流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~ 作:フレイムナイト
「急接近って、誰と誰が急接近するの!?」
メイル
「ま、まさか熱斗・・・!?」
ミソラ
「私! 私! 私とスバル君!!」
アリエル
『違ーーう!! 私とウォーロック様よ!!!』
フレイムナイト
「おっおぉぉ(←女子達の勢いに押されている)・・・そ、それはこの話を見てからで・・・」
「・・・で到着したのが、フルーラーのサウスエリアだったんです」
ミソラはそう話を締めくくると、メイルのPETに戻っていった。
「そうか・・・。 おそらく、Dr.ガルナが作った過去に行くためのワープホールの一つが残っていたんだな・・・。 みんな今日は遅いから、ゆっくり休んで、また明日よろしく頼む」
光博士はそういうと部屋を出て行った。
___屋上___
熱斗は一人、ベンチに座りながら夜空を眺めていた。
「となり、いいかな?」
熱斗は後ろから聞こえた声に振り返った。 そこには銀色が微笑みながら立っていた。
「あ、はい・・・」
銀色と熱斗はそれからしばらく何も喋らす、ただベンチに座って星を眺めていた。
その沈黙を破ったのは銀色だった。
「みんなから聞いたよ。 ロックマン君のこと・・・」
「えっ・・・」
「あなたも大切な人を奴ら(ネビュラ)に・・・」
「あなたも・・・って、銀色さんもネビュラに友達が捕まってしまったんですか!?」
熱斗は銀色の言葉に驚きながら問う。
「うん、ずっと前から捕らわれてしまっている、私の大切な人・・・。
だから、私もあなたの気持ちが分かるの」
熱斗は銀色の話を黙って聞いている。
「最初は悲しくて泣いたり、塞ぎ込んだりした・・・けど、それじゃ大切な人は帰ってこない、自分から取り戻しに行かなくちゃって思うようになったの。
だから熱斗君も、前を見て、一緒に取り戻そう、大切な人を・・・」
銀色はそういうと熱斗に向かって微笑んだ。
「・・・あ、ありがとう、そうだ、そうだよね!! オレ達で何とかしなくちゃ、オレ達でロックマンと銀色さんの大切な人を取り戻すんだ!!」
熱斗はそういうとベンチから飛び降りるように立ち上がり、大きくガッツポーズをした。
「ありがとう、銀色さん!! なんか元気でてきたよ!!」
熱斗は銀色のほうを振り返るとニッと笑顔でお礼を言った。
だが銀色はその熱斗の顔を見て口をポカンとして驚いているような顔をしている。
「・・・・・・斗・・・」
銀色は何かをポツンと呟いた。
「えっ、なんか言った?」
「う、ううん、なんでもない独り言・・・」
「ふーん・・・」
熱斗はそういうと銀色に背を向け、星空を眺め始めた。
(・・・似てる・・・・・・彼に・・・)
銀色はそう考えると頭の中であの時のことを思いだす。
「・・!!」
「えっ!?」
「あのね、お母さんから教えてもらったんだけど、特別仲良しのお友達とは名前で呼び合うんだって!! だから私これからは・・のこと呼び捨てで呼ぶね!! ・・もそうして、ねっ!!」
「う、うん、分かったよ、銀色・・・」
(銀色・・・)
銀色の頭の中で、記憶の中の少年の声が響く。
「銀色さん・・・」
銀色がハッと気が付くと熱斗が銀色の顔を心配そうに覗き込んでいた。
「銀色さん、さっきからボーっとしてるけど大丈夫?」
熱斗は銀色に声をかける。 だが銀色は突然、熱斗に抱きついてきた。
「えっええええ!!? ちょ、銀色さん!!?」
熱斗は顔を真っ赤にして叫ぶ。
だが、銀色の体がガタガタ震えていることに気づき、すぐに冷静になる。
「どうしたんですか、銀色さん・・・?」
熱斗は銀色にやさしく語りかける。
「熱斗君・・・本当は、私の大切な人って言うのは・・・!!」
「何やってるんのよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
銀色の声は突然屋上に響いた怒鳴り声にかき消された。
熱斗と銀色が怒鳴り声のした方を向くと、そこには鬼神へと変貌したメイルとその後ろでガタガタと恐怖に震えている、炎山、デカオ、やいと、実体化したスバル、ミソラ、ウォーロック、ハープがいた。
