流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~ 作:フレイムナイト
「あ・・・」
銀色が自分の手を見て言った。
『どうしたの?』
「パーツが無くなってる」
『ええっ!!』
ロールとハープ・ノートが銀色の手を見ると、さっきまで銀色が握っていた四角い金色のパーツが確かに無くなっている。
「あ、それはこっちにあるよ」
スバルはロール達に声をかける。
スバルの胸元には何の飾りもない、金色の鍵が光っている。
「スバル君、その鍵・・・」
ハープ・ノートがスバルを指差す。
「ボク達が見つけたパーツと、銀色さんが見つけたパーツが一つになったんだ。
そして・・・
この力が生まれた!!!」
Ver.スノーマジシャンになったスバルがクラウドマンに向き直す。
「来い!! クラウドマン!!!」
スバルは杖をクラウドマンに向け、挑発する。
「調子に乗るなー!! ゴロサンダー!!!」
クラウドマンは周りにあった雲から電気のボールを出し、スバル目掛けて放出する。
「に、逃げて!!!」
ミソラがスバルに向かって叫ぶ。
だがスバルはその場から動こうとせず、杖を上に掲げた。
「アイス・・・シェル!!!」
すると、スバルを巨大な氷の貝のようなものが包み込み、クラウドマンが放った電撃をすべて防いでしまった。
『な、馬鹿な!!?』
クラウドマンは後ろに下がりながら叫んだ。
「コナユキ!!!」
スバルが杖を一回振る。 すると電脳世界に突然、吹雪が吹き始めた。
『ぬおおお~~~!!?』
吹雪がクラウドマンを襲う。
「きゃああ!! ・・・あれ?」
突然の吹雪にミソラは体をまるめるが、すぐに立ち上がる。
吹雪はクラウドマンにダメージを与えているが、ミソラ達はなんともないのだ。
「なにこれ!? あいつはこの吹雪でダメージを受けているのに・・・」
『私達は何ともない』
ロールたちは心底不思議そうな顔をする。
「あれが、ホープ・キーの力・・・」
銀色が小さな声で呟く。
「これで終わりだ!! クラウドマン!!!」
スバルはそういうと杖の先端をクラウドマンに向ける。
杖の先端に白い光が集まっていく。
『ふざけるな~~~!!! エレキストーム!!!』
クラウドマンは巨大な雷雲と共にスバルに突進してきた。
スバルは顔色一つ変えず、杖に光を集める。
「HFB(ホープ・フォース・ビックバン)、ダイヤモンドダスト!!!」
スバルがそう叫ぶと杖の先端から何百個の雪の結晶がクラウドマンを攻撃した。
『ぐああああ~~!!! これが、オ・・・ラシ・・・の・・ちか・・・ら・・・』
クラウドマンは雪の結晶の彼方へと消滅した。
「やった~~!! スバル君すご~~い!!!」
ミソラが喜びの声を上げる。
「う、うん・・・(クラウドマンは最後になんていったんだろう?)」
スバルはクラウドマンが最後に言った言葉が気になってから空返事をしてしまった。
___数十分後 セントラルエリア中央広場のベンチ___
フルーラーの街の人達はみんな目を覚まし、一体何があったのかと周りをキョロキョロしている。
「大丈夫? 銀色さん?」
「大丈夫よ。 メイルちゃん。」
ベンチに腰掛ける銀色にメイルが心配そうな声で話しかけた。
スバルがクラウドマンを倒した後、連絡を聞いたデカオたちがやって来て、怪我をしたアリエル・ウォーティーをロールが治し、セントラルエリアまで熱斗達が運んだのだ。
「あの、銀色さんって言ったよね?」
熱斗が銀色に問いかけてきた。
「・・・ええ、何か聞きたいことでも?」
「なんで、ネビュラの仲間のフリなんてしていたのさ?」
熱斗の問いに銀色は少し間をおいて説明した。
「私、助けたい人がいるの。 ネビュラに捕らわれてしまった大切な人・・・。 でも、どうすればいいのかまったく分からなくって・・・その時、アリエルに会ったの。 アリエルは『あなたから私と同じものを感じる。 愛しい人のために何かしたいという思いが』と言って、自分が何者なのか、そしてネビュラの仲間のフリをしているってことを話してきて、『私に協力して欲しい』と頼んできたの。 私は最初半信半疑だったんだけど、アリエルの目は真剣で嘘を言っているようには思えなかった。 だから私はアリエルを受け入れ、ネビュラの仲間のフリをして、チャンスを伺っていたの」
「そうだったんだ・・・。 でも銀色さんの大切な人って?」
メイルが銀色に問う。
「あ、その・・・」
銀色は顔を赤くして口ごもる。
メイルは銀色の様子を見て、納得するとそれ以上何も聞かなかった。
「とにかく!! これでまた仲間が増えたんだ!!
これからよろしくお願いします、銀色さん!!!」
熱斗はそういいながら銀色に手を差し出す。
「・・・よろしく!!」
銀色は微笑みながら熱斗の手を握った。
「そういえば、ミソラちゃんって子はどうしたの?」
やいとが不意に、ミソラはどうしたのかを聞いてきた。
「あ、ミソラちゃんはここだよ」
メイルがそういうと自分のPETを取り出し、画面をみんなに見せた。
画面にはロールと一緒にハープ・ノートが映し出されていた。
「初めまして! これからスバル君と同じく、メイルちゃんのPETにお世話になります。 よろしくお願いします!!!」
PET画面のミソラはそういうとペコッと頭を下げた。
「ょ、よろしくお願いします!!!」
「これからよろしく頼む・・・」
「女の子同士仲良くしましょ!」
デカオ、炎山、やいとがミソラに挨拶をする。
みんな自分の挨拶を済ませ、和やかなムードになる・・・が、
「ウォーロック!! しっかりしてよ!!!」
突然、熱斗のPETからスバルの大声が聞こえてきた。
「どうした? スバル?」
熱斗はPETを取り出し、スバルに呼びかける。
「ウォーロックがさっきのまんまで放心したままなんだ!!」
「えっ!! あんなことが起こってもまだ気絶してるのかよ!!?」
そう、ウォーロックはメイルからゲームに負けたという知らせを聞いてから、今の今までずっと物言わぬ人形のような状態のままだったのだ。
「よっぽどショックだったのね・・・」
「すまん、悪ノリしずぎた」
やいとと炎山が言う。
『う~、ちょっと残念だけどしょうがないか』
アリエルはそう言うと、銀色のPETから熱斗のPETの中に移動した。
そして、ウォーロックの耳元で言った。
『ウォーロック様、賭けは無しで良いですよ』
『・・・・・・えっ・・・・・・?』
ウォーロックが小さく驚いた声を出した。 そして数秒後・・・
『よっしゃああああああああ!!!』
両手を上に大きく上げて叫んだ。
「・・・うでナビ・・・」
「良かった・・・かな?」
熱斗とスバルは少し呆れ顔で言った。
フレイムナイト
「クロス・マジシャン、Ver.スノーマジシャンは、頭の中でイメージした物を全て氷で創作することができ、しかも、敵と認識した者以外には攻撃が無効化されるっていう、すごい力も持っているんだ!」
熱斗
「すっげ~他にもこんな変身があるのか!?」
フレイムナイト
「それはこの小説の重要機構なので、ナ・イ・ショ♪」