流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~ 作:フレイムナイト
『この辺りからジャンゴの気配を感じたのだが・・・』
オテンコサマはそういうと辺りを見回す。
その後ろでスバルはまた、ウォーロックとヒソヒソと話していた。
(どうすんだよ? このままあのヒマワリにずっと付いていくのか?)
(う~ん、ほっとく訳にも行かないから付いてきちゃったけど・・・。 でも、ジャンゴって一体誰なんだろうね?)
(強い奴ならぜってぇ~手合わせしたいぜ!!)
スバルとウォーロックはすっかり、アリエル捜索に飛び出してきた事を忘れている。
「オテンコサマ~~~!!!」
突然、スバル達の後ろから少年の声が聞こえてきた。
スバルとオテンコ様が振り向くと、紅のマフラーを身につけ、顔に白いフェイスペイントをし、鎧のような服を着たクリーム色の髪をした少年が、手を振りながら駆け足でこちらに向かって来た。
「あの男の子は・・・?」
『ムッ! ジャンゴ!! やっと会えたか!!』
オテンコサマはそういうとジャンゴに近寄った。
「オテンコサマ!!」
『ジャンゴ! よかった!! 時空の歪みで離れ離れになった時はどうなるかと思ったぞ!!』
オテンコサマはジャンゴとの再会を喜んだ。 だがジャンゴはそんな余裕はないようで、焦った顔をしていた。
「大変なんだ、オテンコサマ!! 伯爵が女の子をさらって行ってしまったんだ!!」
『なんだと!!?』
(・・・!? 女の子!!?)
ジャンゴとオテンコサマとの話を聞いていたウォーロックが、女の子という言葉に引っ掛かった。
『おい! その女の子って、どんな姿をしていた?』
ウォーロックはジャンゴにそう吹っかける。
「えっ!? 君は!!?」
ジャンゴは突然現れたウォーロックに驚いてしまう。
「ちょっと、ウォーロック! ゴメン、驚かせちゃって、ボクは星河 スバル、こっちがウォーロック、君がジャンゴ君?」
スバルは驚くジャンゴとウォーロックの間に割って入ると、ジャンゴに自己紹介する。
「あ、うん、そうだよ。 君達はどうしてオテンコサマと一緒に?」
『ウム! ジャンゴを探している時に偶然会ってな、一緒にお前を探してもらっていたのだ』
『それよりその女の子ってどんな姿してたんだよ!!!』
ウォーロックはオテンコサマを退けるとジャンゴに再び詰め寄った。
「え~と、白い肌に水色のオカリナを首から下げていたような・・・」
「『・・・!! アリエル!!!』」
スバルとウォーロックはジャンゴの証言に口を揃えて言った。
『ヌッ! 知り合いか!!?』
「うん、ボク達の仲間なんだ!! ねぇ、その伯爵って何者なの!?」
『危険な奴なのか!!?』
「・・・うん。 奴はイモータル・ヴァンパイア伯爵、太陽の力によって浄化され、消滅したはずだったんだけど、何故か再び復活し、時空の歪みを通ってここにやって来たんだ」
ジャンゴは淡々とスバルとウォーロックに伯爵の事を話す。
『それで、その伯爵野郎は今どこにいんだ!?』
「ゴメン、後を追っていたんだけど、逃げられてしまって、今どこにいるか・・・」
「そ、そんな・・・」
PPP!! PPP!!
スバルがガックリと肩を落とすと同時に、スバルのハンターVGが鳴った。
「なんだろう? メール?」
スバルはメールをみんなに見えるように開いた。
【スバル君、大変なの!! 今科学省を変な男が襲っていて、タキシードに青い顔の男の人なんだけど、ナビのように強いの!! ミソラちゃんが応戦してくれてるんだけど、アリエルちゃんと熱斗が捕まっちゃって・・・。 お願い!! 助けに来て!!!】
メールは、メイルからのSOSメールだった。
『科学省が襲撃されてるだと!?』
「熱斗君とアリエルが!!?」
「『伯爵だ!!!』」
「えっ!?」
「その科学省って所を襲撃しているのは、今ボクが話した伯爵なんだ!! スバル君、ボク達も連れて行ってくれ!!!」
「・・・わかったよ。 いこう!!!」
『急ごう!! ジャンゴ!!』
『スバル、こっちも急ぐぜ!!』
スバル、ジャンゴ、ウォーロック、オテンコサマは、そうゆうと、夜の闇を駆けて行った。