流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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とうとうファントム・ブラックと因縁の対決・・・!!


第六十一話  VS ファントム・ブラック!!!

「その犬が・・・!?」

『最後のパーツ!!?』

 スバルとウォーロックは驚きを隠せず、思わず声を張り上げる。

 

『そう、このガウこそが、ホープ・キー最後のパーツ・・・』

 ダークロックマンはそう言うと、ガウを抱き上げた。

抱き上げられたガウは目を細め、尻尾を小さく振る。

 

『ガウはボクが貰う!!』

「クッ、そうはさせない!!」

 スバルはそう言い終わらない内にダークロックマンに向かって駆ける。

 

 

ドゴォン!!

 

 

「「『『・・・!!?』』」」

 いきなりの轟音にその場にいた全員が音がした方を向く。

そこには、大量に崩れた瓦礫が地面に散らばっていて、土煙が上がっている。

 

「なんだ!? 何があったんだ!?」

『何かが戦っているのか!?』

「アレは・・・!!?」

 熱斗とウォーロックが驚く中、スバルは土煙の中から倒れている人影を見つける。

スバルはダークロックマンから視線を外し、倒れている人物に駆け寄る。

 

 

「ブルース!!!」

 スバルは倒れている人物、ブルースに向かって叫ぶ。

 

『・・・スバルか?』

 ブルースは全身傷だらけで、立ち上がるのがやっとという感じだった。

スバルはそんなブルースに肩を貸して立ち上がらせる。

 

「ブルース! どうしたんだその怪我!?」

 熱斗がブルースに話しかける。 その声には僅かながらの焦りを感じられた。

あのブルースを一体誰が!? ・・・と。

 

 

「ンフフフ・・・。 また会ったな、星河 スバル!」

 スバルは反射的に声のした方を向く。

瓦礫が崩れたことに湧き上がる土煙の中から、黒いマントに身を包んだ紳士的な格好をした人物、ファントム・ブラックが現れた。

 

「ファントム・ブラック!」

『テメェの仕業か!』

 ウォーロックは実体化すると、ファントム・ブラックから守るようにスバルとブルースの前に立つ。

 

「ファントム・ブラック、みんなをどうした!?」

『落ち着けスバル・・・オレ以外はプラグアウトして、全員無事だ』

 ブルースがスバルに全員の無事を伝える。

だがその時、ファントム・ブラックが卑しい声で笑い出した。

 

「ンフフ・・・。 失礼、しかしそのナビも馬鹿な奴だ。 ハープ・ノートを庇って攻撃なんぞ受けていなければ、もうすこしまともな戦いが出来ただろうに・・・」

 

「ミソラちゃん!!?」

 

「お前達の中で一番冷静な判断が出来る奴だと思っていたが、私の間違いだったようだ」

 ファントム・ブラックは首をヤレヤレと振る。

 

「グッ! ブルースの、仲間を思う気持ちを馬鹿にするな!!!」

「バトルチップ・センシャホウ、スロットイン!!」

 スバルが叫ぶのと同時に熱斗がバトルチップをPETに転送する。

PETがバトルチップのデータを読み込むと、スバルの左腕が巨大な砲弾に変わる。

 

 

『待て! そいつは・・・!!』

「シュート!!」

 ブルースが静止する前に、スバルはセンシャホウをファントム・ブラックに向けて放つ。

 

 

バシュン!!

 

 

「「『!!?』」」

 砲弾はファントム・ブラックに当たる瞬間、"自らファントム・ブラックを避けている"かのように軌道を反らし、全然見当違いのところに向かってしまった。

 

『なんだ今の!?』

「まるで、弾が自分からファントム・ブラックを避けた様な・・・?」

 ウォーロックと熱斗が驚いて反れた弾丸を見た。

 

『無駄だ・・・! どんなキャノン系のバトルチップを使っても、今のように弾が反れて奴には当たらない・・・!!』

『先に言えよ!! そーゆう大事なことは!!!』

『言う前に撃ったんだろうが!!!』

 ブルースに文句を言ったウォーロックがブルースに反論される。

 

「だったら接近戦に持ち込んでやる! バトルチップ・ワイドブレード、スロットイン!!」

 熱斗がバトルチップを転送する。

スバルの腕が砲弾から黄緑色の光を帯びた横幅の広い剣に変わる。

 

「ウォーロック!!」

『おうよ!!』

 スバルはウォーロックアタックを使い、ファントム・ブラックとの距離を一瞬で縮める。

そして剣を振り被った瞬間、ふと疑問に思った。

 

 

 

 

 

"何故ブルースはあんなにボロボロなのか?"

 

ブルースはソード系の攻撃による接近戦を最も得意とするナビだ。 今の自分と同じようにファントム・ブラックに斬りかかったはずだ。

なのにあんなにボロボロだった。

 

つまり・・・・・・。

 

「! しまっ・・・!!」

 スバルは慌てて足でブレーキを掛けて攻撃を止めようとする。 でも時すでに遅し・・・。

 

ファントム・ブラックの不敵な笑みを見たスバルは一瞬、意識が途切れる。

 

「スバルーーーーーー!!!」

 熱斗の声は、スバルには届かなかった・・・。


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