流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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第六章  そして物語は動き出す・・・
第三十二話  動き出す闇


ギャー、ギャー・・・  ビカ!! ゴロゴロゴロ・・・・・・

 

今にも嵐になりそうな雲行き・・・そしてそこにそびえ立つ古い洋館・・・・・・。

ホラー映画の撮影には打って付けなその洋館の前に、六人の少年少女が立っていた。

 

「此処か・・・」

「ガタガタ・・・ブルブル・・・」

「だ、だらしないわね~。 男の子のくせに~」

「でも、やっぱり何か出そうじゃない?」

「・・・・・・いる」

「えっ!!?」

 炎山、デカオ、やいと、メイル、銀色、熱斗の順に言う。

何故熱斗達がこんなおどおどろしい洋館の前に立っているのか? それは今から数時間前に遡る・・・・・・。

 

 

___数時間前 科学省___

 

「ゆ、幽霊屋敷!?」

 スバルが声を震わせて言った。

 

「あ、ああ、テキストデータの解析がやっと出来てね。 それによると第四のパーツは秋原町の外れに在る廃屋になった館にあるみたいなんだ」

 光博士はスバルの驚きようにすこしよろめきながら答えた。

 

『面白ぇじゃねえか!!』

「面白いわけないだろ!? ウォーロック!!! 何だって光 正博士はそんなところにパーツを隠したんだよ!!?」

 スバルは面白がるウォーロックに怒鳴るように抗議する。

そんなスバルの様子をみんな驚きながら見ていた。

 

 

「スバルって幽霊とかダメなんだ・・・」

「かなり重症らしいよ? 戦っている時とかそんなところ見せないんだけどな~」

 熱斗の疑問にミソラが答える。

 

「そうゆう所って、ロックマンに似てるね」

「でもこのままじゃ、『行きたくない!!』って言い出しそうよ」

「えっ!? それは困る!!」

 メイル、やいと、熱斗の順に言う。

 

「あっ! じゃあこうゆうのどうかな? スバル君絶対『行く!!』って言うよ!」

 ミソラはそういうとメイル、やいと、熱斗に耳打ちした。

 

『じゃあどうすんだよ!? まさか行かないなんて言うんじゃないだろうな!!』

「そういうことじゃないだろ!? だいだいウォーロックはいっつも・・・」

 スバルとウォーロックの口げんかはだんだん大きくなっていた。

 

「似てるな・・・・・・」

 そこへ突然、熱斗が呟くように、だがスバルたちに聞こえるように言った。

 

「『えっ?』」

 スバルとウォーロックは口げんかを止めて熱斗の方を向いた。

 

「ロックマンもお化けとか幽霊とか大の苦手でさ・・・ロックマン、無事だよな?」

 熱斗はそういうと顔を伏せ、スバルに背を向けた。 よく見ると体が少し震えている。

 

「ね、熱斗君?」

『アーァ、泣かせちまった』

 熱斗に呼びかけるスバルにウォーロックが追い討ちをかける。

 

 だがこれは全てミソラの作戦なのだ。

つまり、熱斗が怖がっているスバルを見て、ロックマンのことを思い出して悲しむフリをし、スバルに否が応でも『行く!』と言わせる作戦なのだ。

 

「熱斗君、そんな泣かなくても・・・」

 スバルはオドオドしながら熱斗に声をかける。

 

「オレがもっとしっかりしていれば、スバルに頼るしか、みんなと一緒に戦うことが出来ないなんてこと無かったのに・・・・・・グズッ」

「ウワァア!? ね、熱斗君!?」

『どーすんだよ、スバル?』

「どーすると言われても・・・!? 行く! 行くよ!! 熱斗君!! だから泣かないで!!」

 

「ホントか! スバル!?」

 

 スバルが『行く』と言った瞬間、熱斗は顔をバッと上げた。

 

「へっ?」

 スバルは熱斗がいきなり顔を上げたことに変な声を出してしまった。

だがウォーロックは熱斗の様子の変化とその後ろでニタニタ笑っているメイル達を見て、全てを悟った。

 

『スバル、 お前、嵌められたみたいだぜ・・・』

「嵌められたって、まさか・・・!!?」

 スバルもやっとミソラ達の作戦に気が付き、呆然としてしまう。

だがすでに『行く』と言ったことを取り消すことなんて出来ない。

 

スバルは無言で幽霊屋敷を探険するという恐怖を覚悟するのだった・・・。

 

 

___時は戻り、 幽霊屋敷前___

 

「ここで突っ立っていても仕方が無い。 行くぞ!」

「「「「「オーーー!!!」」」」」

 炎山の言葉にみんなが掛け声を出す。

 

「どーか何も出てきませんように・・・!!!」

 だがそんな熱斗達を余所に、PETの中ではスバルが手を合わせ、幽霊が出てこないことを一心不乱に祈っている。

 

『スバル、お前のその怖がりなんとかならないのか?』

 ウォーロックはそんなスバルを呆れ顔で見ている。

 

「だ、だって、もし本当に幽霊が出てきたらどうするんだよ!? 幽霊にロックバスターが効くと思う!!?」

 

「効かないかな~?」

 スバルの疑問に熱斗が答える。

 

「うわ~~~ん~~~!!」

 スバルは熱斗の言葉に泣き出しそうな悲鳴(?)を上げる。

みんなはそれをやさしく、そして呆れた目で見る。

 

 

だがこの時、みんなは気付いていなかった。

洋館の中の窓から、二人の人物が熱斗達を見下ろしていたことに・・・・・・。

 

 

「アレが、二百年前の英雄とその仲間達ですか」

『・・・・・・』

 二人の人物は熱斗達を観察するように見下ろす。

 

「しかし、こうも早く星河 スバルに復讐するチャンスが出来るとは・・・」

『・・・今回のボク達の目的は、復讐じゃない。 それに・・・』

「分かっている。 今回の作戦はすべて君が指揮を取るんだ。 自分勝手なことはしないよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ロックマン!」


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