流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~ 作:フレイムナイト
(なぜだ? なぜ攻撃が当たらない!?)
ブルースに休むことなく攻撃とウィルスを仕掛けるスワローマンのその顔には余裕は無く、むしろ焦りさえ感じ取られる。
『どうした? 自慢のスピードとはこの程度なのか?』
ブルースは澄ました表情でスワローマンを挑発する。
『クッ、調子に乗るな!! スワローカッター!!!』
スワローマンはさらに威力を上げた鳥型の衝撃波をブルースに打ち出す。
しかし、それをブルースは体を横に反らし簡単に避ける。 それだけではない・・・。
『ガル~~!?』
ブルースの後ろから攻撃を仕掛けようとしたガルーバーに、スワローカッターが直撃した。
(まただ! さっきから何度攻撃しても、ああやってオレの攻撃を避け、ウィルスをデリートする・・・!!)
スワローマンは有利と思っていたバトルがなかなか思い通りにいかず、歯軋りをする。
「スピードに頼った戦い方は、攻撃の正確さを失わせる。 奴はそれに気が付いていない」
炎山はブルースをオペレートしながら呟いた。
そう、スワローマンは確かに攻撃も、自分自身もブルース以上のスピードを誇っている。
だがそのあまりのスピードの速さに、攻撃の正確さを失われているのにスワローマンは気が付いていない。
『そろそろ決着をつけるぞ!』
ブルースはそういうとスワローマンに向かって突進してきた。
『クッ、なめるな~~!! スワロードライブ!!!』
スワローマンも燕の形態に姿を変えると、ブルースに向かって突進してきた。
・・・斬!!!
次の瞬間、ブルースのソードの斬激によって、スワローマンの胴体が一刀両断された。
『ガッ・・・(まさか!? たかがソードにこんな威力があるわけ・・・!!?)』
スワローマンはそのまま地面に墜落する形で地面に倒れ落ちた。
『スピードがあればある程、剣の威力は上がる。 オレの挑発に乗り、フルスピードで突っ込んできたお前には、普通の何倍もの威力の斬激が与えられたという訳だ』
ブルースはそういいながらソードを腕に戻した。
「剣を知り、その鋭さを上げ、それと共に自らの肉体と精神を鍛え上げる」
『そしてネットバトルにおいて、冷静さを欠かないことを忘れず、戦略を練り上げ・・・斬る!!』
「『それがオレ達のネットバトルだ!』」
PPP!! PPP!!
炎山とブルースが言い終わると同時にPETから通信が入ってきた。
「炎山、聞こえる!?」
「綾小路か・・・」
通信してきたのはやいとだった。
「何よ? その返事!? 突然ウィルス達が消えたから何かあったんじゃないかと思って、心配して連絡入れたのに!」
やいとは炎山の気の抜けた返事に少し腹を立てた。
「気遣いありがとう。 だがこっちは何の心配も無い。 たった今、この館にウィルスをばらまいたダークロイドを倒したところだ。 他の連中のところのウィルスも跡形も無く消えて・・・」
PPP!! PPP!!
『いるだろう』と、炎山が言い終わる前にまた誰かから通信が入ってきた。
「『『大変だーーーーー!!!!!』』」
炎山が通信を繋げると、スバル、ウォーロック、アリエルの大声が聞こえてきた。
「ビックリしたなー!」
「ど、どうしたの!?」
「うるさいわねー!!」
大声の後、デカオ、メイル、やいとの声が聞こえてきた。
どうやらこの通信は全員に繋がっているみたいだ。
「で、どうしたんだ? いきなり?」
炎山は片耳を押さえ、しかめっ面で聞いてきた。
「た、大変なんだ!!」
『そーだ! 大変なんだ!!!』
『こっちも大変なのよ!! ねぇ、銀色!?』
「ええ、・・・ゴメンナサイ・・・」
「だから、何が大変なんだ」
炎山は苛立ちながらスバル達に問う。
「『熱斗君(熱斗の野郎)が・・・!!』」
「『ホープキーが・・・!!』」
「「『『ネビュラにさらわれ(持って)いかれた!!!』』」」
えぇええぇ!! 一体どういうこと!?
次話は、ブルースがスワローマンと戦っている間のスバル達と銀色の話をします!!