___三十分程前 科学省の休憩室___
「ミ、ミソラちゃん、お願いだから離してくれない///」
「えー、いいじゃん久しぶりに会えたんだから♪」
『ウォーロック様~♪』
『来るな~~~!!!』
『ハァ・・・』
実体化したミソラ(ミソラも電波変換を解除しない)はスバルの腕に抱きつき、アリエルとウォーロックはグルグル回って追いかけっこをし、ハープはそれを見てため息をついた。
なぜこんなことになっているかというと、メインルームでの話が終わった後、熱斗に一人になりたいと言われたスバルが実体化したところをミソラがむりやりここまで連れてきたのである。
「スバル君とミソラちゃんってなかいいね~」
メイルが二人を茶化す。
「えへへ、メイルちゃんは熱斗君と仲いいの?」
ミソラがメイルに問いかける。
「え、そんなんじゃないから///」
『熱斗君鈍感だから・・・』
『お気の毒にね・・・』
突然の質問に思わず否定するメイルをロール、ハープが茶化す。
「あはは・・・それより、アレほっといていいの?」
女の子たちの恋話に苦笑いをしたスバルはまだ追いかけっこをしているウォーロックとアリエルを指差す。
『ああ、アレ、FM星にいた頃からあんな感じだから大丈夫よ』
ハープが手をヒラヒラさせて答える。
「へ、へええ~、そうなんだ」
スバルはウォーロックが哀れに思えてきた。
だがその時、休憩室の扉を勢いよく開けてやいとが入ってきた。
「大変よ!! メイルちゃん!!!」
「ど、どうしたのやいとちゃん!?」
「それは屋上に行けば分かる!!」
そういうとやいとはメイルの腕を掴み、部屋を飛び出した。
「ちょ、どこ行くの!?」
「わ、ミソラちゃん!! 引っ張らないで!!」
『ミソラ!?』
『逃げるチャンス!!』
『あ、置いてかないで~』
ミソラ、スバル、ハープ、ウォーロック、アリエルの順にやいととメイルの後を追った。
___科学省 通路___
「お前ら、何走ってるんだ!?」
「おおおお!?」
通路を歩いていた炎山、デカオが突然爆走してきたやいとたちに驚く。
だがやいと達はそんなことには目もくれず、屋上へと走っていった。
「おい!?」
「メイルちゃ~ん!!」
炎山とデカオもやいと達の後を追う。
そしてさっきの銀色が熱斗に抱きつくシーンを目撃したのである。
___場面戻り 屋上___
「何やってるの? 熱斗・・・!!」
メイルが熱斗に近づいて聞いてきた。
「あ、いや、その、えと、命をばかりは勘弁を~~!!!」
熱斗はメイルのあまりの怒りように恐怖し、思わずどけ座してしまった。
メイルはさすがにびっくりしてしまいさっきまでの怒りは半分以上消えてしまった。
「え、ちょ、そんな怯えなくても・・・」
『メイルちゃん、はっきり言って怖かったよ』
「あの・・・」
そこに銀色が話しかけてきた。
「ごめんなさい、私の様子がおかしくて熱斗君が心配して近づいた時に私、立ち上がろうとしてこけちゃったの。 それで思わず熱斗君に抱きついちゃって、だから今のは事故なのよ、メイルちゃん」
銀色がメイルに代弁する。
「え、そうなんですか、ならいいんです」
銀色はメイルがそういってくれると科学省内に戻っていった。
「じゃあ、メイルちゃん、オレも休むよ、お休み」
「オレも帰らせてもらう・・・(アレがあの桜井・・・!?)」
「じゃ、じゃあ・・・(こえ~、母ちゃんよりこえ~)」
「じゃあ、ボクも!!(委員長みたいだった!!?)」
『あばよ!!(女ってのはどいつもこいつも侮れねぇ・・・!!)』
上から熱斗、炎山、デカオ、スバル、ウォーロックの順に話すと、科学省内に戻っていった。
「メイルちゃん・・・」
屋上に残ったメイル、やいと、ミソラ、ハープのうち、やいとがメイルに話しかけてきた。
「なに? やいとちゃん」
「大丈夫よ、会って間もないのに熱斗君が銀色さんを好きになるわけないわよ」
「ありがとう・・・」
メイルたちはその後何も言わず、科学省内に入っていった。
ミソラ
「熱斗君と銀色さんが急接近かぁ・・・」
やいと
「なーんかあの二人意味深な関係ねぇ・・・アレ? フレイムナイトは?」
アリエル
『そういえばメイルも居ないわね?』
ミソラ・アリエル・やいと
「・・・・・・」
みなさんのご想像におまかせします・・・・・・。