れ、疑心に変わっていった。

"どうしてボクは人間に戻れない? どうしてボクは熱斗に兄だと名乗れない?"って・・・その想いは、いや、疑心はロックマンの心の中で段々大きくなっていたんだ』

 ロックマンは途中から自分の呼び方を「ボク」から「ロックマン」に変える。 そして、右手で自分の胸を抑える。

 

 

 

 

 

『そして・・・その想いは、ダークロックマンと言う名の心の闇を産み出したんだ』


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。