流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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第七十四話  デカオ、男花道!!

「・・・開くぞ」

 炎山がゆっくりと扉を開く。

ダークロックマンと遭遇した後、熱斗達は罠を警戒し、基地の端っこに見つけた非常用扉からネビュラ基地に侵入しようとしていた。

 

 

「うわっ、中真っ暗だ」

「何よ! 明かりぐらい点けときなさいよね!」

「中はどうなってんだ!?」

「ワッ! 馬鹿押すな!!」

 

 

「「「「「「ウワァーーーー!!!」」」」」」

 

ドンガラガッシャーーーン!!  パッ!

 

熱斗達が全員まとめて基地に雪崩れ込む音と、基地の明かりが点く音が同時に響いた。

 

 

「イテテテ・・・」

「これ侵入してるよりも・・・」

 

「ほとんど正面突破しているようなものだな・・・」

 雪崩れ込んだ姿勢のまま、全員の下敷きなった炎山がため息混じりに呟く。

 

 

「みんな、アレ見て!」

 突然、銀色が基地の奥を指差して叫んだ。

 

ネビュラの基地は、基地というよりも製造工場と言った方が正しい姿をしていた。 中は一番上まで吹き抜けになっており、その中央には幾つもの大掛かりな機械が腰据えている。 ベルトコンベアで繋がった機械達は、一つの巨大な機械として稼動していた。

だが熱斗達はその巨大な機械よりも、銀色が指差している物、ベルトコンベアに載せられている物に驚いた。

 

 

「ダークチップ・・・!?」

「しかも、こんな大量に!!?」

 熱斗達は金網で造られた地面で立ち上がると、ベルトコンベアに近づいて、ダークチップを一枚掴み揚げた。

 

「ここでダークチップを造っていたのか・・・」

 炎山が苦々しげに言いながら、ダークチップを製造している機械を睨む。

 

「行こうぜ熱斗! リーガルを倒した後でこんな工場、打っ壊してやろうぜ!!」

 デカオが熱斗前に立って力強く言う。

 

 

 

 

 

『ヒュルルー、そうは行かないよ!!』

 

ビュオオオォォォォ!!!

 

 誰かの声が工場内に響いた瞬間、熱斗達に向かって吹雪が吹き荒れて来た。

 

 

「ウワッ! な、なんだ!?」

「なんで室内で吹雪が・・・!?」

 全員、吹き荒れる吹雪に両腕を前に出して吹雪を阻もうとする。 しかし、それも無意味だと言うかの様に吹雪はどんどん激しくなる。

 

 

『ヒュルルー、どうだい? ダークチップの力によって強くなったボクの吹雪は!!』

「その声、ブリザードマン!!」

 

「熱斗、ブリザードマンって!?」

 メイルが熱斗に聞く。

 

「オレとスバルが以前倒したダークロイドの一人だ。 でも、あの時確かにデリートしたはずなのに、どうして!?」

 

『甦ったのさ、闇の力でね!!』

 

「闇の、力・・・!」

『ヒュルルー、ボクの吹雪でみーんな雪の中に埋もれちゃえー!!』

 ブリザードマンが言い終わるのと同時に、熱斗達を襲っていた吹雪が一層激しくなる。

雪はもう、熱斗達の太もも位にまで積もっている。

 

 

「クッ! このままじゃ、みんな雪に沈んじまう! どっから吹雪いてるんだ!? この雪は!?」

「あ、あそこ!!」

 やいとが自分達の上の位置にある空調装置を指差す。 その送風口からは、大量の雪が雪崩れ込む様に降り注ぎ、熱斗達を襲う。

 

 

「あの空調装置にプラグイン出来れば・・・!」

「でも、これじゃあそこにプラグイン出来ないよ!」

 メイルとやいとがPETを持ってプラグインしようとするが、強烈な吹雪の勢いに押され、端末の在るところにまで辿り着けない。

 

