流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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第七十一話  共に戦ってくれる仲間達

科学省のメインルーム。 

実体化したスバルとミソラ、メイル、炎山、デカオ、やいと、名人、そして光博士が集まって熱斗と銀色の話を聞いている。

全員、熱斗と銀色の話を聞いて、驚きの余り声を詰まらせてしまう。

 

 

「思い出した・・・」

 メイルが無意識のうちにそう呟く。

 

「メイルちゃんも!?」

 メイルの呟きが聞こえた熱斗がメイルに話しかける。

 

「うん、そうだよ、確かに熱斗にはお兄さんがいて、よく公園で遊ぶ私達を見ていた・・・」

「オ、オレもだ。 よく、熱斗とのケンカを止めてくれってたっけ・・・」

 メイルに続き、デカオも話しに加わってきた。

 

「知らなかった、私はその時二歳で熱斗達とは知り合う前だったから・・・ねぇ、炎山?」

「ああ、そうだな・・・」

 やいとも、そして炎山さえも話の内容に驚きを隠せないらしく、返事が少し空返事だ。

 

「まさか、ロックマンが・・・」

『銀色からのメールで、一人で会いに行ったら・・・これかよ』

 スバルとウォーロックはその場に突っ立ったまま、そう声を漏らす。

 

「人間が、ネットナビになるなんて・・・」

『ポロロン、有り得ない話じゃないわ。 だって私達の時代じゃ、当たり前のように人間は電波の体に変換できるじゃない。 アリエル、あなた知ってたんでしょ?』

『うん、ダークロックマンに最初出会った時にね。 銀色が話してくれたの』

 ミソラ、ハープ、アリエルの順に言う。

 

「だけど、銀色君。 その場に居合わせていたとはいえ、君はオラシオン・ロックやホープ・キーの事まで、どうしてそんなに詳しく知ってたんだい?」

 名人が自分の疑問を銀色に話す。

 

確かに、その場で彩斗がネットナビになる所を見ていたとはいえ、それだけでオラシオン・ロックやホープ・キーの事まで分かるとは思えない。

 

「私が話したんだ」

 

「・・・・・・!!?」

 

 光博士の言葉に、全員の視線が光博士に集中する。

 

「私が、フルーラの町での事件の後、銀色ちゃんと再会した時に話したんだ」

「・・・!? それじゃあ、博士は最初からロックマンの事を知ってたんですか!!?」

 

 名人の言葉に光博士は黙って頷く。 その体は小刻みに震えていた。

すると、光博士が頷いた瞬間、熱斗が光博士の元に駆け寄り、その肩をガシッと掴んだ。

 

「どうして何も教えてくれなかったんだ!!!」

 熱斗の怒りの叫びが部屋に響く。 

 

「・・・ロックマン・・・彩斗の願いだったんだ」

「えっ!」

 ロックマン、彩斗の名が出てきて、熱斗は少し冷静さを取り戻す。

 

「あの時、気絶した熱斗を抱えてやって来た銀色ちゃんに話を聞いた後、私は直ぐに科学省の電脳世界でネットナビになった彩斗を見つけた。

その後、熱斗やみんなの記憶から彩斗の存在が消えていると分かった時、彩斗が私にこう頼んできた。 『自分のことは、秘密にしてくれ』っと・・・」

「どうして!? なんで彩斗兄さんはそんなことを・・・!?」

 

 

「・・・熱斗君を、傷つけたくなかったからじゃないかな」

 不意に、スバルが話しに割り込んできた。

 

「スバル」

「ボクがもしロックマンだったら、自分のお兄さんがナビになってしまったなんて話、弟に聞かせたくなかったと思う。

それに、熱斗君は目の前で彩斗君が消えてしまったのを見てたんでしょ? きっとそんな事、覚えて欲しくなかったんだよ・・・」

 スバルはそこまで言うと下をうつむく。

熱斗もスバルの話を聞くと、掴んでいた手を離し、黙り込んでしまう。

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 誰も喋らない。 部屋にきまづい空気が流れてくる。

 

『だー! もう、気分悪いなこの空気!!!』

 突然、ウォーロックがその沈黙を破り捨てるように叫ぶ。

 

「ウォーロック!」

『ロックマン取り戻すにも、元の人間に戻すにも、どの道ネビュラの野郎どもをぶっ飛ばすしかないだろーが!!!』

 そう叫ぶウォーロックは、最早ヤケクソとしか言いようがない感じだった。

 

「・・・クスッ♪ ウォーロック君の言う通りだね、熱斗君」

「銀色さん」

 

「熱斗君、私に言ってくれたよね、『彩斗兄さんを助けるために、力を貸してください』って。 私はもちろん、熱斗君に力を貸すよ」

 銀色は熱斗を真っ直ぐに見て話す。 その目には迷いがない、強い思いが感じられた。

 

「わ、私も!!」

「オレだって、ネビュラなんかの好きにはさせないぜ!!」

「私も忘れてもらっちゃあ困るわね!」

「私達は誰一人だって、一人じゃないんだからね!」

『ポロロン、ミソラの言う通りよ』

『銀色、私も付いてくよ!!』

 メイル、デカオ、やいと、ミソラ、ハープ、アリエルが熱斗に向かってそう宣言する。

 

 

「熱斗君!」

 スバルが熱斗の名を呼ぶ。 熱斗はメイル達から視線を逸らすと、スバルの方を向く。

 

「これはもう、熱斗君だけの問題じゃない。 ロックマンはボク達みんなの友達なんだ・・・友達を助けたいんだ、ボク達は・・・!!」

『それに、ネビュラの野郎ども倒さないと、オレ達の未来もないしな!!』

「一人では戦えない。 そう言ったのはお前のはずだぞ、熱斗・・・オレ達が共に戦う!!!」

 スバル、ウォーロック、炎山も闘う気全快だ。

 

「そうだよな・・・オレにはこんなにもたくさんの、一緒に戦ってくれる仲間がいる!」

 そう言う熱斗は、胸の奥から込み上げてくる思いを感じ取っていた。

 

「熱斗・・・」

「パパ、怒鳴ってゴメン。 でも、オレ必ずロックマンを、彩斗兄さんを取り戻してくるよ!!!」

「ああ、信じてるぞ、熱斗!」

 

 

 

 

 

次回、熱斗達は最終決戦の舞台であるネビュラ本拠地へと突入する。

それぞれが胸に特別な思いを秘め、その思いが交差する戦いが、幕を開ける・・・!!!




フレイムナイト
「次回、とうとうネビュラ基地に突入!」

スバル
「果たして、ボク達の運命は・・・!?」

熱斗
「そして、オレとロックマンは・・・!?」

フレイムナイト
「そして、忘れ去られたキャラ達にやっと出番が・・・!?」

ウォーロック
『マジかよ!?』

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