流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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第四十四話  忍び寄る影

「イタタ・・・・・・」

『な、なんだ? 今の・・・?』

 スバルは頭を手で押さえながら、ゆっくりと起き上がった。

 

『スマン、少年!! 大丈夫か!!?』

 っと、そこに黄色いヒマワリのような物体が、スバルに話しかけてきた。

 

「ウワッ!! ヒマワリがしゃっべてる!!?」

スバルは目先約十五センチのその物体に、驚き後ずさりした。

 

『ヌッ! 失礼な! 私はヒマワリではない!! 太陽の使者、オテンコだ!!!』

 

 

「太陽の使者・・・?」

『オテンコ?』

 スバルとウォーロックは二人一緒に首をかしげた。

 

 

 

 

 

「・・・つまり、オテンコさんは、この世界の者ではなくて・・・」

『イモータルって言う吸血鬼を追って、時空の歪みを通って、この世界にやって来たと・・・?』

 スバルとウォーロックは、オテンコサマの話を聞いて、さらに首をかしげる。 

あまりに突拍子の無い事を言われて、半信半疑なのだ。

 

『フム、そうなのだ。 しかし、時空の歪みを通るとき、相棒の少年 ジャンゴと離れてしまい・・・』

「っで、猛スピードで走っている所をボクとぶつかってしまったと・・・」

 スバルは頭を抑えながら、オテンコサマの言葉を繋ぐ。

 

『そうなのだ・・・困ったことだ・・・』

 オテンコサマはそういうと目を閉じて考え事をし始めた。

ウォーロックはその間にスバルにソッと耳打ちする。

 

 

(どうする? このおしゃべりヒマワリ?)

(どうするって言われても、ほっとく訳にはいかないし・・・)

(ほっとく訳にはいかないって、アリエルはどうすんだよ! それに、時空の歪みだの吸血鬼だの、信じられるか!!)

(分かってるよ!! でも、僕達だって、ワープホールを通って過去にやって来たんだよ!嘘なんて言い切れないよ!)

(だからってここでチンタラしていられねぇ・・・)

 

 

『カーーーーー!!!!』

 スバルとウォーロックが小声で言い合ってると、突然、オテンコサマが雄たけびを上げた。

 

「うわっ!? どうしたの?」

『感じる、感じるぞ!! 太陽の気配を!! 間違いない、ジャンゴだ!!』

 

『ジャンゴ? ああ、お前の相方の・・・』

 

『行くぞ少年!! ジャンゴの元へ!!』

 オテンコサマはそういうと、またもや猛スピードで走り出した。

 

『行くって・・・オレ達も行くのかよ!?』

 ウォーロックは大声でオテンコサマに突っ込むが、オテンコサマは気にせず、どんどん進んでいく。

 

「ハァ、ほっとく訳には行かないし、ボク達も行こう・・・」

 そういうとスバルはオテンコサマの後を追った。

 

 

___その頃 科学省___

 

「・・・・・・ん・・・」

「! 熱斗!?」

 ベットで眠っていた熱斗がゆっくりと目を開けた。

熱斗を看病していたメイルはそれに気が付くと、熱斗に呼びかけた。

 

「熱斗! 大丈夫!?」

「・・・メイル・・・ちゃん?」

 熱斗はメイルの名を呼ぶと、ゆっくりと起き上がった。

 

「・・・ここ、科学省?」

「うん、そうだよ! 熱斗、三日間も眠り続けてたんだよ・・・よかった・・・」

 メイルは目に少し涙を浮かばせながら話した。

 

「三日も・・・そうだ! ロックマンは!!?」

 熱斗は気を失う前、ピュアルでの出来事を思い出すと、メイルに詰め寄った。

 

「・・・・・・。 スバル君から聞いたよ。 あの後、熱斗が倒れた後、みんなで探したけど、どこにも見つからなかったの・・・」

 メイルは淡々と思い口調で熱斗に話す。 熱斗はそこまで聞くと、ベットに仰向けに倒れこむ。

 

「熱斗・・・」

「・・・ロックマン、すごく冷たい目をしてた。 ネビュラにダークチップを埋め込まれて、闇のナビになって・・・・・・。 オレのせいだ・・・オレのせいでロックマンが・・・闇のナビに・・・・・・」

 熱斗は目に手を当てて話した。 その体は小刻みに震えている。

 

「熱斗・・・あなたのせいじゃ・・・」

 

 

 

ドカーーーーン!!!!!

 

 

 

「きゃあ!!?」

「な、なんだ!!?」

 突然、大きな揺れと共に爆音が響いた。

熱斗はベットから飛び降りると、寝間着姿のまま、部屋から飛び出した。

 

「熱斗!!?」

「メイルちゃんは、ここに居て!!」

 熱斗はメイルを部屋に残し、爆音がした方へ向かう。

 

 

___科学省一階 玄関ホール___

 

「どうなってんだよ、コレ・・・!!?」

 熱斗はホールの有様を見て、愕然とした。

ホールの入り口の扉は吹っ飛び、そこら中に煙が立ち込めていた。 不幸中の幸いか、人は誰も居らず、怪我人などは居ないみたいだ。

 

「一体・・・誰が・・・」

 

 

「クックックッ・・・これは元気そうな少年だ・・・」

 熱斗がホールの様子を見ていると、不気味な声が聞こえてきた。

 

「誰だ!!?」

 煙の中から聞こえてくる声に向かって叫ぶ。

そして、煙の中から、マントを羽織った、青い顔の紳士のような出で立ちの男が姿を表した。

 

 

「クックックッ・・・この世界に来て、二番目の贄だな・・・」

 青い顔の紳士、伯爵は驚く熱斗にゆっくりと近づいて来る・・・。


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