流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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第三十七話  悲しい再会

ここは、どこだ・・・?

 

 

 

風が気持ちいい・・・。

 

 

 

 熱斗は、そんなことを感じながら、ゆっくりと目を開けた。

 

「・・・ここは、どこだ?」

 目を開け、横を見ると、そこには自分の目線と同じ高さにある色とりどりの花達が見えた。 そこで熱斗はようやく、自分が花畑の中で寝転っがていることに気が付いた。

 

 

(オレ、どうしてここにいるんだっけ? 確かあの屋敷の中で、ファントムなんとかって奴に会って、それで・・・)

 そこまで思い出すと熱斗はいきおいよく起き上がった。

 

「そーだ!! あの時後ろから誰かに襲われて気が付いたらココに・・・!!」

 熱斗はそう大声を上げながら立つと周りを見渡した。

今は真夜中で暗くはあったが、月光がその場所を照らしていた。

そこは海に面した小さな丘で、その丘には様々な種類の花が月光を浴び、美しく咲き誇っていた。

 

「ココはどこだーー!! ってココは・・・!!」

 

 

 

 

 

『ピュアル、もっとも強く記憶に残っている場所』

 

 後ろから声が聞こえてきた。

熱斗が振り向くと、そこには青いネットナビ―ロックマンが立っていた。

 

 

「・・・ロ、ロックマン」

 熱斗は、ネビュラに捕らわれているはずの親友が目の前に立っていることに、驚き、立ち尽くしてしまった。

 

 

「ロックマン、お前、無事で・・・良かった、やっと・・・会えた・・・」

 熱斗は片言の言葉を話すと、ロックマンに近づいた。

その目には喜びで涙が浮かんでいた。

 

 

 

だが・・・

 

 

『光 熱斗・・・』

「・・・えっ?」

 

 熱斗はロックマンのその冷ややかな言葉に思わず足を止めた。

ロックマンの目には、何も見えず、暗い海のそこのような黒い光があった。

 

 

「ロックマン、どうしたんだよ? その目、まるでダークロイド・・・」

 熱斗は、親友の変化に戸惑いを隠せない。

 

『・・・あの後、ネビュラに捕らえられたロックマンは、ダークチップを体に埋め込まれた』

 ロックマンは淡々とした口調で言った。

 

「・・・えっ!!?」

『今君の目の前にいるのは、ロックマンの心の奥底に眠っていた感情。 ロックマンの心の・・・闇の塊さ・・・』

 ロックマンはそう言いながら自分の胸のナビマークに触れる。

 

 

「そんな、それじゃあ、お前は・・・!?」

 

『ボクの名は、ダークロックマン。 ネビュラのナビだ』

 

 

 

 

 

「・・・見つけたぞ!!」

 

「『・・・!!?』」

 

 熱斗とダークロックマンが声のした方を向くと、そこには両腕両足に赤いアーマー、紫のバイザーに胸に赤いマークがついている銀色の髪の少年―ブライが立っていた。

 

 

「お前は、確かのスバルの知り合いの・・・!? どうしてココに!?」

 熱斗はブライに問いかけるが、ブライはまったく聞く耳を持たず、ダークロックマンを睨み付けた。

 

『ムーの末裔か・・・』

 ダークロックマンもそうゆうとブライに向き直った。

ブライとダークロックマンの間で緊迫した空気が漂う。

 

 

その空気を最初に破ったのはブライだった。

 

「ラプラス!!」

『ギッ・・・ガ・・・!!』

 ブライの呼ぶ声に反応して、ブライの後ろからラプラスが姿を現す。

そしてラプラスは次の瞬間、紫のオーラを纏った大剣に姿を変えた。

ブライは剣を掴むと、ダークロックマンに斬りかかった。

 

 

「やめろ!!!」

 だがそれを、熱斗がブライとダークロックマンの間に割り込むことで止める。

 

「邪魔をするな・・・!!」

 ブライは熱斗を睨み付けながら言った。

 

「ふ、ふざけんな!! いきなり何すんだよ!?」

 熱斗も負けじとブライを睨み付ける。

 

「ムーの力を悪用せし者に裁きを・・・」

「えっ? ムーの力?」

 

「疑問には思わなかったか? 何故そのナビがこの現実世界に実体化しているのか?」

「・・・!!」

 ブライの言葉に熱斗はダークロックマンの方へ振り返る。

 

 

『君の予想している通りだよ。 ボクはムーの技術を使って実体化しているんだ』

「・・・!!?」

 ダークロックマンはゆっくりと自分の右腕を上げて熱斗に見せた。

その腕には、ブライの胸の紋章と同じマークが付いたブレスレットがしてあった。

 

「それは?」

『ムーの技術を使って作った、ネットナビを実体化させる装置だ。 ボクはコレを使って実体化しているんだ』

「でも、なんで、どうしてそんな物を持ってんだよ!?」

 熱斗はダークロックマンに詰め寄る。

 

 

「Dr.ガルナの仕業だ・・・」

「えっ!?」

 突然、ブライが口を開いた。 熱斗はそれに反射でブライの方を振り向く。

 

「Dr.ガルナが二百年後の世界で手に入れたムーの技術をこの時代に持ってきたのだ。 そして、古代都市・スカイバート・・・ムーの遺跡をもこんなくだらないことのために・・・!!」

 ブライは冷静さを装ってはいるが、その口調からは怒りが滲み出していた。

 

「さぁ、話は終わりだ。 そこを退け!! そのナビは今ここでオレが斬る!!!」

 ブライは剣の矛先をダークロックマンに向ける。

 

「嫌だ!! 絶対にどかなぇ!!」

 熱斗はそういうとダークロックマンを後ろにしたまま、ダークロックマンの右手を掴んだ。

 

 

「ならば、二人まとめて斬るだけだ!!!」

 ブライはそうゆうと熱斗に向かって大剣を振り落とした。

 

 

 

 

 

「やめろぉお!!!」

 

「「『・・・!!?』」」

 突然の大声にブライは熱斗の顔面スレスレで剣を止める。

 

三人が声のした方を見ると、そこには・・・

 

 

「スバル!!!」

「熱斗君!!!」

『大丈夫か!! おい!?』

 息を切らせたスバルとウォーロックがいた。




フレイムナイト
「本編ではちゃんと触れてなかったけど、スカイバートは地上にあったムーの遺跡の一つなんだ」

ブライ
「スカイバートが空を飛んでいるような形で存在していたのも、地下にネットバトルマシンがあったのも、全てはムーのロストテクノロジー(失われた技術)によるものだ」

スバル
「そ、そうだったんだ・・・」

ウォーロック
『まさかブライがここにきて説明するとは・・・』

フレイムナイト
「さぁ、次回はどうなる?」

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