「クソッ! こんな所で・・・終わる訳には、行かないんだ!!」

 熱斗は雪の中から片足を抜き取り、前に進もうとする。 しかし、片足で立っているという不安定さと吹雪による強風によって、直ぐに後ろに倒れこんでしまう。

 

「熱斗!」

『ヒュルルー、無駄だよ無駄!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『無駄じゃない!!!』」

 

突然、ブリザードマンに向かって誰かが横から殴りかかってきた。

 

 

『ゲバフゥ!!?』

 横からのパンチが直撃したブリザードマンは、パンチされたのとは反対方向に吹っ飛んでしまった。

すると、ブリザードマンが攻撃されたからか、熱斗達を襲っていた吹雪は降り止み、雪は融けて無くなってしまった。

 

『イッテテテ・・・だ、誰だ!! 痛いじゃないか!?』

 パンチが当たった体を手で押さえ、自分を殴った者を見る。

 

そこに立っていたのは、大きい体に黄色いボディ、必殺パンチがトレードマークのあのネットナビ・・・!!

 

 

『『『『『『ガッツマン!!?』』』』』』

「「「「「「「デカオ!!?」」」」」」」

 なんと、ブリザードマンにパンチを繰り出したのはガッツマンで、全員が気づかない間に、デカオが空調装置にプラグインしていたのだ。

 

 

「デカオ! あの吹雪の中をどうやって・・・!?」

「ヘヘ! オレの気力とガッツ(根性)を舐めるなよ! あんな吹雪、突き進むのなんて楽勝だぜ!!」

 デカオは熱斗に向かってガッツポーズをすると、PETを構えた。

 

 

「みんなは先に行ってくれ!! この雪ダルマはオレとガッツマンが倒す!!」

 

「ま、待てよ! デカオ一人置いて行ける訳無いだろ!!」

 熱斗はデカオ一人を置いていく事を拒む。

 

「バッカヤロー!! こんな所で足止め食っている方がダメだろうが!! 熱斗だけが、ネビュラを倒して、ロックマンを取り戻そうと思って来たんじゃないんだぞ!!!」

「・・・ッ!!」

 

「行くぞ、光! 大山の思いを無駄にするな!」

 炎山が熱斗の肩に手を乗せ、先に進むよう促す。

 

 

「・・・分かった。 行こう、みんな!」

 熱斗達はデカオを残し、先に進む廊下を走り出す。 しかし、熱斗だけがその足を止め、もう一度デカオの方を向いた。

 

 

「デカオ、必ず後から追って来いよ・・・!」

「オレを誰だと思ってんだ? 熱斗のライバル、大山 デカオとガッツマンだぞ!!」

 

 熱斗とデカオはそのまま互いに背を向け、熱斗は先へと進んでいった。

 

 

「行くぞ、ガッツマン! ダークロイドなんかに負けてたまるか!!」

『もちろんでガス、デカオ!! ガッツマンとデカオのパワーを見せてやるでガッツ!!』

 

 ガッツマンは、ブリザードマンの真正面に立ち、いつでも戦えるように拳を固める。

 

『ヒュルルー、許さないよ!! 闇の力でパワーアップしたボクの力を見せてやる!!!』

 ブリザードマンは手に持っていたストックでガッツマンを指差した。

 

 

「行けーー!! ガッツマン!!!」

『ガッツパンチ!!!』

 

『ボクの雪の中で永遠に埋もれちゃえ!!』




デカオ・ガッツマン
「『う、うぅぅ・・・』」

ブリザードマン
『ヒュルルー、どうしたのさ泣いちゃって? そんなにボクが怖いのかい?』

デカオ
「泣かずにいられるか。 オレ達に・・・」

ガッツマン
『ガッツマンとデカオに・・・』

デカオ・ガッツマン
「再び活躍の場が現れたのだからーーー!!」

ブリザードマン
『それボクもーー!!』

デカオ・ガッツマン
「同士よーーー!!!」

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